同世界転生の最強貴族

夜谷 ソラ

第二十一話 恩人と元凶

「ま、まさかお前は・・・・!!」

    目の前には、あの時カウンターに居た、SSランクと言われていた子供冒険者が立っていた。

「まさか?あー・・・・あの時見てた勇者か・・・・・」

『ストーンゴーレムの目の前でも、怯えずに平然と立っている。やはりただの子供では無いようだな・・・・・』


◇ゼクロイド 視点◇

「まあ、こいつの弱点は、無いに等しいから倒せないのも無理は無いよな・・・・」

『獄炎魔法 "獄炎の息吹ヘルフレイムブレス"』

    そう唱えた瞬間、半径1メートル級の魔法陣が手に出来て行っていた。

「な、んなんだ・・・・その魔法」

「覚えておいても使えないと思うけど、火属性系統の超級魔法、"獄炎の息吹ヘルフレイムブレスだよっと!!」

    力を込めると、ストーンゴーレムが、炎の球体に飲まれて行く。こちらは、その球体から発せられる熱で、茹でられそうなぐらいだ。
    そして、その球体が消えると、ストーンゴーレムは、魔石となって居た。

「それじゃあ・・・・俺は百階層のボスを倒したいんで、先急ぐよ。・・・っと、そうだ・・・・・皆回復させ手から向かうことにするか」

『治癒魔法 "範囲完全回復エリアパーフェクトヒール"』

    すると、四人の体を黄緑色の光が包み込む。それが消えるのを確認して、歩いていく。

「・・・・あんなのに、勝てるはずが無いな・・・」


    しばらく歩いていると、お弁当を忘れているのに気付いた。

「あ・・・・シェラ母様の作ったお弁当を持ってくるの忘れたな・・・・・取りに帰るか」

    急いで、来た道を折り返していく。だが、もうそこに勇者達の姿は無かった。

「転移石でも使ったのか・・・・」

    それからそこまで時間を要さずに、地上まで来れた。そして、早歩き程度の速度で家まで急ぐ。

    その近くを、急ぎめの馬車が横切る。そこで、その馬車のマークに違和感を覚える。

「あれは帝国の馬車?帝国は中に入れないようになっているはずだが・・・・何故あの馬車は・・・・・」

    気になったので、馬車に完全鑑定のスキルを使用する。

『完全鑑定 "馬車"』

《馬車》

乗車員  サーベル 盗賊 Lv.13
              バル 帝国騎士 Lv.47
              シェイン 調教師 Lv.21
              リン 暗殺者 Lv.35
              ルナメナ 王女 Lv.4

状況  第一王女・ルナメナを誘拐。
          首にはナイフが当てられている。
          誘拐目的は不明。

現在位置  スラム街の門付近で、
                  盗賊達と戦闘中。


「こんな昼間に攫うやつなんているんだなっ!!」

『混合魔法 "暴風足伸ウォークアシスト"』『スキル "気配隠蔽Lv.10"』

    十秒もしない内に追いつく。そして、気配察知で場所を把握して、ルナメナ王女以外に、雷の魔法で、気絶させた。馬車に乗ると、そこにはしっかりと姫だけが起きていた。

「大丈夫ですか?第一王女様」

「──っ!─────。───?」

    なんと言っているのかは分からないが、口を布で覆われているので、それを取ってあげた。

「これでよしっと・・・・」

「ありがとうございますっ!!」

「早速で申し訳ないですが、ルナメナ様。私が王城までお送り致します。しっかりつかまってくださいね?」

    ルナメナ王女は、小さな首をキョトンとしたがら傾げていた。なので、少し力強く手を握り、そのまま暴風足伸ウォークアシスト等を掛けて、五秒程掛けて王城へと着く。

「・・・・・はっ!今のは何だったのですか?」

「(本当は支援と暴風の混合魔法だけど・・・・)支援系統の魔法ですので、あまりお気になさらず」

「分かりました」

    納得してくれた事に、少しだけ安堵の表情を浮かべる。
    その表情を見ていたルナメナ王女は、再び口を開く。が、その事に対して何か言われた訳ではなく、名前を聞かれただけだった。

「貴方の名前はなんと言うのですか?教えて頂けると良いのですが・・・・」

「あ、私の名前ですか・・・・。私の名前は、ゼクロイド・ファースト・リムスニアです。以後お見知り置きを」

「覚えておきますね!では!またの機会がありましたら、そこでお会いしましょう!」

    元気に手を振られたので、手を振り返す。そして、城内に入ったのを確認して、自分も家へと向かう。

    家の中に入ると、まず、目の前で仁王立ちしているシェラ母様が居た。そして、背筋を嫌な汗が伝う。

「ねぇーロイ?なんでお母さんが怒ってるか分かる?」

「お弁当を置いていったから・・・・・」

「そうよ!絶対お昼抜きにして探索するだろうと思ったから、栄養のある物を詰めて上げたのに、なんでこう忘れていくの!?第一ね───」

    このお説教が小一時間程度続いた。その後はいつもの様に、お風呂に入って夕食を摂って、そのまま眠った。


    だが、この時のゼクロイドは知らなかった。あの誘拐から、ある出来事が始まってしまうという事に・・・・・。

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