好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第16話文化祭当日



家で3時間ほど仮眠をし学校へ向かうと既に教室ではみんな集まり今日の段取りを話している。


お化け役の変装の手伝いして準備が終わったのは
文化祭開始の30分前でみんなそれぞれ各自の役割に着く。


受付係を任されているのでドアの前で待機する。


開始と共に他校の生徒やOB.保護者がずらずらと校内に入ってきた。


お化け屋敷は好評で人がヅラっと並び行列ができた。


ものすごく忙しく気づいたらお昼になっていた。
受付係を他の人と交代してもらい校内を散策する。


(カズヤのとこ行かないと)


カズヤの教室へ向かうとカフェも好評でそれなりに人が来ていたがカズヤが見当たらなくシュンヤが居たので聞いてみる。


『カズヤどこいるの?』


『さっきまでレジしてましたけど...休憩してるんですかね』


(あいつ1人でどこにいるんだろう)


ジュンヤの元を後にしカズヤを探す為
校内を探し歩く。


(全く見当たらん、どこいんだ)


クラスの方も忙しくて戻らないとだったがカズヤの事が気になった。


(電話をかけてみるか)


プルルルル


プルルルル


(でねーな)


プルルルル


『はい?』


全く元気のない声だ。


『カズヤ今どこいるの?』


『先輩に関係ありません。  クラスの人達と思い出作ってください』


『何言ってんだよ せっかくお前に会う為に時間作ったのに』


こんなに人がいるのに電話の向こうは全く静かだ


(人いなさそうなとこどこだ?)


電話しながらカズヤの居場所を探し歩く。


『先輩、電話に全く出てくれないし』


『それはかけ直そうとしたけど、忙しくて』


『僕なんかやっぱり邪魔なんですよね


先輩には友達いるのに僕とばかり遊んでてもつまらないですよね』


全く人の言い分を聞かず悲観的な事ばかり言ってくる。


屋上なら人がいないと思い屋上へ向かう。


『お前、ちょっとは俺の話を聞けよ』


つい口調が強くなる。


『怒らないでくださいよ... 先輩なんか
嫌いです...』


嫌いですと言う言葉に傷ついた。


『俺もネチネチした奴は嫌いだよ!』


屋上に着くとカズヤの後ろ姿が見えた。


電話を切りそっと近く カズヤは体育座りをしながら泣いていて、全くこちらに気づかない。


膝をつきそっと後ろから手を回し抱きしめ、カズヤの右耳に口を近づける


『ごめん、俺が悪かった。言い訳するわけじゃないけど、本当に忙しくてさ』


カズヤはやはり泣いていた。


『ぜんぱぃ..ぼくさみしくて...
せんぱい電話出てくれないし』


ごめんと強く抱きしめる。


『もしよかったら一緒に文化祭楽しまない?』


『いいんでずがぁ?』


全く泣き止まらなず、悲し泣きからの嬉し泣きなのかさらに泣く。


カズヤの顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。


ハンカチを取り出し顔を拭いてやる。


『せんぱい、ごめんなさい ぼく せんぱいの事嫌いって言っちゃった...本当は大好きなのに』


『俺もごめんな 俺だって嫌いじゃないよ。』


カズヤが泣き止むのを待ち2人で文化祭を楽しんだ。


喫茶店、お好み焼き、舞台発表など
他のクラスの出し物や体育館でのバンド演奏などを見て思い切り楽しんだ。


時間も過ぎカズヤと別れて教室に戻った。自分の仕事をほったらかしてたのでクラスの女子にこってり怒られた。


文化祭は成功に終わりクラスのみんなも満足気だった。


『お疲れ様でした!!!
みんなのおかげで無事終了できましまた!』


片付けも終え学級委員長がみんなにお礼を言い解散した。


その日の夜もクラスの打ち上げがあり参加した。


カズヤとのごたごたも解決できて素直に楽しめた。 打ち上げ中カズヤから


【先輩はやっぱり優しいですね 僕の為に今日はごめんなさい】


とメールがきていた。


もう気にするなと返信をした。


俺がいるからカズヤは俺に甘え友達もできないのではないか。


自分の存在がカズヤに悪影響を与えてるのではないか。


ついそう思ってしまった。

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