不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜

愛犬ロック

第31話 テイマーはパーティメンバーを募集した

 図書館を後にして、俺達は冒険者ギルドに向かった。
 トラップを回避するための探索スキルを持った冒険者をパーティに引き入れるためだ。
 メンバーを募集すれば、すぐに集まるかなと思っていたが、探索スキルを持った職業は結構レアだったりするらしい。
 ヴァスノスの冒険者は大体D~Cランクが多いようなので、Cランクの俺達パーティには人が集まってきてもいいと思うのだが……人が声をかけてくる気配はなかった。
 困ったな。

「誰も来ないねー」
「うん」

 レナとシャルがメンバー募集に飽きて、暇そうにしている。
 武術祭まで時間も少ないため、こうして無駄な時間を過ごすぐらいならダンジョンにこだわらず、ヴァスノス周辺の狩場に行った方がいいかもしれないな。
 そんな事を考えていると、2人の冒険者が近寄ってきた。

「ねぇ、君たちパーティメンバー募集してるのー?」
「よかったら、俺達とパーティ組もうぜ」

 声をかけてきたのは、2人の男の冒険者だった。
 パーティの上限は4人までとなっている。俺達は既に3人いるため、2人が加入するとなると、上限オーバーになってしまう。
 サンタクロースは、そこまで悪い奴でもなかったが、冒険者には難癖をつける奴が多そうだ。はっきりと断ることにしよう。

「俺達3人パーティだから、2人の加入はルール上無理だ。悪いな」
「あーはいはい。君は黙ってていいよ」

 肩に手をポンっと置かれ、ニッコリとした笑顔でそう言われた。
 あー、なるほど。
 この2人は、容姿の良いシャルとレナを狙っているのか。

「どうかな、こっちの男の子とはお別れになっちゃうんだけど、俺達とパーティ組まない?」
「そいつより俺達の方がよっぽど強いぜ? 君たちのこと守ってあげるよ」

 随分と強引に誘うんだな。
 それだと印象悪くないか?
 そう思っていると、シャルが少し不機嫌な顔をして口を開いた。

「組まない。アレンの言ったこと聞こえなかった? 邪魔だって言ってるのよ」

 物怖じとせずにシャルは淡々と告げた。
 そのとき、2人の冒険者の表情が歪み、今にもシャルに殴りかかりそうな雰囲気だ。

 俺の肩にポンっと手を置いた奴の肩に俺は同じように手を置く。
 そして、腕を下げると、男は地面に倒れた。

「ああ、悪い。手が滑った」

 これで矛先が俺に向くはずだ。
 案の定、地面に倒れた男はすぐさま立ち上がり、

「舐めた真似してんじゃねえぞ!」

 俺に殴りかかってきた。

 ――遅いな。

 それに単調な動き。

 足を曲げて、腰を深く落として男のパンチを交わす。
 そして、腹に一発拳を入れてやる。

「うぐッ!」

 男は腹を抑えて、また地面に倒れこんだ。

「この野郎! 何しやがる!」

 もう一人の男は、大声を出して同じように殴りかかってきた。
 素手で男の拳を受け止め、握りつぶす勢いで俺は手に力を入れる。

「て、てめぇ……」

 サンタクロースのときもそうだったが、冒険者はすぐ手が出る奴が多いな。
 ま、今回の場合は俺が先に手を出したのだけども。

「失せろ」

 俺は目の前の男を睨みながら、低い声でそう言った。

「ッチ、分かったよ」

 納得していない顔だったが、力の差をあること自覚したのが倒れた男を連れて大人しく去っていった。

「アレンって地味にこういうときはカッコイイよね」

 事が終わると、傍観者だったレナがそう言った。

「こういうときは、ってなんだよ」
「あはは、そのままの意味だよ。シャルもアレンがカッコよかったって思うよね?」
「うん」
「……はぁ、照れるからやめてくれ」

 ため息をつきながら、俺はそう言った。

 ◇

 その後も少しだけパーティメンバーを募集していたが、ダメそうなので今日は諦めることにした。
 だが、まだ時刻は昼頃。
 まだ活動する時間は十分にある。そこで、試しにダンジョンに行ってみることにした。
『ヴァスノスのダンジョンの歩き方』によれば、5階層からトラップが出現するらしい。
 ならば、4階層まではトラップが出現しないということになる。
 4階層までなら探索スキル持ちの奴がいなくても全然問題ないということだ。

 そういう訳で、ダンジョンの入り口にやってきた。
 鎧を全身で包んだ見張りが2人、入り口の前で立っていた。

「許可証の提示をお願いします」

 そう言われたので、俺達はギルドカードを見せる。
 3つのギルドカードを注意深く確認すると、

「どうぞ」

 と、前を通してくれた。

 洞穴のような入り口に下へと続く階段がある。
 その階段を下りていくと、広大な空間が広がっていた。

「すげえな、こんな広いのか」
「うん、私もびっくりしたよ。地下にこんな世界が広がっているなんて」
「いや、王都の地下にこんな空間が広がっているんじゃないからな」
「え、そうなの?」

 レナの奴、ちゃんと『ヴァスノスのダンジョンの歩き方』を読まなかったな。

「昔、ダンジョンの入り口近くで穴を掘り進めて行ったが、ダンジョンに繋がることはなかった。だからダンジョンの中にあるものは、別次元にあるものと考えられているんだ。つまり、ヴァスノスの下に存在しているように思えるダンジョンが実はヴァスノスの下に存在していないんだよ」

 本に書いてあることを説明すると、シャルとレナは「「へー」」と応えた。

 なるほど、しっかり本を読んでいたのは、どうやら俺だけだったらしい。
 ……まぁ正直、危険な事はトラップについてぐらいしかないから、その都度説明していけばいいか。

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