あるべき姿の召喚術士~欠陥しかない少年が最強になれた理由~

ツキウサギ

0話 プロローグ

この世に生を受けたヒトは皆、神から『天職』という名の才能を授かる。

それは、『王』『スラム街の人間』、そして『種族間』をも問わず、ヒトであれば貰える才能。

神により勝手に人生を定められて満足した生涯を迎える者も居れば、不満を持って生涯を終える者も居る。

もちろん、『才能』なわけだから、『犯罪職』を『天職』として与えられた者は疎まれ、忌み嫌われ、そして淘汰される。

逆に『英雄職』を『天職』として与えられた者は尊敬の眼差しを受け、人類の希望を背負い、祝福と栄光を授かる。

『犯罪職』でも『英雄職』でもない『通常職』も存在する、というよりこちらが一般的だろう。

『天職』の権力順で言えば、『英雄職』、『通常職』、『犯罪職』だろう。

これは、そんな世界に生まれたとある少年の物語。

~~~~~~~~~

夜、村の入り口で大声が響き渡る。

「サン!只今を持ってお前をこの村から追放する!」

サンと呼ばれたのは僕のことである。
何故こうなったのか、時は少し遡る───



───それは昼頃、1年に1度ある『授託の儀じゅたくのぎ』で10歳になった村人が教会に集まり、神託にて『魔能』と『天職』を授かる日。
それは、僕も含まれていた。

「はぁ〜。僕もやっと『授託の儀』を受けれるのか」

そのときの僕は緊張を抑えるために、色々なことを考えていた──

『神託を受けたあとはどうするか』
『天職は何を授かれるのか』

「やっぱり冒険者になって村の人達に恩返ししないと、親のいない・・・・・僕を育ててくれた村長には特に」

そんなことを考えているうちに時間が過ぎ、遂に僕の番になった。

「神官さん、よろしくお願いします!」

このときだけとはいえお世話になる人には挨拶をする。

「いいんですよ。私は見届人になるだけですので、私が居なくても変わりませんし」

「そうなんですか」

「はい。……では『授託の儀』を行います。この像に祈れば、『魔能』と『天職』を授かれます。この10年間生きた事への感謝が強ければ強いほど、高位ランクの『天職』を授かることができると言われています」

僕は像に祈り始める、すると目を瞑っているにもかかわらず、像が光を放ち出したのが分かった。
それは数瞬のことだったか、それとも数時間なのか、奇妙な感覚を憶えながらも僕は気を失った。

~~~

だんだん頭の中が明るくなってきた。
ん?周りがなんか言ってる。

「──だと?!」

「まさか無能なんて……」

え、なんて言ったの?無能?

「神への感謝が足りなかったのでしょう」

「くそ!せっかく育ててやった・・・・・・のに無能だなんて!」

この声……村長?
意識がハッキリしてきた。

「村長!無能って、どういうことですか!」

「なんだ、サン、目が覚めたのか」

「無能って、嘘ですよね……?」

「うるさいぞ、無能!」

「そんな……」

「こい!」

服を引っ張られて村の入口まで連れていかれる。
どうやら夜まで気絶していたようだ。

「サン!只今を持ってお前をこの村から追放する!」

「そんな……」

僕は呆然としている間に村の外に蹴飛ばされ、倒れた。

「なんで……そうだ。魔能を……」

なんで無能なんて言われないといけないのか分かるかもしれない。


────────────
名前[サン]
年齢[10]
性別[男]
種族[人間]
状態[正常]
天職[召喚術士]

LV:1
MP:H
攻撃:H
魔攻:H
防御:H
魔防:H
敏速:H
器用:H

【職業技能】
召喚術
────────────


ステータスはSSS〜Hで構成されている。
その中でもHなんて今まで出たことがない、前代未聞のもの。
つまり、オールHの僕は何も出来ない、無能という事だ。
天職の技能である召喚術でさえ使えない。

「そんな……」

絶望は始まったばかりであった──






【雑談】
これは文章力があれば・・・流行りそう

【報告】
新作ですね、今度からは自由に新作作って投稿してみようかと思います
幾つか作品を作って週一でどれかを投稿、という形になります

【いつもの】
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです。

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