エオ

山田 みつき

5

ネノには両親が居ない。
いや、"存在しない"のでは無い。 

僕にとってみれば、ネノが好きなだけ、父親に該当するであろう人物のキャッシュカードを使い放題になっている事がどれだけ哀れで、そして、どれだけ惨めで、そして、どれだけ幸せな脳味噌なんだろうなぁとか描いていたわけで。

一方、ネノは比較を嫌わない。
一方、エオは比較を拒む。

実に対照的な二人で在る事は間違いないのだ。

エオにネノの個人的な話を、何度してしまっただろう。
どうしても聞かせたかった、キミに。

エオには
"父親"は存在しない。
"母親"なんて勿論の事である。

彼女は云うだろう。
「死ね、クズ」って。

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