僕はまた、あの鈴の音を聞く

りんね

No.25 間違い vol.2

ーピロン

突然、僕の携帯に一通のメールが届いた。

(朱莉......?)

『今日、一緒にお弁当を食べませんか?』

特に断る理由もないので、承諾しておく。

ーピロン

それから数分が経過すると、また一通のメールが届いた。

相手は、意外にも穂波だった。

『今日、一緒に帰らない?』

(まぁ、断る理由もないか)

僕は、承諾した。

すると今度は、先程まで神崎と話していたはずの嬉野がメールを返信しているこちらに、興味を持ち出したようで、

「ん?信義君。誰とメールしてるの?」

「ああ、それは......」

僕が答えようとすると、突然嬉野が言葉を遮った。

「あっ!信義君。今日、学校を案内してもらってもいいかな?」

昨日から思っていたが、嬉野紬は人の話を聞かないのだろうか?

ーというか......

「学校案内?昨日しただろ?」

「まだ一つ教室があるじゃん、それじゃ、今日の放課後よろしくね」

そう言って、何故か紬は教室を立ち去った。

「まぁ、一つだけなら問題ないか」

紬の案内を済ませ、その後穂波と帰れば万事解決。

この時の僕は、そう考えていた......。

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