日替わり転移 ~俺はあらゆる世界で無双する~(※MFブックスから書籍化)
119.血縁なき実娘
ステラちゃんの導きで潜った星の経絡ダンジョン。
その最深部、エネルギーが堰き止められていた箇所に大物が集まってる気配がある。
「エリーネアがやられたようだな……」
「だが、奴は我ら中でも最も小物」
「人間如きにやられるとは精霊王の面汚しよ」
「しかし、いったい何者が……?」
「ははっ、俺だー!」
問答無用で大破壊魔法を放り込むと、自称精霊王どもは光の中に消え去った。
「大漁大漁。これで二箇所目だな。どうだい、ステラちゃん?」
「ん、いいかんじー!」
ステラちゃんが笑顔でバンザイをする。
この子には雪山の経絡で星の意思と感覚をリンクしてもらったから、滞っていたエネルギーが星に巡っていくのをダイレクトに感じているのだろう。
「うーん、こんなに精霊をガンガン滅ぼしちゃって大丈夫なんですかね? これ、異世界の環境が大変動しちゃうんじゃあ……」
ステラちゃんがそんなだし、イツナとシアンヌが引っ込んでいる今……常識的な苦言を呈してくれるのはアディだけである。
「んー。天変地異のひとつやふたつは起きるだろうけど。将来の世界滅亡を回避できるんだし、必要経費じゃないか?」
俺がやってる作業は、いわゆる癌細胞の切除だ。
多少のぶり返しは仕方ない。
「じしんとね、つなみがおきるよー!」
「あー。ステラちゃん、なるほどですね。要するに父さんが今やってることって再創世なんですねぇ……」
再創世。
その名のとおり世界を創り直すことをいう。
主に創世神が自分の創った世界に納得がいかなかったときに行われる他、星の意思が自分自身を守ろうとしても起きる。
どちらの場合でも破壊と再生がワンセットだ。
「神がやるべきことを代わりにやってる、とまでは言うつもりはないけどな。十割がた俺の都合だし。つーか、エネルギーの滞留を完全に解決できたら星の守護者……界魚が出現条件を満たして害悪認定した精霊どもを食い始めるはずだ。それを阻止するための精霊王……エネルギーダムだったんだろうしな」
星の意思とリンクしたステラちゃんは雪の女王をヌッころしたことも大して気にしてなさそうだった。
他の異世界のはともかく、ここの精霊は寄生虫みたいなもんだしね。
界喰み一歩手前、みたいな。
要するにあの精霊どもは自分たちが大自然の一部みたいなツラして星の意思を封じ込め、都合のいい支配体制を整えてたってわけだ。
別にそれを悪だと罵るつもりはない。自分たちの住処を住みやすく加工しようとするのは当たり前の行動だと思うし、人間や魔族だって同じ穴の貉だ。
善悪なんて関係ない。ただ単に誓約の最短解決ルートに立ちふさがる以上、奴らには消えてもらうってだけの話である。
「なるほどなるほど。なるほどです……」
そんな感じにまとめた俺の解説を、アディが熱心にメモしている。
「アディはイツナそっくりだなぁ」
「えっ、そ、そうですか?」
何の気なしの一言だったが、アディが意外そうに顔を上げた。
「イツナもよくそうやって、俺の言ったことをメモしてたよ」
「ああっと、これは!」
アディが咄嗟にメモを隠す。
「別にいいって。日記にするんだろ?」
「え……? あ、はい。そうでしたねっ!」
えへへーっと笑いながら、照れたように頭をかくアディ。
こういう仕草は完全にイツナなんだが……。
俺が、あのイツナとねぇ。
こんなことを言うのもどうかと思うんだが、俺はイツナをひとりの女性として意識した覚えがない。
シアンヌや他の嫁みたくムラムラしないのだ。心の距離感も嫁というより妹みたいというか……。
だからイツナとの間に子供ができるなんて、こうしてアディに会うまで想像だにしなかった。
体つきのせいなのかもって思った時期もあったけど、同じようなロリ嫁は普通に抱けてるんだよね。
だから、それも違う気がするんだよなぁ。
逆にアディのプロポーションは完璧だ。
シアンヌよりはスレンダーだが、イツナのような幼児体型ではないどころか、実に素晴らしいバランスで整っている。
というか、完全に俺好みの女なんだ。娘でさえなければ嫁に誘っていたと思う。
ひょっとしたら、イツナは将来性があるのだろうか?
今のアディみたいになるとか。それなら――
「どうしたんですか、父さん?」
「な、なんでもない!」
いやいや! 娘相手に何考えてんだ俺は!
そもそも今のアディの体にはイツナの血が流れてるわけじゃないんだし、遺伝学的には関係ないはずだ、うん!
「ふぅーん?」
アディにめっちゃジト目で見られてる。
いやらしい目とかしちゃってたかな。
ていうか、俺、今……。
まさかまさか、そんなわけない。
イツナで起きない反応が。
イツナの娘だと起きる、なんてこと……。
次の経絡への移動途中に温泉街を発見した。
ステラちゃんが「おんせーん!」とテンションを上げていたので、今夜はここで休んでいくことになった。
「ふぅ……」
ゆったりと露天風呂に漬かりながら、夜空を仰ぐ。
「この分なら、明日にはなんとか転移できそうだなぁ」
いつものノルマについて呟きながら、頭に浮かんでくるのは全く別の事柄だ。
アディーナ・ローズ。
俺の前に現れたイツナの娘。未来からの転生者。
しかも俺と同じ規格外の例外則だという。
改めて考えてみると、こうして出会ったのが奇跡みたいな存在だ。
いや、ひょっとしたら出会うべくして出会ったのかもしれないが。
まあ、この際アディが特殊なイレギュラーだっていうのはいいんだよ。
問題は実の娘なのに転生者だから血が繋がってないってことに尽きる。
人間が近親相姦を忌避するのは本能からだ。
俺も詳しくは知らんが血縁者の体臭を嗅ぐと脳が萎えるらしい。
だけど、アディの場合はそうじゃないのだ。
まったくもって困ったことに……俺の脳は極めて正常に動作しているらしく、アディに『女』を感じている。
雄として最も正直な部分では、アディを押し倒したくて仕方がない。
だから俺がアディを娘として扱ってやるには、普段なら軽視どころか蔑視すらしている『人間としての倫理観』とやらに縋らねばならなかった。
『お嫁さんにしてくれてもいいんですよ?』
再会したときのアディの蠱惑的な横顔を思い出して、体温が上がる。
……ああ、まずいぞ。
このままじゃ一線を越えるのは時間の問題な気がする。
「とーうさん!」
「どぅおはぁぁぁっ!!? ア、アディ!! どうしてここに!」
いきなり背中から抱き着かれた。
心臓が飛び出るかと思ったぞ。
「いや、ここって普通に混浴ですし」
「と、とにかく離れて……!」
「えっと、いけませんでした? 親子ならこれが普通かなーって思ったんですけど……」
アディがしゅんとして、素直に離れてくれる。
あっぶねぇ……背中に当たった胸の感触がまだ残ってるぞ。
「男親に抱き着く年ごろの娘なんて聞いたことないっつーの」
前かがみの背中を向けたまま塩対応してしまった。
かわいそうだけど、向かい合って慰められるほどの余裕はない。
「本当にどーしたんです? わたしでも簡単にくぐり抜けられるくらいに隙だらけな探知領域でしたよ」
「そ、そうか。気を付けるよ」
大丈夫だ。
今の俺は感覚が鋭敏になりすぎて、気配と水音だけで背後のアディが何をしてるのか逐一把握できるからな。
空気の流れとか水流でボディーラインまでわかってしまうのは弊害でしかないが。
「あ、ひょっとしてー。実の娘相手にエッチな気分になっちゃってます?」
「ばーか。そんなわけがあるか」
冗談めかしたアディのセリフから、本人にその気はないんだなと胸をなでおろす。
そんなのは当たり前のことだけど、おかげで少し冷静になれた。
だけど、それも一瞬のこと。
「……なっちゃってもいいんですよ?」
その言葉は、ほんの小声だったけれど、はっきり聞き取れた。
「忘れてないですか? わたしの中身、年相応の女の子なんかじゃないんですからね」
振り返ると、そこには艶然と微笑むアディがいた。
あられもない濡れ姿を惜しげもなく晒しだした美少女が、まるで魔女のように。
そんな娘を見て、俺は思わず。
「いい加減にしなさい」
「あうっ」
その額にチョップを繰り出していた。
「ひーん、いたい~」
「ったく。先に出るからな。のぼせんなよ」
赤くなった額を抑えながら涙目になるアディを尻目に、俺はさっさと湯から上がる。
「うう~っ。父さんのいけずー」
アディの恨みがましい視線を感じながら、俺は逃げるように露天風呂を去る。
いやしかし、今のは本当に危なかった。
振り返る前に催眠魔法で自分の性欲を封印していなければ即死だったぜ。
だけど、問題は何一つ解決していない。
「この分だと、今夜は夜這いに来るな」
間違いない。
アディは本気だ。
ガチで俺に抱かれるつもりでいる。
どういう心積もりなのかまではわからんが、アディは既成事実を作るために誘惑しに来た。
それに娘の手前、気づいていないフリをしておいたが……俺に近づくために鑑定眼まで使っていた。
俺が催眠魔法を用いたこともバレバレだったはず。それなりの手ごたえを感じているはずだ。
もっとも、アディも『鑑定眼を使っていることが俺にバレてる』ことには気がついている。
「つまりこれが……俺とアディの戦いってわけか」
究極のチートホルダー同士、しかも親子の対決がまさかこんな形で実現するとは思わなかったが。
確かにやるか、やられるかは俺の生きてきた世界だ。
そういうことなら、逃げも隠れもしない。
俺は一足先に部屋で待ってるぜ。
親子で夜の対話をしようじゃないか。
……なあ、我が娘よ?
その最深部、エネルギーが堰き止められていた箇所に大物が集まってる気配がある。
「エリーネアがやられたようだな……」
「だが、奴は我ら中でも最も小物」
「人間如きにやられるとは精霊王の面汚しよ」
「しかし、いったい何者が……?」
「ははっ、俺だー!」
問答無用で大破壊魔法を放り込むと、自称精霊王どもは光の中に消え去った。
「大漁大漁。これで二箇所目だな。どうだい、ステラちゃん?」
「ん、いいかんじー!」
ステラちゃんが笑顔でバンザイをする。
この子には雪山の経絡で星の意思と感覚をリンクしてもらったから、滞っていたエネルギーが星に巡っていくのをダイレクトに感じているのだろう。
「うーん、こんなに精霊をガンガン滅ぼしちゃって大丈夫なんですかね? これ、異世界の環境が大変動しちゃうんじゃあ……」
ステラちゃんがそんなだし、イツナとシアンヌが引っ込んでいる今……常識的な苦言を呈してくれるのはアディだけである。
「んー。天変地異のひとつやふたつは起きるだろうけど。将来の世界滅亡を回避できるんだし、必要経費じゃないか?」
俺がやってる作業は、いわゆる癌細胞の切除だ。
多少のぶり返しは仕方ない。
「じしんとね、つなみがおきるよー!」
「あー。ステラちゃん、なるほどですね。要するに父さんが今やってることって再創世なんですねぇ……」
再創世。
その名のとおり世界を創り直すことをいう。
主に創世神が自分の創った世界に納得がいかなかったときに行われる他、星の意思が自分自身を守ろうとしても起きる。
どちらの場合でも破壊と再生がワンセットだ。
「神がやるべきことを代わりにやってる、とまでは言うつもりはないけどな。十割がた俺の都合だし。つーか、エネルギーの滞留を完全に解決できたら星の守護者……界魚が出現条件を満たして害悪認定した精霊どもを食い始めるはずだ。それを阻止するための精霊王……エネルギーダムだったんだろうしな」
星の意思とリンクしたステラちゃんは雪の女王をヌッころしたことも大して気にしてなさそうだった。
他の異世界のはともかく、ここの精霊は寄生虫みたいなもんだしね。
界喰み一歩手前、みたいな。
要するにあの精霊どもは自分たちが大自然の一部みたいなツラして星の意思を封じ込め、都合のいい支配体制を整えてたってわけだ。
別にそれを悪だと罵るつもりはない。自分たちの住処を住みやすく加工しようとするのは当たり前の行動だと思うし、人間や魔族だって同じ穴の貉だ。
善悪なんて関係ない。ただ単に誓約の最短解決ルートに立ちふさがる以上、奴らには消えてもらうってだけの話である。
「なるほどなるほど。なるほどです……」
そんな感じにまとめた俺の解説を、アディが熱心にメモしている。
「アディはイツナそっくりだなぁ」
「えっ、そ、そうですか?」
何の気なしの一言だったが、アディが意外そうに顔を上げた。
「イツナもよくそうやって、俺の言ったことをメモしてたよ」
「ああっと、これは!」
アディが咄嗟にメモを隠す。
「別にいいって。日記にするんだろ?」
「え……? あ、はい。そうでしたねっ!」
えへへーっと笑いながら、照れたように頭をかくアディ。
こういう仕草は完全にイツナなんだが……。
俺が、あのイツナとねぇ。
こんなことを言うのもどうかと思うんだが、俺はイツナをひとりの女性として意識した覚えがない。
シアンヌや他の嫁みたくムラムラしないのだ。心の距離感も嫁というより妹みたいというか……。
だからイツナとの間に子供ができるなんて、こうしてアディに会うまで想像だにしなかった。
体つきのせいなのかもって思った時期もあったけど、同じようなロリ嫁は普通に抱けてるんだよね。
だから、それも違う気がするんだよなぁ。
逆にアディのプロポーションは完璧だ。
シアンヌよりはスレンダーだが、イツナのような幼児体型ではないどころか、実に素晴らしいバランスで整っている。
というか、完全に俺好みの女なんだ。娘でさえなければ嫁に誘っていたと思う。
ひょっとしたら、イツナは将来性があるのだろうか?
今のアディみたいになるとか。それなら――
「どうしたんですか、父さん?」
「な、なんでもない!」
いやいや! 娘相手に何考えてんだ俺は!
そもそも今のアディの体にはイツナの血が流れてるわけじゃないんだし、遺伝学的には関係ないはずだ、うん!
「ふぅーん?」
アディにめっちゃジト目で見られてる。
いやらしい目とかしちゃってたかな。
ていうか、俺、今……。
まさかまさか、そんなわけない。
イツナで起きない反応が。
イツナの娘だと起きる、なんてこと……。
次の経絡への移動途中に温泉街を発見した。
ステラちゃんが「おんせーん!」とテンションを上げていたので、今夜はここで休んでいくことになった。
「ふぅ……」
ゆったりと露天風呂に漬かりながら、夜空を仰ぐ。
「この分なら、明日にはなんとか転移できそうだなぁ」
いつものノルマについて呟きながら、頭に浮かんでくるのは全く別の事柄だ。
アディーナ・ローズ。
俺の前に現れたイツナの娘。未来からの転生者。
しかも俺と同じ規格外の例外則だという。
改めて考えてみると、こうして出会ったのが奇跡みたいな存在だ。
いや、ひょっとしたら出会うべくして出会ったのかもしれないが。
まあ、この際アディが特殊なイレギュラーだっていうのはいいんだよ。
問題は実の娘なのに転生者だから血が繋がってないってことに尽きる。
人間が近親相姦を忌避するのは本能からだ。
俺も詳しくは知らんが血縁者の体臭を嗅ぐと脳が萎えるらしい。
だけど、アディの場合はそうじゃないのだ。
まったくもって困ったことに……俺の脳は極めて正常に動作しているらしく、アディに『女』を感じている。
雄として最も正直な部分では、アディを押し倒したくて仕方がない。
だから俺がアディを娘として扱ってやるには、普段なら軽視どころか蔑視すらしている『人間としての倫理観』とやらに縋らねばならなかった。
『お嫁さんにしてくれてもいいんですよ?』
再会したときのアディの蠱惑的な横顔を思い出して、体温が上がる。
……ああ、まずいぞ。
このままじゃ一線を越えるのは時間の問題な気がする。
「とーうさん!」
「どぅおはぁぁぁっ!!? ア、アディ!! どうしてここに!」
いきなり背中から抱き着かれた。
心臓が飛び出るかと思ったぞ。
「いや、ここって普通に混浴ですし」
「と、とにかく離れて……!」
「えっと、いけませんでした? 親子ならこれが普通かなーって思ったんですけど……」
アディがしゅんとして、素直に離れてくれる。
あっぶねぇ……背中に当たった胸の感触がまだ残ってるぞ。
「男親に抱き着く年ごろの娘なんて聞いたことないっつーの」
前かがみの背中を向けたまま塩対応してしまった。
かわいそうだけど、向かい合って慰められるほどの余裕はない。
「本当にどーしたんです? わたしでも簡単にくぐり抜けられるくらいに隙だらけな探知領域でしたよ」
「そ、そうか。気を付けるよ」
大丈夫だ。
今の俺は感覚が鋭敏になりすぎて、気配と水音だけで背後のアディが何をしてるのか逐一把握できるからな。
空気の流れとか水流でボディーラインまでわかってしまうのは弊害でしかないが。
「あ、ひょっとしてー。実の娘相手にエッチな気分になっちゃってます?」
「ばーか。そんなわけがあるか」
冗談めかしたアディのセリフから、本人にその気はないんだなと胸をなでおろす。
そんなのは当たり前のことだけど、おかげで少し冷静になれた。
だけど、それも一瞬のこと。
「……なっちゃってもいいんですよ?」
その言葉は、ほんの小声だったけれど、はっきり聞き取れた。
「忘れてないですか? わたしの中身、年相応の女の子なんかじゃないんですからね」
振り返ると、そこには艶然と微笑むアディがいた。
あられもない濡れ姿を惜しげもなく晒しだした美少女が、まるで魔女のように。
そんな娘を見て、俺は思わず。
「いい加減にしなさい」
「あうっ」
その額にチョップを繰り出していた。
「ひーん、いたい~」
「ったく。先に出るからな。のぼせんなよ」
赤くなった額を抑えながら涙目になるアディを尻目に、俺はさっさと湯から上がる。
「うう~っ。父さんのいけずー」
アディの恨みがましい視線を感じながら、俺は逃げるように露天風呂を去る。
いやしかし、今のは本当に危なかった。
振り返る前に催眠魔法で自分の性欲を封印していなければ即死だったぜ。
だけど、問題は何一つ解決していない。
「この分だと、今夜は夜這いに来るな」
間違いない。
アディは本気だ。
ガチで俺に抱かれるつもりでいる。
どういう心積もりなのかまではわからんが、アディは既成事実を作るために誘惑しに来た。
それに娘の手前、気づいていないフリをしておいたが……俺に近づくために鑑定眼まで使っていた。
俺が催眠魔法を用いたこともバレバレだったはず。それなりの手ごたえを感じているはずだ。
もっとも、アディも『鑑定眼を使っていることが俺にバレてる』ことには気がついている。
「つまりこれが……俺とアディの戦いってわけか」
究極のチートホルダー同士、しかも親子の対決がまさかこんな形で実現するとは思わなかったが。
確かにやるか、やられるかは俺の生きてきた世界だ。
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