同世界転生の最強貴族
第二十七話 神器と野望
    転移石を使って一気に王城へと転移する。すると、門番はこちらに気付いたらしく、こちらにパタパタと走ってくる。
「これはこれはゼクロイド副伯様。何かございましたようですね。おい!城門を開けろ!」
「ありがとうございます」
「いえいえ。これが私の任された仕事なので」
    その言葉に軽く会釈する。この人はさぞ良い人なんだろうと笑いながら、王城の応接室へと足を運ぶ。
    王城の応接室へと到着すると、すぐさま国王陛下が入室してきた。夜の刻十時でも起きているというのは、かなり意外ではあったが、いつも通りの満面の笑みを浮かべながら入って来ていた。
「夜分遅くに申し訳ございません。国王陛下」
「まあまあ・・・・そう畏まらなくてもいいさ。それよりも話って言うのはなんだい?」
「実はなのですが──」
    これまでの事を一通り説明する。その話を聞いている途中から、段々顔から笑みが消えていった。
「なるほどな・・・・・今回の件は戦争をした所で終わらないだろう。所でその神器はなんなんだ?お前なら分かるだろうう?」
「今調べて見ますね」
『スキル "完全鑑定"』
《アイテムステータス》
【名前】神聖 破壊の腕輪
【種類】破壊神特製装備 神器
『効果等』かつてこの世に存在していた破壊神、ガイアスの作った装備の一つ。どの神より優れていたとされている神の作った、最高品質の装備であり、破壊神以外が破壊する事は、絶対に不可能である。これを付けているだけで、勝手に魔法が発動して自分の身を守ってくれる。(神級魔法のみしか発動不可)
「鑑定し終わりました」
    鑑定がもう終わったという事にかなり驚いていたが、「やれやれ」という感じをしながらも、「で?結果はどうしたんだ?」と聞いて来た。
「鑑定結果は───って言う感じですかね」
「破壊神ガイアス様か・・・・・・」
「何かあったのですか?」
    国王陛下は、少し肩をビクッと震わせた。
『何かあるのだろうか?』
「実はな・・・・お前に行っておこうと思っ──」
『それ以上を言う事は我が許さぬぞ。無能な人間を束ねる者よ。そなたがこれ以上何か言うというなら、こちらもそれなりの事をしなくてはいけなくなる』
    いきなり声が聞こえたので、そちらへ急いで振り返りながら『召喚剣 "聖剣 エリータ"』と心の中で唱える。
    だが、相手は自分は敵ではないと言っている。そして、その証拠に破壊の腕輪が発動してない事からも、害では無いという事が分かる。
「お前の名前はなんて言うんだ?どうして此処に来たのかも教えてくれ」
『我の名は白神狼エルスレイン。そして、我らは絶対神様の霊により、全員各神器をお主に届ける事を任されたのだ。よってここに来たまでよ』
「絶対神様が!?何故この者に!?」
    国王陛下の言葉に完全に黙り込んでしまった。そして、しばらくすると、エルスレインが予想の斜め下の言葉を言い放った。
『面白そうだからだそうだ』
「面白いからとか・・・・・ぷふっ」
    腹が立ったので頭を殴って沈めたのは言うまでもない。その為、国王陛下は頭に出来たコブに手を当てている。更に、衝撃で顎が外れたらしい。
『それでは私は帰ることとする。さらばだ・・・・・』
    後ろへ振り返り歩き始めたかと思うと、空間に切れ目ができ、その空間の中に入っていった。
「取り敢えず、家に帰りますね。いつの間にか付けられていたペンダント型の神器も気になりますし」
「ふぁふぁっひゃよ。ひぇも、ひゆほはへへまっへふれはいは?ほほままはほひゃべりひふひ(分かったよ。でも、治癒を掛けてってくれないか?このままだと喋りにくい)」
「仕方ないですね・・・・・」
『治癒魔法 "治癒"』
「うむ。ありがとう」
「それでは帰らせていただきます」
    そうとだけ言葉を残し、王城を後にした。
    外に出て、空を見上げると、満点の星空が見えていた。そして、そんな事とは関係無く、一つの決意を下した。
「俺は冒険者としても、一人の貴族としても、この国に危害を及ぼす輩は排除しよう・・・・・」
    こうして、これから迫ってくる災厄も知らずに、この一日を終えるのであった。
◇魔王 ??????視点◇
「ほれ皆の者!今日は我らが魔王の中の魔王、魔皇帝様を復活させる日だ!!」
「でもサリーの姉御、俺以外の魔王はもう封印されちまってるから喜ぼうにも喜べないぜ?幾ら暗黒大魔導師とか言う、暗黒魔術師を極めた姉御でも、流石に無理じゃねぇーか?」
「はぁー・・・・これだから脳筋は困るのじゃ。良いかハルグベデグ。そんなやわな封印程度、魔皇帝様さえ復活させられれば、一瞬だ!!」
    脳筋呼ばわりされた事はストレスではあるが、その他の理由はしっかりしているため、どうにも出来なかった。
「・・・・けっ・・・・・それなら、早く復活させろよな・・・・・・」
『古代降臨術 "魔皇帝降臨"』
    魔法を発動すると、紫色の光がこの一室を覆う。眩い光が収まり、目をゆっくりと開くと、目の前に、虚無の瞳や漆黒の装備を持った男が立っていた。
    そして、辺りを見渡したかと思うと、その男は不敵な笑みを浮かべる。その笑みには、同じ仲間であるのに、ゾッとした。逆らったら殺されると思った。
「主らが我を召喚したものか・・・・。まあ良い、我が名はグレイジオ。貴様等が主に値する魔皇帝だ。よろしく頼もうぞ」
    こうして、世界崩壊へのカウントダウンが始まったのだった。
「これはこれはゼクロイド副伯様。何かございましたようですね。おい!城門を開けろ!」
「ありがとうございます」
「いえいえ。これが私の任された仕事なので」
    その言葉に軽く会釈する。この人はさぞ良い人なんだろうと笑いながら、王城の応接室へと足を運ぶ。
    王城の応接室へと到着すると、すぐさま国王陛下が入室してきた。夜の刻十時でも起きているというのは、かなり意外ではあったが、いつも通りの満面の笑みを浮かべながら入って来ていた。
「夜分遅くに申し訳ございません。国王陛下」
「まあまあ・・・・そう畏まらなくてもいいさ。それよりも話って言うのはなんだい?」
「実はなのですが──」
    これまでの事を一通り説明する。その話を聞いている途中から、段々顔から笑みが消えていった。
「なるほどな・・・・・今回の件は戦争をした所で終わらないだろう。所でその神器はなんなんだ?お前なら分かるだろうう?」
「今調べて見ますね」
『スキル "完全鑑定"』
《アイテムステータス》
【名前】神聖 破壊の腕輪
【種類】破壊神特製装備 神器
『効果等』かつてこの世に存在していた破壊神、ガイアスの作った装備の一つ。どの神より優れていたとされている神の作った、最高品質の装備であり、破壊神以外が破壊する事は、絶対に不可能である。これを付けているだけで、勝手に魔法が発動して自分の身を守ってくれる。(神級魔法のみしか発動不可)
「鑑定し終わりました」
    鑑定がもう終わったという事にかなり驚いていたが、「やれやれ」という感じをしながらも、「で?結果はどうしたんだ?」と聞いて来た。
「鑑定結果は───って言う感じですかね」
「破壊神ガイアス様か・・・・・・」
「何かあったのですか?」
    国王陛下は、少し肩をビクッと震わせた。
『何かあるのだろうか?』
「実はな・・・・お前に行っておこうと思っ──」
『それ以上を言う事は我が許さぬぞ。無能な人間を束ねる者よ。そなたがこれ以上何か言うというなら、こちらもそれなりの事をしなくてはいけなくなる』
    いきなり声が聞こえたので、そちらへ急いで振り返りながら『召喚剣 "聖剣 エリータ"』と心の中で唱える。
    だが、相手は自分は敵ではないと言っている。そして、その証拠に破壊の腕輪が発動してない事からも、害では無いという事が分かる。
「お前の名前はなんて言うんだ?どうして此処に来たのかも教えてくれ」
『我の名は白神狼エルスレイン。そして、我らは絶対神様の霊により、全員各神器をお主に届ける事を任されたのだ。よってここに来たまでよ』
「絶対神様が!?何故この者に!?」
    国王陛下の言葉に完全に黙り込んでしまった。そして、しばらくすると、エルスレインが予想の斜め下の言葉を言い放った。
『面白そうだからだそうだ』
「面白いからとか・・・・・ぷふっ」
    腹が立ったので頭を殴って沈めたのは言うまでもない。その為、国王陛下は頭に出来たコブに手を当てている。更に、衝撃で顎が外れたらしい。
『それでは私は帰ることとする。さらばだ・・・・・』
    後ろへ振り返り歩き始めたかと思うと、空間に切れ目ができ、その空間の中に入っていった。
「取り敢えず、家に帰りますね。いつの間にか付けられていたペンダント型の神器も気になりますし」
「ふぁふぁっひゃよ。ひぇも、ひゆほはへへまっへふれはいは?ほほままはほひゃべりひふひ(分かったよ。でも、治癒を掛けてってくれないか?このままだと喋りにくい)」
「仕方ないですね・・・・・」
『治癒魔法 "治癒"』
「うむ。ありがとう」
「それでは帰らせていただきます」
    そうとだけ言葉を残し、王城を後にした。
    外に出て、空を見上げると、満点の星空が見えていた。そして、そんな事とは関係無く、一つの決意を下した。
「俺は冒険者としても、一人の貴族としても、この国に危害を及ぼす輩は排除しよう・・・・・」
    こうして、これから迫ってくる災厄も知らずに、この一日を終えるのであった。
◇魔王 ??????視点◇
「ほれ皆の者!今日は我らが魔王の中の魔王、魔皇帝様を復活させる日だ!!」
「でもサリーの姉御、俺以外の魔王はもう封印されちまってるから喜ぼうにも喜べないぜ?幾ら暗黒大魔導師とか言う、暗黒魔術師を極めた姉御でも、流石に無理じゃねぇーか?」
「はぁー・・・・これだから脳筋は困るのじゃ。良いかハルグベデグ。そんなやわな封印程度、魔皇帝様さえ復活させられれば、一瞬だ!!」
    脳筋呼ばわりされた事はストレスではあるが、その他の理由はしっかりしているため、どうにも出来なかった。
「・・・・けっ・・・・・それなら、早く復活させろよな・・・・・・」
『古代降臨術 "魔皇帝降臨"』
    魔法を発動すると、紫色の光がこの一室を覆う。眩い光が収まり、目をゆっくりと開くと、目の前に、虚無の瞳や漆黒の装備を持った男が立っていた。
    そして、辺りを見渡したかと思うと、その男は不敵な笑みを浮かべる。その笑みには、同じ仲間であるのに、ゾッとした。逆らったら殺されると思った。
「主らが我を召喚したものか・・・・。まあ良い、我が名はグレイジオ。貴様等が主に値する魔皇帝だ。よろしく頼もうぞ」
    こうして、世界崩壊へのカウントダウンが始まったのだった。
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