好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第35話スノボしたくないですか?

『先輩?スノーボードしたくないですか?』


突然カズヤが聞いてきた。


『え?まぁ滑れるしやりたいかな』


カズヤがチケットを渡してくる。


『お母さんが会社からもらってきて、
レンタルとリフト無料券2枚あるんで
どうかなって』


『いいね、楽しそう。カズヤは滑れるの?』


『滑れる訳ないじゃないですか
だから先輩に教えてもらいます』


『おっけー』


車で1時間ほどのスキー場にカズヤのお母さんに送ってもらった。


『あ〜 寒いですね。死んじゃいます』


ウェアとボードをレンタルし着替えをする。


『なんか派手な色ばっかですね
恥ずかしいです』


『まぁ、雪山で目立つようにだから
しょうがないだろ』


着替えを終え、記念に写真を撮る。


『カズヤ、ゴンドラ乗るぞ』


ゴンドラに乗り上までさらに登る。


『おお〜高いですね!落ちたらやばそうです!』


到着してカズヤに装着の仕方を教える


『これで僕もスノーボーダーですね
才能が開花しますよ』


カズヤが自信満々に威張ってると


『えええ、先輩これ、どーやって』


ドテンッ


『こんなの滑れないです』


『お前諦めるの早い』


手取り足取り教えると普通に滑り降りるくらいにはなれた。


『先いくぞ!』


我慢できなくなりカズヤを置いて滑り降りる。少し下った所で脇の方に止まりカズヤを待つ。


人は少なく、遠目にかずやが小さく見えるくらいだ。



真っ白な雪世界


周りの音は雪に吸収され無音となる


ただ一人きりの自分の世界


そうそうと吹く風が心地いい


それを壊すかのように悲鳴を上げながらカズヤが滑り降りてくる。


この瞬間が幸せと感じる。





『先行かないでくださいよ!』


『ごめんごめん』


滑り終わると休憩をした。


『お腹すきましたね。暖かいの食べたいです』


カレーを頼み2人で食べた。


『いやぁーお腹いっぱいです』


『こういう所でで食べるのは何でも美味しいよ
この後まだ滑る?』



『いや、僕はいいです。
身体中痛いですし、疲れきりました。』


『そっか...』


正直まだ滑りたい気持ちがあった。


『でも先輩は何でもできるんですね!
かっこよかった!』


帰りの車の中、カズヤは疲れて眠ってしまった。


『サトシくん。最近カズヤとどう?』


『どうって言われましても...
いつも通りです。』


カズヤのお母さんは勘が鋭い。


この前あんな事があったのになんとなく気づいているのだろうか。


『そう!この前の遊園地で何かあったのかなって思ったけど気のせいかな』


本当に勘がいい。


『あ、いゃ、まぁそこそこです』


『キスくらいした?』


ブブッ


思わず吹き出す。


『そっか、キスはしたんだ〜
どーだった?どっちから?』


このお母さんはなんなんだ


『ま、まぁカズヤから...
よかった...です。』


『へぇこの子から。成長したのね。』


お母さんが感傷に浸る。



『カズヤの事は僕が守ります。
と言っても、まだ高校生なんで何もできないですけど。でも必ず、こいつを見捨てるような事はしません。 』


『いい恋人を持って幸せだね この子は』


『あ、いや恋人では...』



カズヤに出会って俺は変わった。


何がどうとかは分からないけど


(そろそろ、気持ちを伝えるべき...だよな?)

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品