神の力を喰らった魔術師《マジックキャスター》
【第2話】悲しみを隠せぬ国王《キング》
シルヴァとアイルとその他の、招待客は玉座の間へ入った。
そこに入ると、玉座に国王がいて、その隣などには王子や護衛の騎士などが、立っていた。
「それでは、金剛札を拝借しますので、手に持ってください」
一人の騎士が、そう言うと、それぞれバッグなどから金剛札を出した。
騎士がそれを確信していると、玉座の近くにいた、王子がシルヴァを見つめていた。それに気付いて、シルヴァは少し俯き、服の裾を掴んでいた。
「おお、これは、これは、シルヴァ殿。貴女が呼ばれることは知っていましたが、そんなに緊張しなくてもいいのではないでしょうか?」
王子は、そんな事を言いながらシルヴァに近づいた。
だが、そのシルヴァは、下唇をかんで何かを訴えているようにアイルは見えた。
「我が息子よ、それ以上は近くでない…大切なお客様なのだから、礼儀正しく接しなさい」
「わかりました。お父様」
国王が王子に言うと、王子はシルヴァから視線を外し他のものを見渡し始めた。
金剛札を騎士に渡し、皆、招待客だと言うことが証明された。
「さて、ここに来てもらったのも他でもない。今後、予想される魔法大戦の対策を立てるため実力者に集まってもらった」
そこからは、国王が淡々と説明していった。
(おいおい、待ってく欲しいなー…実力者とか僕、何もしてないんだけど…えー)
アイルがそんな事を思っている事が顔に出てしまったのか、一人の騎士が抜剣した。
「王に対して、その顔はなんだ!無礼だぞ!」
「あ、すみません。寝不足でして…」
そんな事を適当に言い訳して、話を流していた。
「ここの場所は、お前が立入れる場所ではないのだぞ!少しは場をわきまえろ!」
「場をわきまえるのは、どっちですか?国王の話を止めて、ここに居る皆まで待たせて…それで、説教ですか…そうですか」
その事を言うと、その騎士はアイルから視線を外し周りを見渡した。
その光景は、皆の視線が集まり、国王までが口を開いたまま止まっていた。
「すみませんでした。話を続けてください」
「ゴホン…私の護衛が失礼をしたな。話を戻すが、皆にはこの国を背負って欲しい。今度、魔法大戦が起きたら此処は、この国は潰れる…犠牲者も出てくるだろう」
その事に、アイルは挙手をした。
「何だね、そこのフードを被っている人よ」
アイルはフードを取り、国王と目を合わせた。
「お話中、失礼いたします。私、アイル・インフィニットと申すものです。国王は『今回』国が潰れるから守って欲しいとおっしゃいましたよね?」
「あ、あぁ、言ったな…だが、それに何の問題がある?国が潰れれば此処の民は皆死ぬ」
「はい、そうですが…前の魔法大戦では此処は潰れませんでした…ですが、多くの民が死んでいきました…今回だけではなく、過ぎた事ですが前も、その方針は取ったのですか?」
アイルはこの国で生まれ、この国で育った。
ここは、アイルの両親の死に場でもある。
「少し待て…インフィニット…もしかして、オールド・インフィニットの息子か?」
「はい、それは確かに父の名前です。ですが、何故あなたが知っているんですか?」
「私と、お主の父上は戦友でな…だが、死んだのには変わりない」
国王は戦友が死んだからと言って、悲しんでる暇は無いと言うような目をしていた。
アイルは、その視線の奥底には悲しみの色が見えていた…隠そうとしても隠せない…その悲しみ。
「今回は国を優先したと…そう言う事ですか?」
「そう言う事だ…死んだと言っても、あいつは死ぬ前に希望を残していった…」
その言葉に、周りも息を飲んで次の言葉を待った。
「その希望は、お主だ。アイル・インフィニットよ。その他の者も希望だ。だから、どうか我の願いを聞き届けてはくれないか?もう、民が死ぬ姿を見たくは無い」
国王、直々に頭を下げていた。
その隣で、王子が微笑んだのは、まだ誰も知らない。
そこに入ると、玉座に国王がいて、その隣などには王子や護衛の騎士などが、立っていた。
「それでは、金剛札を拝借しますので、手に持ってください」
一人の騎士が、そう言うと、それぞれバッグなどから金剛札を出した。
騎士がそれを確信していると、玉座の近くにいた、王子がシルヴァを見つめていた。それに気付いて、シルヴァは少し俯き、服の裾を掴んでいた。
「おお、これは、これは、シルヴァ殿。貴女が呼ばれることは知っていましたが、そんなに緊張しなくてもいいのではないでしょうか?」
王子は、そんな事を言いながらシルヴァに近づいた。
だが、そのシルヴァは、下唇をかんで何かを訴えているようにアイルは見えた。
「我が息子よ、それ以上は近くでない…大切なお客様なのだから、礼儀正しく接しなさい」
「わかりました。お父様」
国王が王子に言うと、王子はシルヴァから視線を外し他のものを見渡し始めた。
金剛札を騎士に渡し、皆、招待客だと言うことが証明された。
「さて、ここに来てもらったのも他でもない。今後、予想される魔法大戦の対策を立てるため実力者に集まってもらった」
そこからは、国王が淡々と説明していった。
(おいおい、待ってく欲しいなー…実力者とか僕、何もしてないんだけど…えー)
アイルがそんな事を思っている事が顔に出てしまったのか、一人の騎士が抜剣した。
「王に対して、その顔はなんだ!無礼だぞ!」
「あ、すみません。寝不足でして…」
そんな事を適当に言い訳して、話を流していた。
「ここの場所は、お前が立入れる場所ではないのだぞ!少しは場をわきまえろ!」
「場をわきまえるのは、どっちですか?国王の話を止めて、ここに居る皆まで待たせて…それで、説教ですか…そうですか」
その事を言うと、その騎士はアイルから視線を外し周りを見渡した。
その光景は、皆の視線が集まり、国王までが口を開いたまま止まっていた。
「すみませんでした。話を続けてください」
「ゴホン…私の護衛が失礼をしたな。話を戻すが、皆にはこの国を背負って欲しい。今度、魔法大戦が起きたら此処は、この国は潰れる…犠牲者も出てくるだろう」
その事に、アイルは挙手をした。
「何だね、そこのフードを被っている人よ」
アイルはフードを取り、国王と目を合わせた。
「お話中、失礼いたします。私、アイル・インフィニットと申すものです。国王は『今回』国が潰れるから守って欲しいとおっしゃいましたよね?」
「あ、あぁ、言ったな…だが、それに何の問題がある?国が潰れれば此処の民は皆死ぬ」
「はい、そうですが…前の魔法大戦では此処は潰れませんでした…ですが、多くの民が死んでいきました…今回だけではなく、過ぎた事ですが前も、その方針は取ったのですか?」
アイルはこの国で生まれ、この国で育った。
ここは、アイルの両親の死に場でもある。
「少し待て…インフィニット…もしかして、オールド・インフィニットの息子か?」
「はい、それは確かに父の名前です。ですが、何故あなたが知っているんですか?」
「私と、お主の父上は戦友でな…だが、死んだのには変わりない」
国王は戦友が死んだからと言って、悲しんでる暇は無いと言うような目をしていた。
アイルは、その視線の奥底には悲しみの色が見えていた…隠そうとしても隠せない…その悲しみ。
「今回は国を優先したと…そう言う事ですか?」
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