好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第21話久しぶりの学校

久しぶりの学校、教室に入ると俺の暴力沙汰が普通に広まっていてクラスの連中にいろいろ聞かれまくった。


『相手は10人だっけ? すごいね!』


『むしゃくしゃして殴ったって? お前やるな!
しかも片手しか使わなかったんだろ!』


噂が噂を呼び、噂だけ聴くと俺はもうただの超人みたいになっていた。


下手にハブられないだけマシと思いながら適当に返していた。


クラスはもう修学旅行気分で賑やかだ。


(うわ、すっかり忘れてたわ)


班は同じ部活のメンバーで形成されていたので
一安心だ。


昼休み、校長室に呼ばれもう暴力は払うなと念を押された。


授業も終わり2週間ぶりの部活に向かうとジュンヤとカズヤが部室にいた。


『ジュンヤ、久しぶり〜』


『サトシ先輩!謹慎とけて良かったですね!
俺の友達がカズヤに酷いことしてすみませんでした...』


『いやいや、ジュンヤは何も悪くないし俺の方こそ 友達ボッコボコににして悪かった』


『...先輩、顔が怖いです
それ悪いと思ってない顔です』


思い出すとついムシャクシャする。


『ま、まぁカズヤをあんな目に合わせといて
悪いだなんて思ってないけど』


『あいつら、いい奴らではないんで
まぁでも先輩復帰して良かったですよ!
先輩いない間、カズヤ元気なかったですから』


カズヤがジュンヤをバシッとたたく。


他の部員と顧問も集まったのでひとまず謝った。




『いやぁ〜 2週間ぶりの部活は体にこたえるわ』


部活が終わり、カズヤと2人で帰る


『もう、僕の為に喧嘩はしないでくださいね!
先輩が、怪我しちゃうと悲しくなりますよ』


『もーしないよ! ....たぶん』


『もぅ!』


『悪かったって、寄り道してこーぜ!
なんか食べにいくか』


『はい!ポテト食べたいですね』


『おまえ、チョイス微妙な』


ハンバーガー屋に行き、ポテトの特盛りを頼み2人でつまむ。


『でも、先輩いなくて学校つまらなかったです
すごく寂しかったですし』


『もーそれはわかったよ。 そんな事言っても俺、来週から修学旅行だけど、その間どーすんだよ。』


謹慎期間にクラスで班分けや、見に行く所とかはもう決まっていた。


『え?』


『大阪とか京都の4泊5日』


『ついて行きます』


『お前は来年だろ!』 頭を軽く小突く。


カズヤが机にうつ伏せる。


『先輩と同じ年が良かったです...それなら』


『お前みたいな暗い奴が同い年だったら絶対話しかけねーし、友達になってねーよ』


『ひどい...』    冗談のつもりが本気で傷つく。


『いや、冗談だよ!カズヤ!』


こいつの冗談の通じなさは異様なほどだ。
それだけ純粋なのだろう。


『お土産買ってくるから何がいい?』


『んーと、鹿せんべい?』


『お前それ、鹿の餌だわ...  人間も食えないことはないと思うけど』


『え!? なら八つ橋とかでいいです』


『あーい、覚えとくよ だから我慢しろな』


『先輩と2人で旅行したいです。 約束してくれるなら我慢します。』


『...わかったよ。 どこ行きたいか決めといて
だから、我慢してな  電話くらい夜するから』


『はい!』


正直、俺だってカズヤが居なかったら寂しいが
こいつほどではないと思う。


カズヤの寂しがり屋は群を抜いている。


いつもの日常に戻ったら、日の経過はあっという間で、修学旅行当日を迎えた。



          

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