同世界転生の最強貴族
第二十五話 神器と予感
「流石に大きいな....」
    中に入ってみると、かなり手入れが行き届いてるような清潔感があり、大理石の床や、石英の柱、金の装飾にホコリ一つ付いていない。
    ちなみにこのノエラカラエスト神殿の最高探索階層は129階層。何故かは知らないのだが、かなり攻略されている。だが、神器を守る神殿なので、軽く1000階層を越えるとも言われている。
「はぁー・・・・ようやく50階層か・・・・・・。ここまで進展がないとは・・・・・」
    だが、少し疑問はある。何故かここまでの階層は全て構造が一緒の箇所が一つだけあった。それは、零階層───つまり、入ってすぐの所の、一番左の派手に装飾された壁の下に当たる場所は全て柱が必ずあるのだ。まるで、何処からか入れるかのように。
「まあ、そんな事を考えていても仕方ないか・・・・」
    柱に寄りかかって休む事にした。だが、寄りかかった瞬間壁が透けて、そのまま落ちていく。
    その事実に、驚きながらもワクワクとした好奇心が隠せない。
「うわっ!・・・・本当に隠されてる入口あったのか・・・・・。と言うか浮遊感のせいで気持ち悪い・・・・・・」
    浮遊感による吐き気を堪えながらも、ようやく地面に着地する。衝撃のあまり尻餅を着いてしまったのは言うまでもないだろう。
「痛たた・・・・。ってこんな事やってる場合じゃないか・・・・・。それより・・・・・ここは何処だ?」
    何階層かは知らないが、とても神聖で、何処か懐かしい気がする。
    周りを見ていると、数千枚とも思える魔法陣に囲われている白銀に光り輝く腕輪が置いてあり、その前には鮮やかな燃えるような朱色の身体をした鳥、つまり幻獣の一匹である不死鳥フェニックスが居た。
    少し歩いて近付くと、足元にあった足をけってしまう。そして、その石はそのまま不死鳥フェニックスに当たる。すると、その朱色の体を起こす。
『む?・・・・我は誇り高き幻獣の一人である不死鳥、シニール。・・・汝の事は存じておる。どうか好きにすると良い』
    攻撃されたりすると思い身構えていたが、今の言葉で少しだけ気を緩めた。それと、なぜか了承された事に少し驚いたが、深呼吸して話す。
「・・・・そこで何だが、シニール。少し聞きたい事があるんだがいいか?」
『む?なんだ?そなたの頼みならある程度は聞き届けようぞ。行ってみるが良い』
「ああ。頼るという訳では無いが・・・・存じておると言っていたが、誰から聞いたんだ?」
    その言葉を聞いたシニールは停止した。そして、十秒程してようやく話し始める。その間が気になったが、あまり詮索はしないでおく。
『我が主の親友、魔神 ニーニャ様からお聞きしたのだ』
『魔神ニーニャか・・・・・』
    本名、魔法・魔術神ニーニャ・リスエール・シフォン=べギーナ。
『この世界の魔族以外全種族が崇める四柱の神々の一柱が俺の事を?何故なのだろうか』
『理由は教えて頂けなかったが、我もお主には特別な何かを感じるからな』
「そうか....それよりも俺は神器を取りに来た訳では無いのだが?」
    その言葉を聞くなり、凄く驚いた表情をして、羽をパタパタさせる。その絵面は、とても先程の威厳ある物とは別だった。
『なっ!?そうじゃ無かったのか!?』
「俺はただここから溢れ出てきてる魔物を止めて欲しくて来ただけで、神器欲しさで来たわけじゃない」
『そ、そうか・・・・。まあ、そう言わずに持ってけ!・・・・・ほれっ!』
    シニールが触れた瞬間に数千枚程の魔法陣が全て消え、それを手に取ると、いきなり投げられた。
    慌ててキャッチする。すると、勝手に腕に付いて、離れなくなってしまった。
『ちなみにこの世に存在する神器等は我が主・・・・つまり、破壊神 ガイアス様が作った物だ。大切にすると良い』
    破壊神ガイアスの名を聞いた瞬間に、急に鼓動が早くなる。何故だろう。胸の奥がモヤモヤする感じだ。
「ああ、ありがとう。そして、本題の方はどうするんだ?」
    鼓動の音を沈める為に、話題を逸らす。すると、何か察したのか、話に乗ってくれた。
『本題の方は簡単に言えばもう大丈夫だ。神器の無くなった神殿は崩壊して、跡形も無くなるからな』
「それならそれでも良いが・・・・・それじゃあお前はどうするんだ?」
    お前はどうするんだ?と言う言葉に、体をピクリと動かす。オドオドしながらも、一拍置いて口を開く。
『わ、我は主の帰りをまま、待つのみだ』
「?・・・・・そうか」
『お前は転移魔法で上に行かせよう。だから、もう今の事は悪い夢だと思って忘れろ。ただ、また会うだろうな。その時は─────』
『禁忌魔法 "超距離転移"』
    何か言っていたが、上手く聞き取れないまま外に転移する。続きも気になるが、もう戻っても瓦礫の餌食になるだけだろう。
「その時は・・・・・か・・・・。何があるんだろうか・・・・・」
    そんな事を考えながら街中へと歩みを進めていると、ノエラカラエスト神殿は完全に崩れ落ちた。それを確認して、商王様の所へ歩いていく。
    空を見上げると、もう日は落ちていた。
『今日はもう疲れたな・・・・・』
    体に疲労感を覚えながらも、商王様の待つ王城の接客室を目指すのだった。
    中に入ってみると、かなり手入れが行き届いてるような清潔感があり、大理石の床や、石英の柱、金の装飾にホコリ一つ付いていない。
    ちなみにこのノエラカラエスト神殿の最高探索階層は129階層。何故かは知らないのだが、かなり攻略されている。だが、神器を守る神殿なので、軽く1000階層を越えるとも言われている。
「はぁー・・・・ようやく50階層か・・・・・・。ここまで進展がないとは・・・・・」
    だが、少し疑問はある。何故かここまでの階層は全て構造が一緒の箇所が一つだけあった。それは、零階層───つまり、入ってすぐの所の、一番左の派手に装飾された壁の下に当たる場所は全て柱が必ずあるのだ。まるで、何処からか入れるかのように。
「まあ、そんな事を考えていても仕方ないか・・・・」
    柱に寄りかかって休む事にした。だが、寄りかかった瞬間壁が透けて、そのまま落ちていく。
    その事実に、驚きながらもワクワクとした好奇心が隠せない。
「うわっ!・・・・本当に隠されてる入口あったのか・・・・・。と言うか浮遊感のせいで気持ち悪い・・・・・・」
    浮遊感による吐き気を堪えながらも、ようやく地面に着地する。衝撃のあまり尻餅を着いてしまったのは言うまでもないだろう。
「痛たた・・・・。ってこんな事やってる場合じゃないか・・・・・。それより・・・・・ここは何処だ?」
    何階層かは知らないが、とても神聖で、何処か懐かしい気がする。
    周りを見ていると、数千枚とも思える魔法陣に囲われている白銀に光り輝く腕輪が置いてあり、その前には鮮やかな燃えるような朱色の身体をした鳥、つまり幻獣の一匹である不死鳥フェニックスが居た。
    少し歩いて近付くと、足元にあった足をけってしまう。そして、その石はそのまま不死鳥フェニックスに当たる。すると、その朱色の体を起こす。
『む?・・・・我は誇り高き幻獣の一人である不死鳥、シニール。・・・汝の事は存じておる。どうか好きにすると良い』
    攻撃されたりすると思い身構えていたが、今の言葉で少しだけ気を緩めた。それと、なぜか了承された事に少し驚いたが、深呼吸して話す。
「・・・・そこで何だが、シニール。少し聞きたい事があるんだがいいか?」
『む?なんだ?そなたの頼みならある程度は聞き届けようぞ。行ってみるが良い』
「ああ。頼るという訳では無いが・・・・存じておると言っていたが、誰から聞いたんだ?」
    その言葉を聞いたシニールは停止した。そして、十秒程してようやく話し始める。その間が気になったが、あまり詮索はしないでおく。
『我が主の親友、魔神 ニーニャ様からお聞きしたのだ』
『魔神ニーニャか・・・・・』
    本名、魔法・魔術神ニーニャ・リスエール・シフォン=べギーナ。
『この世界の魔族以外全種族が崇める四柱の神々の一柱が俺の事を?何故なのだろうか』
『理由は教えて頂けなかったが、我もお主には特別な何かを感じるからな』
「そうか....それよりも俺は神器を取りに来た訳では無いのだが?」
    その言葉を聞くなり、凄く驚いた表情をして、羽をパタパタさせる。その絵面は、とても先程の威厳ある物とは別だった。
『なっ!?そうじゃ無かったのか!?』
「俺はただここから溢れ出てきてる魔物を止めて欲しくて来ただけで、神器欲しさで来たわけじゃない」
『そ、そうか・・・・。まあ、そう言わずに持ってけ!・・・・・ほれっ!』
    シニールが触れた瞬間に数千枚程の魔法陣が全て消え、それを手に取ると、いきなり投げられた。
    慌ててキャッチする。すると、勝手に腕に付いて、離れなくなってしまった。
『ちなみにこの世に存在する神器等は我が主・・・・つまり、破壊神 ガイアス様が作った物だ。大切にすると良い』
    破壊神ガイアスの名を聞いた瞬間に、急に鼓動が早くなる。何故だろう。胸の奥がモヤモヤする感じだ。
「ああ、ありがとう。そして、本題の方はどうするんだ?」
    鼓動の音を沈める為に、話題を逸らす。すると、何か察したのか、話に乗ってくれた。
『本題の方は簡単に言えばもう大丈夫だ。神器の無くなった神殿は崩壊して、跡形も無くなるからな』
「それならそれでも良いが・・・・・それじゃあお前はどうするんだ?」
    お前はどうするんだ?と言う言葉に、体をピクリと動かす。オドオドしながらも、一拍置いて口を開く。
『わ、我は主の帰りをまま、待つのみだ』
「?・・・・・そうか」
『お前は転移魔法で上に行かせよう。だから、もう今の事は悪い夢だと思って忘れろ。ただ、また会うだろうな。その時は─────』
『禁忌魔法 "超距離転移"』
    何か言っていたが、上手く聞き取れないまま外に転移する。続きも気になるが、もう戻っても瓦礫の餌食になるだけだろう。
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    そんな事を考えながら街中へと歩みを進めていると、ノエラカラエスト神殿は完全に崩れ落ちた。それを確認して、商王様の所へ歩いていく。
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