ボクの彼女は頭がおかしい。
酒②
僕と五月、小雪さんの3人で飲み始めて2時間後。
先ほどまで奇声を発しながら1人でオセロに興じていた五月だったが、急にスイッチが切れたかのように僕にもたれかかってきた。
「手の内が読めるとよ…」
そのまま爆睡。
美人だけど、相変わらずめちゃくちゃですね。
ちなみにみんなそれなりに酔っていて
小雪さん、目がとろとろ状態。
僕、なんとか持ちこたえてます。
「五月、寝ちゃったね」
「そうみたいですね」
「じゃあ、早瀬くん。面白い話をしてあげようか?」
「んー、ぜひ」
「五月ね、早瀬くんにベタ惚れなんだよ」
唐突だな。
「へぇ、そうなんですか」
「うんうん。ほら、例の事件があったじゃない?」
「例の事件……あ、秘宝発掘の」
「そうそれ。あの時ね、五月こんなこと言ってたんだ。
『もっと大きくならないかな』って」
「えぇっと、胸の話ですか?」
「うん。早瀬くんの理想に少しでも近づきたいみたいで」
「あぁ、なるほど」
床に寝転がっている五月を見た。
気にしてたのか。
「あの子、Eカッ……あ、えっと、十分すぎるくらいあるのにね」
「ブフッ!!」
飲みかけていた白ワインを吹き出す。「えらいもの聞いちゃいました」
「…今の五月には内緒で」
「そうします」
「んま、そういうことだから。色々とよろしくね」
「はい、貴重な話をありがとうございました」
小雪さんの家を後にした。
もちろん、五月を抱えて。
二十分ほどかけて、彼女の家の前に到着。
周囲には街灯の明かりだけ。
人影など、もちろん見当たらない。
そして何より、この濃い静寂。
例の話、するなら今だろうな。
「五月、あのさ」
「なに?」
「えっと、言いにくいんだけど……」
「うん」
「五月の胸、好きだよ」
彼女が吹きだした。
直前までの重苦しかった空気が一変する。
「いきなりどうしたの?」
笑い続ける彼女。
「日ごろ言えないようなことを、ちょっと酒の力を借りて言ってみた」
「そっか」
「うん」
「……」
「じゃあ、言いたかったのはそれだけだから。また明日ね」
もと来た道を引き返そうとした。
しかしすぐに体が動かなくなる。
五月が僕に、後ろから抱きついてきたのだ。
「どうしたの?」
振り返ったりはせず、そのままの体勢で声をかける。
彼女が僕の背中に顔をうずめた。
そして一言。
「帰さない」
「え、でも――」
「ダメ。帰さないから」
「んー、仕方ないなぁ」
僕の言葉に安心したのか、ようやく彼女は腕の力を弱めた。
やれやれ。
お風呂とか着替えとか、どうすりゃいいんだ。
翌朝。
「お酒の力ってスゴいね」
「たしかに」
なんだって出来ちゃう。
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