不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜

愛犬ロック

第33話 テイマーはテイムモンスターに水浴びをさせる

 俺達3人が先頭を歩き、その後ろにテイムモンスターを連れて2階層への階段を下りていくと、次は森のような場所に出た。
 草木が生い茂っており、ここでもお日様は存在しているようだ。

「うわー、ダンジョンっていうのは本当に不思議なところだね」
「なんか不気味」

 その光景を見て、シャルとレナは思うままの感想を言った。

『お、次は森ッス!』
『ええなぁ!』
『森は主人と出会ったときを思い出しますな』
『みんな森でテイムされてるもんな!』

 テイムモンスター達が続々とやってくる。
 そういえば、まだ森でしかモンスターを狩ったことがないな。
 探索スキル持ちのパーティメンバーが見つからない場合、森以外の場所でモンスターを狩ってみようか。

「ねえ、アレン。みて! あそこ!」

 レナが袖をぐいっと引っ張り、指をさしている。
 さしている方を見ると、そこには川が流れていた。

「ダンジョンなのに川まであるのか」
「ね、びっくりしたよ。まさか川まであるなんて!」
「水飲めるのかな」

 川を見たシャルはボソッと呟いた。

「それ私も気になる! アレン、飲んでみてよ」
「たぶん飲める水だと思うけど……毒見みたいな役やらせようとするなよ」
「てへっ」

 ……ひどい奴だ、全く。
 それにしても川か。
 せっかくだし、ゴブリン達に水浴びをさせてやろう。
 臭いも少しはマシになるかもしれない。

『みんな水浴びしてきたらどうだ?』

 声に出して伝えると、シャルやレナに対して言っているような感じになってしまうと思ったので、意識共有でテイムモンスター達に伝える。

『そういえば、アッシのこと兄貴は臭いって言ってたッスね』
『うん、水浴びで体を綺麗にしたらどうかなって』
『うぅ、ありがたいッス!』

 ゴブは感涙を流しながら土下座している。
 いや、そこまでしなくても……。

『確かに、ゴブは臭いでゲス』
『ゴブリンが皆、ゴブのように臭いと思ったら大間違いやな』
『なにを言ってるんッスか! あんたらだって、同じようなもんッスよ!』

 ゴブの体臭を巡って、ゴブリン達が論争を始めた。
 ほのかに漂う刺激臭は、臭いのがゴブだけで無い事を教えてくれる。

『みんな臭いから、ちゃんと水浴びしような』

 と言って、場は丸く収まった。
 一部のゴブリン達は心に傷を負ってしまったようだが……。

『……ごめんな』

『水浴びるッスウウウウ!』

 謝っておいたが、争っていたゴブ達は涙を流して川に走っていった。
 いや、ホントごめん。

「ええ、何かモンスター達が川の方へ走っていくんだけど!?」
「何があったの、あれ?」

 側から見てるシャルとテレサは、何があったのか、まるで分からないようだ。
 当たり前だが、意思共有を使っている俺にしか事情は分からないだろう。

「今からモンスター達に水浴びをさせるんだ」
「へー面白そうじゃん! ピクニック気分だね」
「まあ、テイムモンスターにはいつも世話になってるしな」

 ゴブ達が臭いから、というのは勿論だが、テイムモンスターにはいつも世話になっている。
 こうして外に出して、戦わせたりすることはないが、俺のステータスの一部になってくれたり、俺は色々世話になっている。
 だから、たまにはこうやって楽しませてやらないとな。

『水つめてー!』

 ウルフ達は、犬かきをしながら川で泳いでいる。ガウガウと敵に向かって吠えているように聞こえるが、内心すげー楽しんでいた。

 で、問題のゴブリン達は腰巻を取って川にダイブしようとしているのをワイルドボアに止められていた。

『ゴブリン達よ、主人のガールフレンドも見ているのだ。股間を晒すのはやめておきなさい』

 実はワイルドボア、結構紳士な奴が多かったりする。

『でも、股間もちゃんと洗った方がいいッスよ?』
『マナーというのがあるのですよ。そんな風にしているから臭いのではないですか?』

 ワイルドボアの反論がゴブにクリティカルヒット。
 ゴブは腰に手を置くのをやめて、

『ひどいッス……』

 と落ち込んでいた

 ゴブリンを仲間にして思ったことは、ゴブリンって落ち込みやすい種族なのではないか?
 さっきも落ち込んで、今も落ち込んで、ゴブは働き者だ。

「私も川に入る」

 川で水浴びをしているモンスター達を眺めていると、突然シャルが真顔でそんなことを言ってきた。

「入れ入れ――って、ダメに決まってんだろう!」
「「えー」」

 声が重なった。
 声の主は、シャルとレナだった。
 どうやら、「えー」という言葉を聞くにレナにも不満があるようだ。

「えーじゃねーよ! 二人共! 今川に入ったら、服がびしょ濡れになっちゃうだろ」
「脱げばいいわ」
「シャル、……女の子なんだからもっと恥じらいを持ってだな……」
「うん、いいね! 脱いじゃおう!」
「おい! 馬鹿野郎! 乗るんじゃねえ!」

 どうして、俺は変な方向で頑張りを見せなきゃいけないのだろうか。

 その後、テイムモンスター達が楽しく水浴びをしている中、俺はシャルとレナが服を脱ぎださないように必死に止めるのだった。

 ちくしょー! 脱がせとけばよかったかな、と少し後悔しているのは秘密だ

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