ボクの彼女は頭がおかしい。
11月8日
冷たい夜風が肌を刺す。
街灯の光に照らし出された五月の青白い顔を見ると、なんだか泣きそうな気分になった。
僕は今から、彼女に別れを告げなければならない。
「…きっと、最初から付き合うべきじゃなかったんだよ」
震える声でそう言った。
彼女はそれに対して何か口を開きかけたが、タイミング悪く(あるいは良く)、1台のタクシーがやって来た。
家の前で止まって、運転手が顔を出す。
「今日はどちらまで?」
僕はすぐに五月の家の住所を伝えた。
彼は大きくうなずいて顔を引っ込めた。
「早く乗りなさい。寒いし風邪ひくよ」と、僕は言った。
しかし動こうとしない彼女。
「…あぁ、お金ね。ちょっと待って」
ポケットからサイフを取り出し、3千円をつかむと彼女に差し出す。
「ふざけないで!」
静かな住宅街に乾いた音が響く。
僕は彼女に、頬を叩かれた。
寒さのせいもあって痛みは倍増。
そしてこの痛みを通して、本当に最後なのだと実感する。
何も言えないでいる僕をよそに、五月を乗せたタクシーが動き出した。
あっという間にどんどん離れていく。
追いつくことは二度とないだろう。
僕は自嘲的な笑みを浮かべた。
自分でこの決断を下しておきながら今この瞬間にも後悔を感じ始めている自分を、心の底から嘲笑った。
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