神の力を喰らった魔術師《マジックキャスター》
【第17話】友との決別、そしてシルヴァの決意
アイルの後ろから、シルヴァが、ゼルと言う少女に話しかけ、その少女は目を点にしてシルヴァを見つめていた。
「え...シルヴァ?えー!?本物?」
ゼルは、先ほどの殺気を含んだ表情から一転して少女の笑みを浮かべていた。その笑みに困ったようにアイルの後ろに隠れるシルヴァを見て首をかしげていた。
「何で隠れるのー?あ、もしかして、この血が原因かな?仕方ないんだよー、だって邪魔だったんだもん」
「そ、それでも、それ以外の方法もあったんじゃないの!?」
アイルの後ろから身体を出し、真っ直ぐにゼルの目を見ながら言ったシルヴァに対して、ゼルは微笑が消え、先ほどまでの表情になった。その覇気に負け、またアイルの後ろに隠れた。
「今ね、ここと私が居る帝国って戦争してるの。だから、そんな甘えたこと言えないんだよ...シルヴァは変わる事を知らないね。あの時から」
アイルは、その【あの時】と言うことが気になり、ゼルに視線を向けると口を開き、その事を喋り始めた。
シルヴァは、元々は帝国に占領された獣人の村から連れてこられた娘で、獣人の兵士は強いと、その時噂になり兵士として育てられていた時にゼルとであった。
何度もの戦争を超えて、勢力を拡大して、今にいたる帝国だが、その帝国軍の幹部に居るのにも関わらず一度も大きな戦果を揚げていなかった。
それで、ゼルがシルヴァに聞いたところ...
「私は、人殺しなんかしたくない。もうあんな思いをする人を作りたくない。もっといい案は無いのかな」
といい、ゼルがそれを隊長にいったら、シルヴァは帝国軍を追放になった。
そこで、今の義父と出会い今にいたる。
その事を話した、ゼルは先ほどまでしたくしていたシルヴァに対して嘲笑い、もう一度、口を開いた。
「どうせ、此処に居る人たちだって、あなたのせいで死ぬのよ?シルヴァ、貴方が弱いから...」
その事を言われたシルヴァは、唇を噛み血を流していた。
それを見たアイルは、ゼルに言おうと口を開こうとしたが、それは、後ろで唇を噛んでいたシルヴァによって止められた。
「私...私だって、守ることくらい、出来る!ここで、証明してやる!」
シルヴァは、アイルの後ろから出て行くと、腰に提げていた【金獅子の刀】を抜刀しその剣先をゼルに向ける。ゼルはそれに答えるように、剣を持つほうの手袋をシルヴァに向けて投げた。
「拾いなよ...ここで殺してあげる」
シルヴァは、その手袋を拾いあげ、それを強く握った。心配したような目線を送るアイルにシルヴァは、声には出さず『大丈夫です』と口を動かした。
それを合図に、シルヴァはゼルに向かって行った。
ゼルは、その行動に笑みを零しながらシルヴァの様子を伺っていた。
ゼルと、シルヴァの動きは似たような動きで、剣が当たっては弾かれてといって両者、最初の一撃を入れられていない状況に居た。
アイルが、それを眺めていると横からルビーが話しかけてきた。
「なーなー、あの赤い鉱石ってもしかしなくても?」
「多分、ルビーが探してる奴だと思うよ。僕はあんまり見たこと無いけど、話ぐらいは聞いたことはあるからね」
その鉱石と言うのは、ルビーが欲しがっていた「レッドマナダイヤ」だ。
その鉱石は、炎系の魔術の術式やマナを含ませると綺麗な赤色に輝くといわれている。だが、その力を解放させると全てを焼き尽くす炎を放出する。その姿は、そのままの名前で【レーヴァテイン】言われている。
まだ、鉱石からマナが流れてきていないとなると、さいごの手札として残しているのか、とアイルは思いながら見ていた。
獣人であるシルヴァはバーンアップを使えるが、これも最後の手札として残しているのだが、現在帝国兵士で見るところ力のあるゼルと、今の今まであまり戦いに触れてこなかったシルヴァでは、圧倒的にゼルのほうが有利だ。このまま行けば、ゼルの【レーヴァテイン】は使わずに終わる。
だが、シルヴァも此処まで何もやっていなかったわけではない、剣撃を捌きながら好機を伺っていて、ついにその時が来た。
「ここっ!我、シルヴァ・ファングが命ずる。我の力になったその刀身よ、主の願いを叶え、金獅子の力で蹂躙せよ。穿て《時喰いの金獅子》」
シルヴァがゼルの剣を弾いた後に、蹴りを入れ吹き飛ばした。
その隙に詠唱をしたながら刀を掲げたシルヴァに一筋の雷が落ちシルヴァを包んだ。
その雷光が晴れたときには、シルヴァの姿が変わっていて、腕には入墨のようなものが入っていて、所々雷が纏っていたる。その中でも一番目を引くのは足だった。
その足は、金色の毛と鱗が纏っていて、金獅子を物語っていた。
「ッチ...面倒だなー。神降し、しかも金獅子を使った《雷電》」
そんな事を言っているゼルをお構いなしにシルヴァはゼルに向けて刀を振った。普通は、当たらない攻撃だが、タイムイーター・レオになったことによって、時空を削った攻撃が出来るようになった。
それを感づいたゼルは、その場から避けると、元いた場所に斬撃の跡があった。
その跡に気をとられたゼルは、シルヴァから気がそれてしまって、シルヴァがゼルの後ろに時空を使ってきていたことが分からず、攻撃をもろに喰らった。
「まったく、ホントにダルイナ!君なんかに使いたくなかったけど...轟け、響け、そして我に勝利の光を、全てを喰らい、力あるものを焼き尽くせ!絶技《カオス・オブ・イフリート》」
ゼルが、言った絶技、それは逆流の書の第二章三節に載っていたもので、アイルは驚きを隠せなかった。
ゼルを見ると、持っている剣は、禍々しい剣になりその周りに紫色の炎が燃えていた。その炎は生き物のように見えた。
「さて、これで焼き尽くしてあげる!」
「これで、消えて!」
シルヴァとゼルが鍔迫り合いになり、両者が走り出し、その大きな力が当たればここら一体は更地になると思ったアイルは、布で巻かれていた鎌から布を外し、その間に割り込んだ。
「我、アイル・インフィニットが命ずる。全ての力を拒否する!」
そう言うと、そこで起きた力が弱まっていき、無くなった。
両者、力を使い果てたのかその場に倒れた。それを見たアイルは、近くにいた帝国兵にゼルを運んで帰るように指示して、シルヴァは城の中の客室に運び入れてもらった。
アイルは鎌を持ったまま、少し放心状態になっていた、その姿を見ているアマテラスは右腕の黒い靄をみて、少し悲しい顔をしていた。
「え...シルヴァ?えー!?本物?」
ゼルは、先ほどの殺気を含んだ表情から一転して少女の笑みを浮かべていた。その笑みに困ったようにアイルの後ろに隠れるシルヴァを見て首をかしげていた。
「何で隠れるのー?あ、もしかして、この血が原因かな?仕方ないんだよー、だって邪魔だったんだもん」
「そ、それでも、それ以外の方法もあったんじゃないの!?」
アイルの後ろから身体を出し、真っ直ぐにゼルの目を見ながら言ったシルヴァに対して、ゼルは微笑が消え、先ほどまでの表情になった。その覇気に負け、またアイルの後ろに隠れた。
「今ね、ここと私が居る帝国って戦争してるの。だから、そんな甘えたこと言えないんだよ...シルヴァは変わる事を知らないね。あの時から」
アイルは、その【あの時】と言うことが気になり、ゼルに視線を向けると口を開き、その事を喋り始めた。
シルヴァは、元々は帝国に占領された獣人の村から連れてこられた娘で、獣人の兵士は強いと、その時噂になり兵士として育てられていた時にゼルとであった。
何度もの戦争を超えて、勢力を拡大して、今にいたる帝国だが、その帝国軍の幹部に居るのにも関わらず一度も大きな戦果を揚げていなかった。
それで、ゼルがシルヴァに聞いたところ...
「私は、人殺しなんかしたくない。もうあんな思いをする人を作りたくない。もっといい案は無いのかな」
といい、ゼルがそれを隊長にいったら、シルヴァは帝国軍を追放になった。
そこで、今の義父と出会い今にいたる。
その事を話した、ゼルは先ほどまでしたくしていたシルヴァに対して嘲笑い、もう一度、口を開いた。
「どうせ、此処に居る人たちだって、あなたのせいで死ぬのよ?シルヴァ、貴方が弱いから...」
その事を言われたシルヴァは、唇を噛み血を流していた。
それを見たアイルは、ゼルに言おうと口を開こうとしたが、それは、後ろで唇を噛んでいたシルヴァによって止められた。
「私...私だって、守ることくらい、出来る!ここで、証明してやる!」
シルヴァは、アイルの後ろから出て行くと、腰に提げていた【金獅子の刀】を抜刀しその剣先をゼルに向ける。ゼルはそれに答えるように、剣を持つほうの手袋をシルヴァに向けて投げた。
「拾いなよ...ここで殺してあげる」
シルヴァは、その手袋を拾いあげ、それを強く握った。心配したような目線を送るアイルにシルヴァは、声には出さず『大丈夫です』と口を動かした。
それを合図に、シルヴァはゼルに向かって行った。
ゼルは、その行動に笑みを零しながらシルヴァの様子を伺っていた。
ゼルと、シルヴァの動きは似たような動きで、剣が当たっては弾かれてといって両者、最初の一撃を入れられていない状況に居た。
アイルが、それを眺めていると横からルビーが話しかけてきた。
「なーなー、あの赤い鉱石ってもしかしなくても?」
「多分、ルビーが探してる奴だと思うよ。僕はあんまり見たこと無いけど、話ぐらいは聞いたことはあるからね」
その鉱石と言うのは、ルビーが欲しがっていた「レッドマナダイヤ」だ。
その鉱石は、炎系の魔術の術式やマナを含ませると綺麗な赤色に輝くといわれている。だが、その力を解放させると全てを焼き尽くす炎を放出する。その姿は、そのままの名前で【レーヴァテイン】言われている。
まだ、鉱石からマナが流れてきていないとなると、さいごの手札として残しているのか、とアイルは思いながら見ていた。
獣人であるシルヴァはバーンアップを使えるが、これも最後の手札として残しているのだが、現在帝国兵士で見るところ力のあるゼルと、今の今まであまり戦いに触れてこなかったシルヴァでは、圧倒的にゼルのほうが有利だ。このまま行けば、ゼルの【レーヴァテイン】は使わずに終わる。
だが、シルヴァも此処まで何もやっていなかったわけではない、剣撃を捌きながら好機を伺っていて、ついにその時が来た。
「ここっ!我、シルヴァ・ファングが命ずる。我の力になったその刀身よ、主の願いを叶え、金獅子の力で蹂躙せよ。穿て《時喰いの金獅子》」
シルヴァがゼルの剣を弾いた後に、蹴りを入れ吹き飛ばした。
その隙に詠唱をしたながら刀を掲げたシルヴァに一筋の雷が落ちシルヴァを包んだ。
その雷光が晴れたときには、シルヴァの姿が変わっていて、腕には入墨のようなものが入っていて、所々雷が纏っていたる。その中でも一番目を引くのは足だった。
その足は、金色の毛と鱗が纏っていて、金獅子を物語っていた。
「ッチ...面倒だなー。神降し、しかも金獅子を使った《雷電》」
そんな事を言っているゼルをお構いなしにシルヴァはゼルに向けて刀を振った。普通は、当たらない攻撃だが、タイムイーター・レオになったことによって、時空を削った攻撃が出来るようになった。
それを感づいたゼルは、その場から避けると、元いた場所に斬撃の跡があった。
その跡に気をとられたゼルは、シルヴァから気がそれてしまって、シルヴァがゼルの後ろに時空を使ってきていたことが分からず、攻撃をもろに喰らった。
「まったく、ホントにダルイナ!君なんかに使いたくなかったけど...轟け、響け、そして我に勝利の光を、全てを喰らい、力あるものを焼き尽くせ!絶技《カオス・オブ・イフリート》」
ゼルが、言った絶技、それは逆流の書の第二章三節に載っていたもので、アイルは驚きを隠せなかった。
ゼルを見ると、持っている剣は、禍々しい剣になりその周りに紫色の炎が燃えていた。その炎は生き物のように見えた。
「さて、これで焼き尽くしてあげる!」
「これで、消えて!」
シルヴァとゼルが鍔迫り合いになり、両者が走り出し、その大きな力が当たればここら一体は更地になると思ったアイルは、布で巻かれていた鎌から布を外し、その間に割り込んだ。
「我、アイル・インフィニットが命ずる。全ての力を拒否する!」
そう言うと、そこで起きた力が弱まっていき、無くなった。
両者、力を使い果てたのかその場に倒れた。それを見たアイルは、近くにいた帝国兵にゼルを運んで帰るように指示して、シルヴァは城の中の客室に運び入れてもらった。
アイルは鎌を持ったまま、少し放心状態になっていた、その姿を見ているアマテラスは右腕の黒い靄をみて、少し悲しい顔をしていた。
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