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悪役令嬢、家継ぎます!

朝水夜火

笑わないでお父様

王子の誕生日を途中退場して帰って来てしまった…まぁ、女なんてっていう時代だ。私が帰ったとこで文句は言われまい。さぁ、今日も元気に鍛錬しなきゃ!そろそろ師匠が来る頃だし。今日はゼフィと手合わせの日だし、より一層気合いを入れなくちゃ!

「お嬢様、フロックス様、ゼフィランサス様がお見えになりました」

「ありがとう、スターチス。今、行きます」

「師匠、ゼフィいらっしゃい」

「おう、セリア。昨日は立派だったな」

「セリア、何故昨日帰ったんだ。あのあと大変だったんだぞ」

「ご、ごめんなさい……頑張ったからいいかなって思っちゃったの。ごめんね、ゼフィ」

「……んん、まぁ今回は許す」

や〜なんだかんだでゼフィは優しいなぁ。さ、鍛錬開始だ。



「はぁ…はぁ…」

「大丈夫か、セリア?」

「こ……れが大丈夫に見える?」

何でゼフィはそんなに平然としてられるの?2時間、休憩なしで動きっぱなしだったんだよ?私が死にかけてるのに何でゼフィは肩で息する程度なの!

「セリアも今度、山登りに行くか?ゼフィは俺と一緒に行くから体力がついたんだよ」

な、んだと⁈山登りだと、そんな楽しそうな事、してたの⁈ズルイ、ズルイよ、師匠と山登りなんて!体力つくし、師匠と一緒だしまさに一石二鳥じゃないか!

「行きます!師匠とゼフィと山に行きたいです」

「じゃあ、次の鍛錬は山登りだな」

「セリア、ロック、ゼフィお茶にしないかい?」

「お父様」

てゆうか、師匠の愛称ロックって言うんですね!つか、お父様、お仕事は?溜まってた書類の山はどうしたの?

「安心してセリア、書類なら全部終わってるよ」

「顔に出てましたか?」

「いや、いつも通り可愛い顔だよ」

駄目だ…会話が成り立たない。お願いだから言葉のキャッチボールをして。質問に答えて!

「いや〜、今日はいい紅茶が手に入ってね。渋味が少なくて香り高いのが売りの紅茶なんだよ。この紅茶にはシフォンケーキがよく合うって聞いたから早速試そうと思ってね」

「アイ、俺は甘いものは…」

「大丈夫だよ、ロックのは甘さ控えめだから」

なんだろう、この手慣れてる感溢れる会話は…つか、お父様の愛称アイなんだね、そうだよね、名前アイリスだもんね!

「本当にお父様は師匠と仲がいいですね」

「まぁ、幼馴染だし、腐れ縁でずっと一緒にいるからね。なんなら、フィオーレもこの国の宰相であるイキシアだって幼馴染の腐れ縁だよ」

開いた口が塞がらないとはまさにこのこと!突然のカミングアウトがまさかのbig newsってなんだよ!漫画用展開かよ、キャラ出来過ぎでしょ!お父様の人脈が怖すぎるわ!お茶を吹かず、ケーキを喉に詰まらせず、咳き込まなかった私を誰か褒めて……切実に!

「……あのお父様、今度の鍛錬は山登りなんです」

「ロックとゼフィとかい?」

「あぁ、だからその日セリアを1日借りるぞ」

「え〜!……うーん…………よし、俺も行く。セリアを1人で行かせるわけにはいかないからね!」

マジですか、お父様⁈ゼフィと師匠は師弟関係だからいいとして今時保護者同伴だなんて……なんか恥ずかしい!

「や、でも!これは修行ですよ」

「俺も、最近動いて無いし。いい運動になるから俺も行きたいなぁ」

「それもそうだな。書類ばっかやって無いでもっと動け」

あぁ、私の努力は虚しく散った……お父様は私と言葉のキャッチボールしてくれないし、幼なじみか腐れ縁だか知らんけど師匠は助けてくれないし。まぁ、私もお父様が動いてるとこ見たことないしちょっと見てみたいかも。どっか旅行行った時にギックリ腰になられても困るからね。適度な運動は必要だよね。

「セリアも大変だな」

「そう思うなら止めてよ、ゼフィ」

「俺は父上が決めた事なら文句は言わない」

父親大好きかよ!私、こんなゼフィ知らない。だってゲームではめっちゃ反抗してるもん。王子の考えに意見しただけなのに殺す宣言みたいなことしてたもん。いつからそんなに仲良くなったんだよ!!

「だ、旦那様…はぁ、はぁ。お嬢…様」

「どうしたんですか⁈スターチス、落ち着いてください」

「まぁ、取り敢えず水でも飲んで。はい」

「ありがとうございます旦那様。お嬢様もありがとうございます」

「で、どうしたんだい?」

「リアトリス王子が早急にお嬢様にお会いしたいと…今、屋敷に」

「リアトリス王子が?」

いち早く反応したのはさすがのゼフィ。じゃなくて!なんッッでリアトリス王子が家に来てるわけ⁈え、やっぱ不敬罪?昨日途中で帰ったから不敬罪?え、え、死ぬの、死ぬの…私。

「おや、フロックス師範にゼフィ。アベリアス公爵にファセリア嬢ではありませんか。皆さん揃って休憩ですか」

疑問符!疑問符がないよー。仕事しろよ疑問符!つか、王子はなんで無断で裏庭まで来てんの。巫山戯るなよ、こちとら何の準備もしとらんのじゃ!

「ご機嫌よう、リアトリス王子。本日はどのような、ご用件で?」

硬直している私の代わりに口を開いたのはお父様だった。流石お父様、かっこいい!イケメン!世界一!

「休憩と言うより、お茶会ですよ。王子」

続いて師匠が口を開く。

「お茶会…ですか?」

王子が聞き返す。

「はい、父とアベリアス公爵は旧友でして時々こうしてお茶会しているんです」

なんと、あのゼフィが!王子命のゼフィが私のことを庇ってくれた。でも、王子はやっぱり怪訝な顔でこっちを見てるな。まぁでも、隠す事もないか。私は私がやりたい事をやるって決めたんだから。

「お父様、フロックス様、ゼフィランサス様。私の今の格好を見れば取り繕う事はできません。改まして、リアトリス王子、ご機嫌よう。私はフロックス様指導のもと剣術を習い、今は休憩をしていました」

最高位の礼法と、最高の笑顔を王子に向けた。瞬時につくったわりに上手く笑えたと思う。

「公爵家の令嬢が剣術を?」

大層不思議そうな顔をしてますね、王子。

「はい!いけませんか?公爵家の【令嬢】が剣術をしては?」

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