悪役令嬢、家継ぎます!

朝水夜火

悪役令嬢努力します

お父様に私の気持ちを熱弁してから2時間後。私は今屋敷内の図書館にいます。交渉は成功し、明日から猛勉強の日々が始まる予定。屋敷の構造は外に行かずに散歩したいと言って把握した。他貴族の名前や特徴はそれについてまとめてある本をお父様の書斎から拝借しさっき返して来た。さぁ、魔法の勉強の時間だ!まずは魔法基礎学を読もう。この世界は偏見があるから1番古い本にしよう。

ふむふむ、成る程。魔法は火、水、風、雷、光の5つが存在する。中でも治癒系の魔法が使える光は戦場などにおいて非常に貴重なため重宝されている。魔法は生まれつき使える者と使えない者がいる。そして、魔力量で使える魔法の最大値は決まってくる。魔力は持ち主のエネルギーで魔法を使いすぎると死に至る。初めて魔法を使う際は充分に注意をすること。

へぇ、よーくわかった。魔法を発動させるにはこの本じゃわからないな。確かそれはこの本の隣にあったような……これだ!えっと、何々。

魔力とは己の一部である。己の中にある魔力の流れを感じる事が出来れば魔法も使えるだろう。

無駄に長ったらしい文章書いてあったのに結局大事なのは1番最後だけやないかい!まぁいいや。やり方はわかったし、早速午後からスタートだ!



さて、お昼食べたしスターチスは別の仕事をしてていいと言ったしやるか!精神統一という名の座禅。まずはベッドの上で安座し手を組む。目を閉じて自分の体に流れる魔力のみに集中する。使えるかわかんないけどニーチェの言葉に始めなければ、始まらないと言う言葉がある。だからやってみなくちゃわからない。

ふぅ、周りが静かになっていく。心が落ち着く。心音が一定のリズムを刻んでる、血液が心臓から頭、指先にまで到達している事が分かる。まるで障害物が全く無い川のように、全身を駆け巡ってる。

「プレスティージオ」

何故かそんな言葉が頭に浮かび呟いていた。そしてゆっくり目を開けるとそこには火、水、風、雷、光。全属性が球体と化し浮いていた。

私は魔法を全属性使えるのか?それだったら超嬉しい。でも、あの本には生まれつき属性が決まってるとは書かれていなかった。あれ、もしかして魔法が使える人達は得意属性があるだけで全属性使えるんじゃないか。仮に、仮にだ。得意属性を調べる魔法道具があったとしようそれを使い魔法を教えていたらいつの間にか得意魔法の属性がこの属性しか使えないに変わっていたとしたら。それには魔力の量が自身のエネルギーなら体力アップさせれば皆ばらつきなく一定の魔力を扱う事が出来るのでは!

って、あれ?なんだか眠くなってきた。あ、この球体出しっ放しだった!えぇっと、どうやって消すの?わかんないけど、とりあえず!

「消えて!」

あ、駄目。眠い、無理。おやすみなさい。



「ー様、お嬢様」

「は!ごめんなさい、スターチス。私、つい寝てしまいました。すぐに身だしなみ整えますね」

ヤバイ、時計見たら夕飯の時間だった。あんなに寝るなんて、私相当体力ないんだな。となると、握力とかもないのか?剣、持てるかな。いやいや、弱気は駄目!大丈夫、努力したらなんとかなる!さ、夕飯に行こう。

「あの、お嬢様」

「どうしましたか?スターチス」

「私はお嬢様に敬語を使われる身分ではありません」

「何故?年上を敬うのは当たり前ですよ」

「当たり前ではないのですから申し上げているのです!それに、熱を出す前のお嬢様は我々に悪態をつき罵声を浴びせていました。心を入れ替えたからと言っていきなり敬語を使われるのは不愉快です!」

当たり前じゃないって。この世界は貴族に対する教育が甘いのか?物凄く知りたい。早く明日にならないかな。でも、不愉快かぁ。まぁ確かに昨日自分を散々馬鹿にした人がいきなり猫撫で声で来たら苛つくけど。どうしよう、前世は年上に敬語を使うのが当たり前だったし。

「こうしてスターチスと呼び捨てにするだけではダメですか?」

「駄目です!さぁ、敬語も外して下さい。不愉快です」

「それは、出来ません。さっきも言った様に年上に敬語を使うのは当たり前です。それに使用人に敬語を使ってはいけないというルールはありません。私は引きません、本当に不愉快で辞めて欲しいのなら、この屋敷から出て言って下さい。勿論次の仕事先、衣食住、退職金はしっかり用意します。どうしますか、スターチス」

「はぁ、だそうです皆さん」

は?廊下や部屋の扉の陰から使用人達が続々と出てくる。続々とって言っても7、8人だけど。え、何事?私、割と本気で混乱してるんだけど。

「説明して下さい」

「私達はお嬢様にからかわれてると考えてました。以前もメイドの1人がお嬢様に尊敬してると言われはしゃいでいましたがお嬢様が1人で部屋にいると偶々お嬢様がそのメイドの悪口を言っているのをメイドが聞いてしまって、そのメイドが翌日逃げる様に屋敷を去っていったのを見るや高笑いをされておりましたのでまたその手のものではないかと」

「で、私が怒って貴方をクビにしたら皆で屋敷を出ようと思って、面と向かって不愉快と言ったのですね」

そう言うと、使用人達は揃って頷いた。

「安心して下さい。そんな事はしません。そうですね、私の敬語が二ヶ月続けば遊びじゃないと信じてくれますか」

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