好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第33話夢の国はやっぱり楽しい2

お目当ての乗り物に次々と乗り、どれも最高に楽しかった。


『先輩、歩き疲れましたね』


『ちょっと座って休んでな
飲み物買ってくるから』


ドリンクを買いに行くとカレーの香ばしい匂いがしてポップコーンも買って戻った。


『お!ポップコーン!カレー味ですか?』


『せんぱい、あーん』


口を大きく開け食べさせて欲しそうだ


ポップコーンを掴み口に近づける。


パクっ


『お前は鯉か!』


その後は乗っていないアトラクションに乗ったり
お土産を買ったりして楽しんだ。


『このペアのキーホルダーかいません?』


『誰にもう一つ渡すの?』


『そんなの先輩に決まってますよ。』


即答だ。


顔が思わずにやける。


『まぁ、いいんじゃない』




気がつけば日も暮れ始めて来た。


『今日は早いですね。時間が過ぎるのが』


『それだけ楽しかったってことだろ』


少しだけ寂しそうにするカズヤの背中をさすった。


『でもまだ最後にパレードがあるから。楽しみは終わってないぜ』


カズヤがニコッとする。


前の方に場所取りをしてパレード開始を待つ。


この時間になると本当に寒くなり
カズヤがブルブルと震えている。


マフラーを外し、カズヤに巻いてあげ
片方の手を繋ぐ。


『先輩は優しいですね。僕の王子様です』


楽しげなメロディが流れてきて、夜の暗闇を昼間のように照らす色鮮やかなライトが照らされる。


パレードは色々なキャラクターが様々な装飾のされた乗り物に乗りゆっくり走ってくる。


お客に手を振ったり、ダンスしたり
悲しげにしていたカズヤの顔にも笑みが戻ってきた。


『最後の最後までたのしいですね!
ここは夢の国です!!』


カズヤはこの光景を目に焼き付けるようにパレードを見ていた。


パレードも終了し多くの人が帰宅しようとぞろぞろ歩きだす。


その人達と一緒に歩き出そうとしたカズヤの手を引っ張った。


『どーしました?』


『閉園まではまだ少しあるぜ。
最初のジェットコースターもう一回乗ろうか!』


『うん!』


少しでも最後まで楽しもうともう一度乗り込んだ。


昼間と違い、頂上まで来ると暗闇を光が照らす幻想的な景色が見えた。


がそれもつかの間



『ウォォォ!!!』


『ギャャャャャャ』


降りるとまた2人で大爆笑した。




ゲートを出る前、カップル達が大きな
オブジェの前で写真を撮っている。


『先輩!写真とろ!』



オブジェの前に行き、カズヤがくっついてくる。


カズヤが携帯を取り出しインカメを向けた。


『先輩...こっち見て』


カズヤが唇を合わせてきた。


カシャ


『......』




『いやでした?』


『ん...いや..じゃない』


夢の国の雰囲気に飲まれ人前でキスをされても全く嫌じゃなかった。


『先輩の気持ちが整理できるまで待ちますって言いましたけど我慢できませんでした。


僕は先輩の事が大好きです。


僕は先輩が好きって...これで僕が先輩の事好きだってはっきりしましたよね?


後は先輩を待ちます』


『カズヤ...俺はお前が...』


口に指を当てられた。


『先輩は流されちゃダメです。
僕は今日、先輩が好きって...本当に大好きって
自分の中で答えが出たから言いました。


なので先輩の事まだ待ちますから』


こいつは俺に好きと言わさせてくれない。


俺の中で答えは出ているがカズヤは多分
俺の本当の気持ちを分かっているのかも知れない。

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