君に「おはよう」と言えたら、後悔はない

akaban42

おはよう6

 家に帰ると先に家に帰っていた、我が妹に小一時間ほど説教を食らう。
 「兄貴さぁ〜、何かあったら自分一人だけで解決しようとするよね?昨日からおかしかったけどさ……兄弟なんだし、私のこともっと頼っていいんだよ……」
 すまん……てっ、え?もっと怒られると思った。
 むしろこいつにもこんな可愛らしい場面があるんだなっと感動してたぐらいだ。反抗期が来てからこんな可愛らしい姿見たことなかった。
 聞いて欲しいんだ。小さい時はな〜お兄ちゃんお兄ちゃんって寄ってきてたんだがな〜
「……兄貴!!聞いてる!?」
 「あぁ、悪い悪い。でも大丈夫だ。これは自分で解決できるし、自分でしなきゃいけない。」
 根拠のない自信を自信満々に言い切ると、どこか不満そうだけど、なんとか納得してもらった。

 夕食を済ませ、風呂に入るまで休憩がてらスマホをいじっていた。
 「兄貴〜結局さ〜今日なにあったん〜?」
珍しいことに妹が自分の話に興味を持っていた。
 「あぁ〜それな〜なんかなぁ〜恋しているんだってよ。」
 将棋のゲームがいい勝負になり目が離せない。
妹を見ないで言ってしまう。
 「え?誰が?」
 「ん」
 と言い、自分を指差す。
「うわぁー負けたかー!」
スマホにはGAME OVERの文字が表示される。
 「んじゃーお前風呂入れよー。早く入りたいんだから。」
 我が妹が固まってるのを横目に不思議に思いながら、二階に登り布団に入る。
「ふいー疲れた。にしても明日か……」
今日はいつもと違ったなとふける。
 明日からは気合いを入れないといけない。もしかしたら明日も挨拶をしてくれないなんてことがあるかもしんない。なんで急に挨拶されなくなったんだがな……。
いや、僕から挨拶しないのも失礼だけど。
 「なんかなぁ……きっかけがあればいいんだけど……」

 気持ちのいい朝、いつもとは違い部屋には日差しが入り、小鳥が囁いている。
 そう、寝坊したんだ。
 「嘘だろ?んー間に合うか?……」
  時刻は七時半をさす。間に合うもクソもない。出発してた。
 「もういいや8時で。」
 二階から降りると台所、居間と妹がいて、
うるさかったはず。
なんであいつ一人で行ったんだ?いや、あいつも思春期。隠したい事の一つや二つあるんだよな。
 静かな空間に自分以外誰もいない。

 時刻は7:50になる。
 いつもとは違い、余裕を持って駅のホームに着く。
 「今度から八時の電車でこようかなぁ。」
 ホームには僕と同じ高校の生徒はあまりいない。というより一人しかいなかった。
  「あれ誰だ?……見た事あるんだけど。」
 黒く長い髪に綺麗な顔立ちの女子だ。横目だから分からないが、美人ってのはわかった。
 僕はその女子を凝視していると。彼女は僕の視線に気づいたのか、目があった。
 「え?……安積(寒河江君)さん?……」
 ホームには電車の音が鳴り響いた。
 

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