君に「おはよう」と言えたら、後悔はない

akaban42

おはよう4

 昨日の夜、母と妹から体の具合について心配された。
 『兄貴どうしたの!?悩んでいるのなら私が相談に乗るよ!?』
 まるで、兄貴が兄貴じゃないように言われているみたいだった。
 『敏樹もそんな歳なのね〜……で相手さんは?』
 母に関しては心配というより興味の方が大きかったらしい。
 『それよりも妹に何かあったんじゃないの?』
 母は何か閃いたようで、妹を自室に連れ込んで行った。
 
 そして今日、妹がべたべたとくっつくようになっているのだ。
 「うっっっとしい!!」
 「だってぇぇ!!」
「今度から無視するぞ!?」
 「……ぐす。」
 えぇい!分かったから泣きながらしがみついくるな!
 「ほら行くぞ、立てるか?」
 「うん……」

 妹が教室に入ってこようとした時は、本当に今度から無視してやろうかと思った。
 教室の中に入ると、といつもとは違う異様な雰囲気が漂っていた。
 なんだこれ?いつもは活気に満ちていたはずだが……
 いや、活気には満ちてはいるんだ。だが、どこか違和感を覚えてしまう。
  席にはいつも通り健咲がいた。こいつは変わらないでいて、なんか安心した。
 「お、おい健咲これどういう状況だ?
いつもは隣のクラスから苦情がくるほどうるさいクラスだろ?」
小声で健咲に聞いてみようとしてみたが、こいつの顔を見るとどこか複雑そうな顔してた。なんだよ。
 「それがな……」
 そういえば、彼女がいない。
 「あれ?そういえば安積さん?」
 「それなんだ……」
 「は?」
 「いつも彼女が来る時間ってのは結構決まっていた。だが、今日に関しては、先にお前が来てしまったんだ。」
こいつ何言ってんだ?僕が先に来るとなんでギスギスするんだ?
不思議に思い、首をかしげていると。
 噂をすればなんとやら。安積さんが教室に入ってくる。するとクラスのイケメン(性格悪いけど)、澤村君が安積さんに近づく
「おはようございます。随分と遅い登場な事で。よろしければ俺と付き合w「うるさい、静かにしなさい。」」
 あれ?僕の知ってる安積さんじゃない?どこか機嫌悪そうにも見える。
 スタスタと崩れる澤村君を無視して歩く。
 周りからは。、「あいつバカだろ。」と小声が聞こえる。
 彼女とは隣の席だ。どうなるかというと
「「……」」
なんとも居心地が悪い空間となってしまう。
 それに、いつもは安積さんから挨拶してくれるはずなんだが……
 僕が何かしたのか??
 とてつもない不安に襲われてしまう。
教室に担任が入ってくる。
「お前ら、うるs……くない?」
それから何事もなかったように朝の担任の話が続く。
 横目でチラリと彼女を見ると、今でもどこか、顔が暗くみえる。気のせいかもしれないが。
 彼女との唯一の会話がないだけでこんなにも居心地が悪く、寂しいのか。
 それは僕の胸をきつく締める出来事であった。
 
 

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