同世界転生の最強貴族

夜谷 ソラ

第十五話 セルジア領

───あの事件から三日後の日曜日。俺は与えられた領土である、セルジア領に馬車で向かっていた。

「あとどれ位掛かるんだ?」

    メティアにそう問掛けると、くるりとこちらに振り返り、しばらく顎に人差し指を当てて考えている。

「そうですね・・・・後三十分もすれば着くと思いますよ」

『後三十分もあるのか・・・・・。どうにかこの時間を有効活用したいものだが、如何せん俺には暇を潰す物が無い。どうしたものか・・・・・』

    そう考えていると、良い事を思いついた。これまで手を出していなかったものに気が付いたのだ。

「適当に剣に付与でもしてみるか!」

    とは言ってみたものの、正直何の付与があるのか分かっていない。そこで、かなりの間頭を抱えて考えていると、一つの考えに至った。

『召喚剣 "聖剣 リーテル"』

    そして、リーテルに鑑定をかけてみる。そう。これこそが考えなのだ。


《アイテムステータス》

【名前】聖剣リーテル=ファースト

【種類】固有 神聖透明剣・神聖武器

『効果等』かなり前に存在していた破壊神が生前作った聖剣。この刃は持ってる人にはうっすらと見えるのだが、周りの人から見ると、何も持っていないように見える。破壊王か破壊神の称号を持つ者のみ所有可能。

付与エンチャント
 鋭利化 黄金化 鋼鉄化 神器化 神聖 神造
 神装剣 称号特定(破壊王,破壊神) 聖剣
 耐久 耐水 耐熱 透明 特殊ダメージ
 物理無効化 不耗化 付与隠蔽 魔法無効化
 陽光注


「おー・・・・多すぎて鑑定する気も起きないが、不耗化と陽光注だけは分からないから見ておくか」

不耗化…耐久度の消耗をかなり下げる付与魔法。但し、他の耐久力を上げる魔法も付与しなければ使えない。

陽光注…太陽の光を内に秘めることにより、不死者アンデットに対し、絶対的な能力を持つ。

『ふむふむ・・・・』

    と、そんな時、目の前にメティアの顔が視界を遮る。

「ロイ様?そろそろセルジア領の中に入るので、準備してください」

「あ、ああ・・・・・なんと言うかバッドタイミングだな・・・・(小声」

「何か言いましたか?」

「い、いや?別になにも無いぞ?」

    殺し屋のような殺気を放っていたメティアには、正直逆らえない気がする。

    その後、馬車から降りて門を潜ると、街の人達からの歓迎の拍手を受けた。そして、人混みの中から、白髪の立派な白髭を付けたお爺さんが出てきた。

「良く来て下さいました。我らが新たな領主様。私の名前は、コルジット。平民でありながら、領主代理を務めさせて頂きます」

「俺の名前はゼクロイド・ファースト・リムスニア。こちらこそ、初めての領地経営で苦労を掛けるとは思うけど、宜しく頼むよ」

「では早速・・・・領主官邸に行きましょうか」

    その言葉に俺が頷くと、コルジットは歩き出す。なので、馬車に乗っていたメティアを降ろしてもらい、メティアと一緒に歩き出す。
    ──しばらくする事約五分。かなり古いが凄く大きく、立派な屋敷が見えてきた。

「あのリムスニア王国が、帝国だった頃の旗を掲げているのが、3代前の領主様が作った屋敷です。では、私はここらで・・・・」

「あ、あぁ・・・・・ありがとうコルジット」

    その言葉にコルジットは一礼し、来た道を折り返していった。
    その後しばらくの間領主官邸にて、資料の整理や、財政状況の確認等を一通り行った。ただ、

「ただ・・・・何かこの街はおかしいんだよな・・・・・・。スラム等があったり、財政難だったりでも、確かに問題だらけって言ったら問題だらけのなんだけどな・・・」

    一つだけ、いやそれ以上に気になる事があるのだ。まず、この街の住民は笑顔で迎えたが、中にはあからさまに殺気を混じらせている者も、少なくは無かった。

『どうしてだろう・・・・・』

    考え事をしていると、部屋の扉がノックされる。

「メティアか?入っていいよ」

    入っていいよのはいの時にはもう入って来ていた。というか、余程急いでいるらしい。

「こ、これは緊急事態です!ま、魔族の大軍がやって来ています!!」

「なっ・・・おい・・・・嘘だろ?領主に就任してから一日目で、魔族の大軍が責めてくるとか、どんな緊急事態だよ・・・」

    呆れているが、来てしまったのなら仕方無い。そう思って外に出てみると、魔族は何故か領地の壁のかなり手前で降りたようだ。
    領地の壁の穴から見ていると、前も見た事がある奴が、声を張り上げて挑発気味に言う。

「どうも、人類最強の人族さん。今回はこの前の借りを返しに来ましたよ?」

    挑発に乗るわけではないが、こちらも相手に聞こえるように大きな声で言う。

「それはどうも。だが、何処にも俺を倒せるような物は無いだろう?」

    それは嘘だ。何故かは分からないが、おれの第六感が告げている。あいつの右ポケットに入っている何かはヤバいと。

「分かってないなら、好都合。では、早速使わせて頂きます」

    その言葉と共に、ポケットから禍々しい笛を出した。それには、人の顔のような模様が彫ってあった。そして、それを吹き始めた。

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