悪役令嬢、家継ぎます!
笑わないでお父様
「いえ、駄目ではないと思います。ただ、令嬢が剣を握っているのが珍しくて」
笑っている様で笑っていない。この王子はこの世界のルールをちゃんと知っている。そりゃそうか、目の前にいるのは王族。何不自由ない生活をする代わりに幼い頃からの英才教育を強いられる。男尊女卑を理解していないはずない。
「ところで今日はどのような御用件で?」
剣術の話から話題を変えたくて言ったけどちょっと強引すぎたかな…
「いえ、大した用ではないです。昨日のパーティーで1人だけ私に対する贈り物が花で、パーティーが終わる前に帰られたのは貴方1人だけだったので。そんな令嬢に興味を持って話してみたいと思っただけですよ」
あぁ、そうですか!皮肉ですね!もういいよね、もう不敬罪なんて知らない!このクソ餓鬼が!昨日の事件も状況確認もせずに犯人決めつけて。今日はアポなし訪問ですか!いい御身分ですねぇ!精神年齢大人を舐めるんじゃないよ!
「そうですか、では。お引き取り下さい」
「は?」
「セ、セリア…」
わぁ、お父様焦ってる〜。王子マヌケなこえ〜。とびきりの笑顔でもう一回言ってあげる。
「ですから、お引き取り下さい。貴方は王族ですが、その前に1人の人間です。人の家に来るのになんの連絡もなくいきなり訪問してくるなんて失礼じゃないですか?」
「ファ、ファセリア嬢」
止めないでゼフィ、言わなきゃ私の気が治んない!
「私はみての通り剣術の修行中です。この後も予定が入っています。貴方と、リアトリス王子と話す時間はございません。せっかく来ていただきましたが、お茶もご用意できないので今日はお引き取り下さい」
場が静まり返った…お父様もスターチスも師匠もゼフィもリアトリス王子もみんなみんな黙りこくってる。そりゃそうか、私死ぬかもしれないし。男尊女卑だし、王族と公爵家じゃ身分が違いすぎる。今、ここで首を跳ねられようが、公開処刑場でギロチンにかけられようが文句は言えない。
「ファセリア嬢。今、何をしたか理解していますか。不敬罪で首が飛んでもいい発言でしたよ」
……まさかリアトリス王子が静寂を破ぶるとは思わなかった。
「覚悟の上です」
嘘だ、覚悟なんかない。指先が震えてる、心臓が破裂しそう。喉に何かがつっかえて声がうまく出せない。
「そうですか。では、後日また伺います」
「お、お送り致します」
ごめね、スターチス。頭が追いついてないのに。っと、いうか駄目だ。全身から力が抜けた。
「こ、わかっ、た」
「セリア、大丈夫かい!」
あ、お父様めっちゃ焦った顔してる。
「王子に喧嘩売るなんて…」
師匠怒ってる。
「セリア、なんともなくてよかったな」
ゼフィが心配してくれてる。駄目だ、目の前がぼやける、頭がクラクラする。ほっとしたはずなのにまだ声が出ない。全身が震えてる。
「セリア、泣いてるのかい?」
「え?」
泣いている?私が?そういえば頬に何か生暖かいものが伝っているような。でも、なんで?怖かったから?安心したから?
あ、ゼフィとか師匠とかお父様が目を見開いて困ってる。でも何て?安心したからって言う?今はそれしか言えないか。
「あ…安心、して」
「そうか、わかったよ。セリア」
お父様の声、安心する。
「今日の稽古はここまでだ」
え、今日これでおしまい⁈そんな!
「セリア、そんな状態じゃ稽古は無理だ。今日はもう休んだ方がいい」
ゼフィが至極真っ当なこと言ってるってわかってるけど…いつもと比べたらまだ半分のメニューしかこなしてない。
「じゃあ、セリア次は3日後だ。山登りの準備しておけよ」
「はい、師匠」
「セリア、またな。山登り楽しみだな」
「そうだねゼフィ………またね!」
不服すぎて会話に不自然な間が出来ちゃったけどしょうがない。次の鍛錬は登山か。体力はそこそこ付いてきたとはいえゼフィにはまだまだ叶わない。登りやすい山がいいけど鍛錬だからそれは期待できないな。山は酸素が薄いし、高山病になる恐れがある。水分と塩分、糖分、ビタミンとかが必要かな。ラムネがあればそれが1番いい。ラムネにはブドウ糖が含まれてるから登山にはうってつけだ。料理長に頼んでレモンの蜂蜜漬けを作って貰お。よし、そうしよう。
「リア、セリア、ファセリア!」
「はい!……どうしました、お父様」
「中に入ってお風呂にしようって言ったんだけど返事がなかったからね。何を考えていたんだい?」
「次の鍛錬のことです」
どうしよう、なんか口角が自然に上がる。私よっぽど楽しみなんだな。
「そっか、そっか、よっぽど楽しみなんだね」
「はい!とっても」
よし、まずは入浴の準備だな。鍛錬後にいつも入浴してるからある程度準備はできてる。使用人達が早速風呂の準備をしてくれたそうで、もう入れるとの事だ。うちの使用人優秀だな。御給金いくらもらってんだろう。
とゆうか、この世界ってラムネあるのか本当に気になる。ラムネっていいよね。勉強のお供にもなるし、登山では大活躍だし、何よりあの舌の上でシュワシュワ溶けてく感じがたまらなく美味しい。明日ステラ先生来るから聞いてみよう。
笑っている様で笑っていない。この王子はこの世界のルールをちゃんと知っている。そりゃそうか、目の前にいるのは王族。何不自由ない生活をする代わりに幼い頃からの英才教育を強いられる。男尊女卑を理解していないはずない。
「ところで今日はどのような御用件で?」
剣術の話から話題を変えたくて言ったけどちょっと強引すぎたかな…
「いえ、大した用ではないです。昨日のパーティーで1人だけ私に対する贈り物が花で、パーティーが終わる前に帰られたのは貴方1人だけだったので。そんな令嬢に興味を持って話してみたいと思っただけですよ」
あぁ、そうですか!皮肉ですね!もういいよね、もう不敬罪なんて知らない!このクソ餓鬼が!昨日の事件も状況確認もせずに犯人決めつけて。今日はアポなし訪問ですか!いい御身分ですねぇ!精神年齢大人を舐めるんじゃないよ!
「そうですか、では。お引き取り下さい」
「は?」
「セ、セリア…」
わぁ、お父様焦ってる〜。王子マヌケなこえ〜。とびきりの笑顔でもう一回言ってあげる。
「ですから、お引き取り下さい。貴方は王族ですが、その前に1人の人間です。人の家に来るのになんの連絡もなくいきなり訪問してくるなんて失礼じゃないですか?」
「ファ、ファセリア嬢」
止めないでゼフィ、言わなきゃ私の気が治んない!
「私はみての通り剣術の修行中です。この後も予定が入っています。貴方と、リアトリス王子と話す時間はございません。せっかく来ていただきましたが、お茶もご用意できないので今日はお引き取り下さい」
場が静まり返った…お父様もスターチスも師匠もゼフィもリアトリス王子もみんなみんな黙りこくってる。そりゃそうか、私死ぬかもしれないし。男尊女卑だし、王族と公爵家じゃ身分が違いすぎる。今、ここで首を跳ねられようが、公開処刑場でギロチンにかけられようが文句は言えない。
「ファセリア嬢。今、何をしたか理解していますか。不敬罪で首が飛んでもいい発言でしたよ」
……まさかリアトリス王子が静寂を破ぶるとは思わなかった。
「覚悟の上です」
嘘だ、覚悟なんかない。指先が震えてる、心臓が破裂しそう。喉に何かがつっかえて声がうまく出せない。
「そうですか。では、後日また伺います」
「お、お送り致します」
ごめね、スターチス。頭が追いついてないのに。っと、いうか駄目だ。全身から力が抜けた。
「こ、わかっ、た」
「セリア、大丈夫かい!」
あ、お父様めっちゃ焦った顔してる。
「王子に喧嘩売るなんて…」
師匠怒ってる。
「セリア、なんともなくてよかったな」
ゼフィが心配してくれてる。駄目だ、目の前がぼやける、頭がクラクラする。ほっとしたはずなのにまだ声が出ない。全身が震えてる。
「セリア、泣いてるのかい?」
「え?」
泣いている?私が?そういえば頬に何か生暖かいものが伝っているような。でも、なんで?怖かったから?安心したから?
あ、ゼフィとか師匠とかお父様が目を見開いて困ってる。でも何て?安心したからって言う?今はそれしか言えないか。
「あ…安心、して」
「そうか、わかったよ。セリア」
お父様の声、安心する。
「今日の稽古はここまでだ」
え、今日これでおしまい⁈そんな!
「セリア、そんな状態じゃ稽古は無理だ。今日はもう休んだ方がいい」
ゼフィが至極真っ当なこと言ってるってわかってるけど…いつもと比べたらまだ半分のメニューしかこなしてない。
「じゃあ、セリア次は3日後だ。山登りの準備しておけよ」
「はい、師匠」
「セリア、またな。山登り楽しみだな」
「そうだねゼフィ………またね!」
不服すぎて会話に不自然な間が出来ちゃったけどしょうがない。次の鍛錬は登山か。体力はそこそこ付いてきたとはいえゼフィにはまだまだ叶わない。登りやすい山がいいけど鍛錬だからそれは期待できないな。山は酸素が薄いし、高山病になる恐れがある。水分と塩分、糖分、ビタミンとかが必要かな。ラムネがあればそれが1番いい。ラムネにはブドウ糖が含まれてるから登山にはうってつけだ。料理長に頼んでレモンの蜂蜜漬けを作って貰お。よし、そうしよう。
「リア、セリア、ファセリア!」
「はい!……どうしました、お父様」
「中に入ってお風呂にしようって言ったんだけど返事がなかったからね。何を考えていたんだい?」
「次の鍛錬のことです」
どうしよう、なんか口角が自然に上がる。私よっぽど楽しみなんだな。
「そっか、そっか、よっぽど楽しみなんだね」
「はい!とっても」
よし、まずは入浴の準備だな。鍛錬後にいつも入浴してるからある程度準備はできてる。使用人達が早速風呂の準備をしてくれたそうで、もう入れるとの事だ。うちの使用人優秀だな。御給金いくらもらってんだろう。
とゆうか、この世界ってラムネあるのか本当に気になる。ラムネっていいよね。勉強のお供にもなるし、登山では大活躍だし、何よりあの舌の上でシュワシュワ溶けてく感じがたまらなく美味しい。明日ステラ先生来るから聞いてみよう。
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