話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

ボクの彼女は頭がおかしい。

来世ピッチャー

ダミー



五月の家にお邪魔しています。

「ジュース取ってくるね」
五月はそう言ってリビングに降りていきました。

さて、何しよう。

部屋を見渡すと、机の上にノートのようなものが一冊置かれていた。

近づいて手に取る。

……日記だ。

初めてみる。

ちょっと悪い気はしたけれど、彼女だって僕の家に来た時には色々荒らして帰るから、まぁ許されるよね。

なんやかんやで自分を正当化し、五月の日記を開く。

パラパラとめくっていく。



○月○日
筆箱を買ってもらった。ただ何となく目に付いて、これイイって言っただけだったのに。
わざわざ買ってきてくれた。冷たい人なのか、優しい人なのかよく分からないなー。(中略)今は私の直感を信じるしかないみたい。



一年以上前の日付だ。

付き合い始めたばっかりのころ。

最初のほうは、本当に付きあっているのかどうかよく分からなくて、なんだか気まずかった。

いきなり僕みたいな凡人と国宝級の美女が付き合うことになったわけだから、そりゃ戸惑うよね。

うん、懐かしい。



○月○日
一生ついていく。もう、彼しかありえない!私の目に狂いはなかった!早瀬くんLOVE!!(以下、ひたすらLOVEとVELOという二つの英単語が交互に綴られていた)



この日のことはハッキリと覚えている。

五月と僕がエレベーターに乗っている途中に地震が起こって、数時間閉じ込められたのだ。
(ちょこっと新聞にも載った)

どうやらこの日記によると、彼女はこのとき初めて僕に惚れたらしい。



○月○日
初めて早瀬くんに好きだと言われた。嬉しすぎてもう、えへへ。ほんとに嬉しいから明日の学校はサボっちゃおう。



ちょっと恥ずかしい。

やっぱり一年前の話になると、うん。
当時が思い出されて恥ずかしいよね。

よし、最近の日記を見よう。



○月○日
今日は早瀬くんとスケートに行った。途中から小学二年生の知らない女の子も加わって、三人で遊んだ。女の子に教わりながら楽しく滑った。彼はイイお父さんになりそうだった。早く娘が欲しいと言っていた。ロリコンなのかも。(中略)一緒に頑張ろうね、結婚したら。



早く娘が欲しい、とは言っていない。

「早瀬くんに娘が出来たらものすごく可愛がるんだろうね」なんて言われたから「そうかもね」と返事をしただけだ。

日記で盛るなんて。



○月○日
最近、家にいるときはいっつもクマさんと遊んでる。早瀬くんに似てて可愛いんだよね。これで一人の時も寂しくない。でも、ほんと言うと、早く同棲したいです。



もう泣けた。彼女の可愛さに泣けた。

視界がぼやけてしまってもうダメだ。

何て良い子なんだ、五月。

日記読んじゃってごめんね。



○月○日
わーい!ついにFに到達!このストレッチいいぞ!これからも続けていこー!!!



わお、これは本当に読んじゃいけないやつだ。

と、今更後悔しても遅いので。

ほほう、あのスリムな体型にFか。
並々ならぬ努力が――なんか変態っぽいのでコメントはここまでにします。





そろそろ五月が戻ってきそうな気配があり、日記を元の位置に戻し、
ベッドに座って待っていると、彼女が部屋に入ってきた。

「ちょっと読ませていただきました」

「え…何を…………あぁ!!」

日記が出しっぱなしになっていることにその時初めて気付いたらしい五月。
みるみる顔が赤くなっていった。

「面白かったよ」と、僕。

「いやそれ、デスノート隠すためのダミーだから」

お前はキラか。そして私は頭脳平凡なオーラだけはL...ってやかましいわ。

「ボクの彼女は頭がおかしい。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く