スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~

Mei

道中 ー3

(ふぅ……。何とか間に合いましたね……)

 レクスはホッと息をつく。一か八かだったのだが……。きちんと発動したので良かった。

(それにしても目の前のあの魔物は一体……? 今までの魔物とはまるでオーラが違いますね……)

 レクスは目の前の魔物がブラックホーンウルフだとは知らなかった。そもそも、数日前までは村の外にすら出ていなかったので、それも仕方の無いことだろう。

 レクスは目の前の魔物に対して怯えるようなことはなく、ただ悠然と構える。『日常動作』というスキルの本質を知っていなければ、レクスは目の前の魔物に怯えていたかもしれない。だが、そのスキルの本質を知った今ではレクスはここで言うには不謹慎な言葉かもしれないがーーーワクワクしていた。

 このスキルがどこまで通用するか。このスキルで自分はどこまで強くなれるのか。試してみたい。そんな感情がレクスの中にはあった。

「ガルウウウゥゥゥゥ!!」

 再びレクスに襲いかかるブラックホーンウルフ。

「『発散』!!」

 レクスはブラックホーンウルフに対して『発散』を発動。ブラックホーンウルフの魔力を外へと押し出す。

 だがーーー。

「ーーー!? うわあ!?」

 ブラックホーンウルフは勢いを緩めることなくそのままレクスへ突進した。レクスはそのまま避けきることが出来ず、もろにそれをくらってしまう。

「ぐっっっ…………!!」 

 レクスはそのまま吹き飛ばされ、木に激突。呻き声をあげながらそのまま地面に倒れ伏す。

「くそっっっ…………!!」

 レクスは痛みに耐えながらも倒れた自分の体を起こす。すると。




『回復』を使用しますか? はい/いいえ




 見慣れた画面がレクスの目の前に現れた。

(……本当にタイミングの良いときに現れますよね……この画面)

 レクスは心の中でそう呟きながらもここで回復しない手はないので「はい」を選択する。

 すると、突如レクスの体が淡い光に包まれた。

(おお……!! 痛みが段々引いていく……!)

 光が消える頃には、レクスの傷も癒えており、前よりも力がみなぎっているようにさえ思えた。

(これならいけるかもしれません……!)

「ガルウウウゥゥ…………」

 ブラックホーンウルフも魔力を強制的に排出され続けたせいか弱っていた。あともう一押しというところだ。

(ぶっつけ本番ですが…………。やってみるしかありませんね……!)

「『発散』!!」

 レクスは『発散』を重ね掛けする。すると、目に見えてブラックホーンウルフが弱体化していく。どうやら重ね掛けは成功したようだ。

「ガルウゥゥゥ………………」

 ブラックホーンウルフはやがて立つことも出来なくなり、最後には眠ったかのように息絶えた。

 ……今回は結構危なかったですね。あと一歩間違えてれば危うく死ぬところだったかもしれません。僕もまだまだのようです。




◇『取る』項目を二つ選んでください

HP   15708

MP   19310

攻撃力  23583

防御力  12316

知力   17049

素早さ  26970


スキル

脚力強化(強) 火魔法 風魔法 威圧(中) 





「う~ん……。魔法ですか…………」

 レクスはスキルの欄にあった「火魔法」と「風魔法」を見てそう呟く。

 ……魔法に憧れはありますけどね……。でも、他の項目も取りたい…………って二つ選べるようになったんですね。でも…………。

 レクスは悩む。二つ取れるのなら、魔力を取って、「火魔法」と「風魔法」のどちらかを取れば魔法は使えるようになるのだが……。正直、他の項目も不安だ。HPだってまだ十分とは言えないし、他にもまだ取ってない項目だってある。

 レクスは悩みに悩んだ末に、HPと攻撃力を選択した。




レクス   Lv.26

HP   23642/23642

MP   88/88

攻撃力  25034


スキル

『日常動作』




 レクスはやりきったという感じで一息つき、小さな達成感を味わった。……と。

「……あ。そう言えば……」

 レクスはブラックホーンウルフに襲われていた少女を思いだし、その少女の安否を確認しようと、辺りを見回すがーーー。

「……あれ? いませんね……?」

 レクスは少女が何処にも見当たらない事に首を傾げる。

「何処に行ったのでしょう……?」

 レクスが少女を探し回っていると。




◇『見る』を使用しますか? はい/いいえ





 レクスの目の前にまたもや画面が出現する。ここで『見る』が何の役に立つのかと思ったが、物は試しようということで「はい」を選択した。

 すると、レクスの視界に段々と浮かび上がってきた円状の模様。それはレクスも実物は見たことも無いものの、知識には入っていた。

「これはーーー魔法の痕跡……?」


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