スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~

Mei

依頼を受けに

 翌日。

 レクスは依頼を受けるため、冒険者ギルドに向かっていた。なんと言っても今は資金稼ぎ。昨日みたく路上で夜を明かすのは出来ればしたくない。

 昨日寝泊まりした場所と冒険者ギルドが近かったため、レクスは直ぐに冒険者ギルドへたどり着いた。レクスは冒険者ギルドの入り口のドアを開け、中に入る。

「…………凄いですね」

 レクスは昨日とは違う冒険者ギルドの様子に驚く。昨日とは違い、冒険者ギルドは依頼を受ける人達でごった返していた。

 レクスはその間を縫うようにして、受付の方まで行く。受付の方にもやはり冒険者が並んでおり、レクスは自分の順番が来るのを待つ。

「次の方、どうぞ」

 受付嬢にそう言われ、用件を話す。

「すいません、依頼を受けたいのですが……」

「…………分かりました。依頼書の方をご提示願えますか?」

 …………ん? 依頼書?

「すいません、依頼書とは何でしょうか?」

 レクスがそう問うと、受付嬢は額に手を当てながら溜め息をつく。

「貴方、説明受けなかった? 冒険者になる前に」

「説明は受けました。ですが、依頼書については特に説明は受けて無いです」

 確かに昨日、受付嬢ーーールービアの説明は受けたものの、依頼書についての説明については特になかった。だから、レクスはてっきり受付嬢に依頼を斡旋して貰うものだと勘違いしていたのだ。

「………そうですか。依頼書の方は受付の右側に掲示されておりますのでそこから受けたいものを選んでください」

「すいません、ありがとうございます」

 レクスは軽く会釈し、受付の右側にある掲示板へ向かった。

「おお……。凄い数ですね……」

 レクスは掲示板に貼ってある依頼書の数の多さに思わず驚嘆の声を漏らす。依頼書はキッチリとEランク~Sランクに分けられて貼ってあったので、探す手間が省けて良かったです……とレクスは安堵の息を吐いた。

 レクスは掲示板の一番右奥、Eランクの依頼書が並ぶところへと向かう。

「う~ん……。どれにしましょうか……」



推奨:Eランク以上

依頼内容:ゴブリン5体以上の討伐

報酬:4万セルク

達成ポイント:16RP

場所:ユビネス大森林帯




推奨:Eランク以上

依頼内容:畑に出没するラットの討伐

報酬:3万5000セルク

達成ポイント:11RP

場所:オスリ村



推奨:Eランク

依頼内容:コルン草の採取

報酬:三万セルク

達成ポイント:9RP

場所:ユビネス大森林帯




 レクスが目をつけたのはこの三つ。この中から更に絞り込むレクス。最終的に選んだのは……。

「……ゴブリン討伐にしますかね」

 金にもなりますし、ステータス上げには丁度良いですからね。

 レクスはゴブリン討伐の依頼書を掲示板から剥がし、再度受付に並び直した。

 暫くして、レクスの順番がやって来る。

「次の方、どうぞ」

「すいません、これお願いします。それと先程はどうも」

 レクスは受付嬢に依頼書を渡す。受付嬢は依頼書に印を押し、それをレクスへと渡す。

「……貴方、見た感じ冒険者になりたてでしょ? ……くれぐれも無茶はしないように」

「肝に命じておきます」

 レクスはそう言うと、冒険者ギルドを出ようと入り口に向かう。外に出ようと冒険者ギルドのドアに手をかけた、その時ーーー。

「よお、坊主。ちょっと良いか?」

 大剣を背中に提げ、体格のガッチリとした男がレクスに絡んできた。



◇◆◇◆◇



「おい、ガキ……。お前、無職怠け者らしいじゃねえか?」

 レクスは現在、細い路地で男三人に囲まれて問い詰められていた。大剣男に絡まれた時、レクスは、い、いえ……け、結構です……と震えながらも断ったのだが……強引にこの場所まで連れてこられたのだ。

「い、いえ……その、あの」

 レクスは何とか言葉を紡ごうとするも、恐怖に身体がすくんでしまい出来ない。

「ああ? なんだ? 言いたいことがあるんなら、言ってみたらどうだ?」

 大剣男がそう問いかけるも、レクスの恐怖は増すばかり。大剣男はそんなレクスの姿を見て、馬鹿にしたように笑いここぞとばかりに更に言葉を続ける。

「おいガキ、お前冒険者辞めろ。お前みたいなのがいると迷惑なんだよ」

「い、いえ……や、辞めるわけにはいかないのですっ。し、資金を稼がないと……」

 レクスは恐怖の余り、自分のスキルを使えばこの場を抜けられるという簡単な考えすら頭に浮かばなかった。大剣男はそんなレクスの姿を見て痺れを切らす。

「……なら、力づく辞めさせてやるよ!!」

 大剣男はそう叫ぶと、レクスに掴みかかり、殴ろうとする。

 レクスはそれに、必死に抵抗。大剣男の腕を振り払う。するとーーー。

「うわあああああぁぁぁ!?」

 大剣男は吹っ飛び、壁に衝突。そのまま気絶した。

「「「…………へ?」」」

 レクスも含め、その場にいた者達は間抜けな声を漏らし、その光景に驚くのだった。

 

 


「スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く