悪役令嬢、家継ぎます!

朝水夜火

悪役令嬢努力します

使用人達への交渉も成立し、あっと言う間に翌日の朝になりました。今日から勉強がスタートする。この世界の歴史は大体把握したけど他にも文化とか教えとか色々知りたい。さぁ、そろそろ先生が来る時間だ。

「お嬢様、先生がお見えです」

スターチスの後ろにいる先生は、長い白髪を後ろで軽く縛り、白い口髭を生やしている身長が170㎝くらいの67,8の男性だった。

「初めまして、ファセリア様。私はモンステラと申します。どうぞ、ステラとお呼び下さい」

「初めまして、モンステラ様。ファセリア・アベリアスです。セリアとお呼び下さい。私はステラ先生と呼ばせていただきます」

「では、早速始めましょう」

「はい」



嘘だろ、私の前世は華の女子高生。特技は1度見たら覚えられること。その為、成績は良かった。だから言わせて、この世界の勉強が簡単すぎる。魔法が発達している世界だからってのがあると思うけどだからって、だからって酷いだろ!そもそも習う勉強が数学と歴史と経済・政治のみって、巫山戯てるの!

「セリア様、この問題を解いて下さい」

「はい、ステラ先生」

そもそも、この世界にはXを使った式がないのか?ないんだな、さっき教科書全部見たらなかったからね!

「できました」

「素晴らしい、セリア様。貴方には数学の才能があります」

「先生、私からも問題を出してもよろしいでしょうか?」

「あぁ、構わないよ。自慢じゃないが私はこれでも元学者なんだ。解けない問題はない」

ワオ、結構な自信だな。ふふふ、じゃあX+26=2X+58のXを求めてもらおう。

「この問題を」

「この問題は!セリア様、この問題をどこで知ったのですか?」

「先日、図書室で偶々見つけた本に載っておりました」

勿論、そんなの嘘だけど。異世界から転生してきました!とか言っても医者を呼ばれるだけで信じてくれないだろうし。

「これは2年前に遺跡から発見されたばかりの数式です。遺跡はかなり古く数式が途中で読めなくなっていて、未だ1人も解けていないものです」

マジですか。科学が進んでないとは思ってだけどそこまでとは思わなかった。

「あの、ステラ先生!その数式見させていただく事は出来ますか?」

「あぁ、ここに遺跡のメモがあります。どうぞ」

X+37=3X+89と42か。XとXの計算と数字と数字の計算。数字と文字を移動させて。

「先生、できました」

「こ、これは!素晴らしい、セリア様。貴方は天才です、すぐにご報告に行かなくては……あぁ、セリア様授業の続きは明日でいいですか?」

「はい、構いません」

行っちゃった。好奇心でお願いして問題解いちゃったけど、大丈夫だよね。はぁ、好奇心て恐ろしい。えぇと、今10時だからあと30分は次の先生が来ない。どうしようかな……予習、復習と言っても数学は中学生までの勉強ができてれば大丈夫そうだし、歴史は昨日読んだ本の内容を全部覚えてるから問題ない。 経済は先生に教えて貰った方がいいし、政治は何が問題だかわからないからな。

「スターチス、お父様はこの時間何をしているんですか?」

「この時間なら書斎でお仕事中かと」

「そうですか、スターチス!貴方はこの国の政治がわかりますか?」

「多少は」

「教えてください」



成る程、ブルーメ王国はヴァッサー王国と仲がいいけどフィーコ王国とは仲が悪いのか。しかも理由が貿易摩擦って……魔道具がブルーメ王国の方がフィーコ王国に勝る故に起きた問題か。でもそれって、お互いがお互いの国の事が考えられるなら優秀な開発者の元に修行に来させればいいだけでは?あとでお父様に聞いてみよう。とかやってる内に30分たちました!

「初めまして、ファセリア・アベリアス様。私はフロックス・ラークスパー、王宮剣術の指南役です」

「初めまして、フロックス様。私のことはセリアとお呼び下さい」

剣術の先生はなんと王宮剣術の指南役、そしてゼフィランサスの血族の方が来ました。お父様、なんちゅう人呼んどんのや!ちなみに見た目鍛えられた体、黒い髪をオールバックにしていて、オレンジ色のキレ長い目をしてます。おでこらか鼻上を通り左頬までのびる傷がとても印象的な身長190近くありそうです!怖いです、めっちゃ怖い。でも、イケメン!

「でわ、まずランニングから始めます。次に腕立てと腹筋、背筋の筋トレメニューを行います。さぁ、行きますよ」

別に先生なんだから敬語はいらないのに、てか何処走りに行くの?場所がわからないで行くぞと言われてもどうしようもないんだけど。

「はぁ、行動が遅い。これだから女は…そもそも女に剣術は無理だ。まぁ息子と同じメニューがこなせないなら指導をやめればいいか」

ちょっと、そこ!小声で言ってても聞こえてるからね!それと、これだから女はだと?

「フロックス様、私は無理だとかやりたくないとかは一言も言っておりませんよ。私はただ先生が行き先も告げずにただ行くぞとだけしか申されなかったので何処に行くのか少々疑問に思っただけです。それに子供の体ですよ?男女で差がついてしまうのはまだ数年先ではないでしょうか?」

あは!驚いた顔してる。と思ったらめっちゃ睨んできた。でも目は逸らさない、ここで目を逸らしたら絶対馬鹿にされる。

「で、何処を走るのですか?フロックス様」

「この屋敷の周りを5周です」

この屋敷の周りを5周って何キロあんだよ!1時間はかかるよ。いや、でもやらなくては!女性もやれば出来る事を見せつけてやる!

「では、いってきます」



づ、づがれだ。なんか痩せた気分。

「次は腹筋です。やり方はわかりますか」

「はい、わかります。何回ですか?」

「初めてだから50回にしておきます。背筋、腕立ても同じ数やって下さい。私は木刀を準備してきます」

腹筋50回、やってやろうじゃん!前世の私はダイエットでこの手の筋トレはやりまくってたんだよ!

「悪役令嬢、家継ぎます!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く