好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第26話一緒なら何しても楽しい

11月中盤 今年は例年より早く雪が積もった。


土曜日の部活終わり雪道の中凍え死にそうになりながら帰る。


『先輩!雪合戦しましょう!かまくらも作りたいな〜』


カズヤが無邪気に言ってくるが寒すぎてやばい。


『やだ さむい 死ぬ。子供じゃないんだから雪遊びとか無理』


駄々をこねて足を止めるカズヤを置いて先に歩く。


バンッ


後頭部に雪玉が飛んできた。


『おまえっっ!!』


雪玉を作りカズヤに投げつける。


結局、雪合戦が始まりお互い雪だらけになり思い切り動いたので、こんなに寒いのに汗だくになった。


『あついな』


『先輩も本当はやりたかったんですね』


『お前が!....』


結局いつもはカズヤの言うことを聞いてしまう。
でもこれでカズヤが喜んでくれるならそれでいい。


『すべり台作りましょ!』


汗をかいたので一旦家に戻り着替えてから近くの公園に行った。


公園一面に雪が積もり、
すべり台くらいすぐに作れそうな雪の量だ。


『スコップか何かないの?』


『あるわけないです』


バンッ


雪玉を投げつける。


『いったいなぁ 忘れてましたよ
雪玉を転がして雪だるまの容量で
沢山作って盛り上げれば行けますよ』



お互い雪玉をコロコロ転がし、ものの
20分くらいでまあまあの高さになった。


『やればできますね。疲れましたけど』


『よし!あとは階段とすべるところだな』


分担して作り、1.5mくらいの高さのすべり台が完成した。


カズヤがすべり台を登り滑り降りる。


『うぉぉ!』


カズヤが叫ぶ。


『お前、今年1番声出てたぞ』


『先輩もやってみて!』



『うわぁ!』


予想以上にスリルがある。


『うわぁって先輩ビビリですね』


カズヤがツボに入ったらしく腹を抱えて笑っている。


『笑いすぎだろ!』


カズヤに向かって走りカズヤの体を掴み一緒に倒れる。


『『 はぁ〜』』


同時に息の抜けた声を出し、ハマったのがおかしくて同時に笑う。


『疲れましたね。』


『だなぁ。 でも楽しかった。』


『僕より先輩の方が楽しがってましたよね  雪遊びは子供の遊びとか言ってたのに』


『カズヤとなら何しても楽しいよ』


『僕もですよ』



『い〜しや〜き芋 お芋』


焼き芋のトラックが公園の前を通る。


『先輩食べましょ』


大きい焼き芋を1本だけ買い半分に
分けて食べる。


『美味しいな』


『先輩となら何食べても 美味しいです』


カズヤが楽しそうに話す。


雪がチラつく中、焼き芋を食べながら
ゆっくり帰った。


今年の冬は思い出が沢山出来そうだ。


『なら、雪玉かじってみてよ
俺と一緒ならなんでも美味しいんだろ?』


カズヤに蹴りを入れられた...

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