スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~

Mei

冒険者ギルド

「ここであってたみたいですね」

 レクスは冒険者ギルドに入るなり、そう呟いた。

 夕方ということもあり、冒険者ギルドは思いの外空いていた。レクスはもっと人でごった返しているかと思っていたので面倒な事にならずにすみそうだと胸を撫で下ろした。

 レクスは冒険者ギルドを軽く見回すと受付に向かった。受付にはこれまた若い女性ーーー所謂受付嬢が立っていた。

「あの……すいません」

 レクスは声をかける。

「はい、何かご依頼でしょうか?」

「いえ……冒険者登録がしたいんですけど」

「はあ…………。失礼ですがご年齢は?」

「12歳ですが」

 確か冒険者ギルドの登録は12歳から大丈夫だったはずです。規定には違反していない筈なのですが……。受付嬢の表情が芳しくありません。

「…………そうですか。ではこちらの方にお名前と職業のご記入をお願いします」

 受付嬢はそう言うと、レクスに一枚の紙を渡す。レクスはまたですか……と思いつつも書かなければ登録が出来ないので、取り敢えず名前だけ書き、職業の所は空欄で受付嬢に渡した。それを見た受付嬢は訝しげな顔でレクスに尋ねる。

「……すいません。職業の方をご記入されていないようですが……」

 レクスは今日何度ついたかわからない溜め息をつきながら答える。

「……職業の方はありません……」

 そう言うと、受付嬢の表情はレクスを蔑むかのような冷たい表情へと変化したが……。

「…………そうですか。では、少しお待ちください」

 それは一瞬の事で、受付嬢はそう言うと受付の近くにあるカードを手に取り、何やら作業を始めた。

 暫くして、受付嬢は顔を上げるとカードをレクスに渡す。

「こちらは新規のギルドカードとなります。こちらの方に討伐数と、こちらは依頼を達成するとポイントが加算されていきます」

「ポイント……?」

「ポイントというのはですね……」

 受付嬢の話を要約するとこんな感じだ。



1,依頼には、E~Sランクまでの難易度があり、それを達成するとポイントを得ることが出来る。

2,冒険者ランクに応じた依頼を受け、それを達成しポイントを一定値まで得ると冒険者ランクを上げることが出来る。

3,冒険者ランクを上げればこなせる依頼の幅も広がる。

 

「…………以上ですが、他にご質問は?」

「あ、後報酬の方は……」

 レクスが一番気になるのはそこだ。当面はお金を稼がなければ生活も出来ないのだ。気になるのも当然だ。

「報酬の方は、依頼の難易度によっても変わってきますので何とも言えませんが…………例えばEランクの依頼だった場合、報酬はせいぜい二万セルクから、高くて五万セルクが関の山ですね」

「そうですか……」

 レクスは少し落胆しながらも貰えるだけましですかね……なんてことを心の中で呟く。

「……他にご質問は?」

「いえ。ありがとうございました。参考になりました」

 レクスはそう言うと冒険者ギルドの入り口の方に歩いて行く。

「さて……最後はトゥオノ商会ですかね」

 あの少女が一体いくらほどなのかレクスは確かめる必要があった。分不相応だとはわかっていてもどうしても諦めきれない。レクスの中にはそんな思いがあった。

 レクスは冒険者ギルドのドアを開けると、道順を通りかかった人々に聞きながらトゥオノ商会へ急いで向かっていった。



◇◆◇◆◇



「はあ……。まさかうちに無職怠け者が来るなんて……」

 先程レクスの相手をしていた受付嬢ーーールービアはため息混じりに呟いた。

 冒険者ギルドは基本的に誰でも受け付ける。冒険とは常に自己責任であり、誰かに迷惑がかかる訳でもないからだ。

 だが、職業を持たない者ーーー無職怠け者をルービアは嫌っていた。彼女だけでなく、世間一般でも無職怠け者は嫌われている。その理由は役に立たないからだ。冒険者ギルドも誰でも受付けはするが、冒険者から売られた素材等を活用する事で利益を生み出している。それによって受付嬢や冒険者ギルドで働く人々の給料が変わってくるのだ。

「……どうしたものかしらね」

 ルービアとしては無職怠け者をこの冒険者ギルドから追い出したい。問題はその手段だ。ルービア一人で追い出すのは難しい。冒険者ギルドは基本人の出入りが多いのでルービア一人ではそこまで目が行き届かない。となればーーー。

「ーーギルドマスターに掛け合ってみようかしら」

 ルービアはそう呟くと、ギルドマスターの元まで赴くのだった。


~トピック~

白金貨=1000万セルク

金貨=100万セルク

銀貨一枚=10万セルク

銅貨一枚=1万セルク

今後使うと思うので一応書いておきます。





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