スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~

Mei

予想外

 レクスの姿はシルリス学園の入学申請所にあった。

「えと……それって本当なんですか?」

「ですから、本当です! 」

 受付の若い女性がレクスの問に対して迷うことなく答えた。若干、いや、大分苛立ちを含んだ言い方だ。

「そ、そんなぁ…………!?」

 シルリス学園に#入学試験__・__#があったとは……。僕は一体何処学園に行けば……! 他に行ける学園なんて無いですよ……!

 レクスはそんな泣き言を心の中で言った。


◇◆◇◆◇


 時は少し遡る。レクスはシルリス学園の校門にいた。

「…………人に道を聞くってこんなにも疲れるんですね」

 レクスは深く溜め息をつく。道を聞こうとしても通りすぎる人が大半ですし、やっと聞けたと思ったらシルリス学園知らないとか言うし……。ここに来るまで凄い時間がかかってしまいました……。

「さて……。入学申請所は……あっちですね」

 レクスは校門近くに設置されていた案内図を見て呟く。

 レクスはふぅ、と息をつくと入学申請所へと向かっていった。


◇◆◇◆◇


 レクスが入学申請所へつくと、人は数人程度しか並んでおらず、すぐに順番が回ってくるだろうと思われた。

「次の方、どうぞこちらへ」

 やがてレクスの順番が回ってくる。

「こちらの申請書にお名前と職業・・、それと得意魔法・・・・又は得意な剣術・・・・・をお書き下さい」

 ん……? 職業? それに剣術って? 流派とか全く知らないんですけど……。まあ、そこは魔法で何とか誤魔化せるけど……。でもなあ……。何かその内バレそうで怖いです。職業の方も勇者と魔法使い、それに聖騎士ぐらいしか知りません……。勿論、これらは全て重宝されるような存在ですし、軽々しく書ける筈が無いです……。ここは正直に書くしか無さそうですね……。

 レクスは名前以外全て空欄で受付の若い女性に渡した。それを見た受付の若い女性は訝しげな表情でレクスの書いた申請書を見やる。

「あの……。すいません、お名前以外全て空欄なのですが……」

 案の定レクスの予想通りになった。言うべきか、言わざるべきか。どちらかと言えばレクスは言わない方が良いと考えた。通常他の人にある項目が自分にはない。これが知られれば馬鹿にされることは間違いない。クジャ村の時の二の舞はもうごめんだ。どう切り抜けるか、レクスは考える。

「……職業の方はありません。得意魔法もありませんし、剣術に至っては流派を知りません」

 正直に話すことにした。結局隠し続けてもいつかはバレる。だったら今の内に言った方が良い、そう考えた。

「…………そうですか。ですが大丈夫ですか? シルリス学園は昨年から入学試験・・・・を取り入れています。そんなので受かるんですか?」

 受付の若い女性は少し蔑むように言った。……こうなることはわかってたんですけどね。……って今なんて?

「………先程何とおっしゃいました?」

「ですから、入学試験・・・・があるんです」

 受付の若い女性は再度聞かれた事に不機嫌さを露にしながらそう言った。

「…………えええええぇぇぇぇぇ!?」

 レクスはここが入学申請所で人が集まっていることも忘れ、叫んでしまった。



◇◆◇◆◇



「はぁ…………。なんでこうも理不尽が続くんでしょうね」

 レクスは入学申請所を後にしながらそう呟く。結局、入学申請にお金もかかってしまった。レクスの残金は現在2万セルク。3分の1ほど減ってしまった。また、若い受付の女性に聞いたところ、入学費は20万セルクだそう。これでは入学金すらまともに払えない。父親から渡された三万セルクなど、入学費の足しにすらならなかったのだ。レクスは心の中であのくそ野郎め……! と父親を毒づいた。それと同時に、本格的に稼がないとヤバイということも再認識した。

 時刻ももう夕方近く。冒険者登録を急いで金を稼がないと今日の宿すら確保できない。

「冒険者ギルドに行きますかね」

 確か、シルリス学園に行く途中に何やら出入りの多い建物がありましたね……。あそこに行ってみましょう。

 レクスは目的の場所まで走っていった。

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