不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜

愛犬ロック

第21話 テイマーは回復術師を仲間にする

「こんなに強え奴を俺は不遇職だ、って馬鹿に出来ねえよ……お前、昨日はすまなかったな。それに助けてくれてありがとな」

 サンタのこの一言でギルド内に飛び交っていたヤジは収まった。中にはまだ納得していない奴がいるかもしれないが、この空気で名乗り出る奴は誰もいなかった。

「ああ、気にするな」

 サンタに少し嫌悪感を抱いていたが、このように感謝されると悪い気分はしなかった。助けてよかったなと素直にそう思った。


 その後、俺達は報酬金を受け取り、ギルドを後にした。
 これから酒場に向かい、食事をする。報酬金を3人で分ける。

「……疲れた〜」

 道中、俺は溜息を吐きながら、愚痴をこぼしていた。ここの冒険者ギルドは、結構冒険者が多い。だから、あのように注目されると結構な人数の視線が集まるため、かなり居心地が悪い。
 正直、トレントを相手にするより疲れた。精神的疲労が大きい気がする。

「その疲れ治せるけど、どうする?」

 隣を歩くレナが横目で見ながらそう言った。

「なんだ、治せるのか?」
「うん、まぁそんなに凄いことじゃないんだけどさ」
「どうやるんだ?」
「まず、君の腕に触ります」

 ギュッと俺の腕を握るレナ。
 俺のステータスの耐性には女子耐性というものがないんだから、いきなりそういうのはやめてもらえます?

「そして、君の身体に流れている魔力の流れを良くします」
「魔力の流れ?」
「そう。魔力は身体の中を巡るように流れているんだけど、張り詰めている時とか戦闘のときとかは流れが早くなっているのさ。それを正すと、疲労回復に繋がるよ」
「へぇー凄いな」
「そんなに褒めることでもないかな」

 レナはそう言うが、俺は素直に凄いと思った。身体に魔力が流れているってのは何となく分かっていたが、それをどうしようという考えはなかったな。レナのステータスにあった魔力操作で流れを正しているのかな。となると、魔力操作のスキルがないと、これは出来なさそうだな。

「……はい、終わり」

 そう言って、レナは俺の腕を放した。

「おおー……なんだか少し楽になったような気がする」
「ま、所詮は気休め程度さ」
「レナ、私にもしてほしい」

 シャルは声のトーンを変えずに、淡々と口を動かした。しかし、何となくだが、いつもより目を輝かせている……ような気がする。

「もちろんさ」

 レナがシャルの魔力の流れを正し終わると、丁度よく酒場に到達した。


 ◇


 席に座り、食事を注文した。
 最近は稼ぎが良くなってきた為、もう食費に困ることは無くなった。随分と進歩したもんだ。

「とりあえず報酬金でも分けるか」
「あー私少なめでいいよ。大して仕事してないし」

 レナは手を横に振りながら、遠慮していた。
 まぁそう言うなら、少なめにさせてもらおう。食費に困らなくなっただけで、金がないのには変わりないからな。

「じゃあ銀貨70枚でいいか?」
「え、そんなにもらえるの」
「そんなに、って……俺とシャル合わせて金貨2枚と銅貨50枚なんだから少なくないか?」

 銀貨100枚で金貨1枚なので、銀貨70枚は少ないと思われる。まぁ、俺たちが貰う額は、報酬金として貰った銀貨50枚を70枚にするため、銀貨20枚がマイナスされてるんだけどな

「あはは……私、攻撃出来ないからさ、他のパーティだともっと貰える額は少ないんだ」
「……お前、そんなキャラだったか?」
「失礼だな君は。私は世渡り上手なのさ。報酬金をあまり貰わない事によってパーティの仲を維持しているのだよ」
「寄・生・回・復・術・師・とか言われてなかったか?」
「ギクッ」

 レナは自分で擬音を言って、肩をビクンと震わせた。


「寄生……レナは寄生虫」
「そこ、酷いこと言わない!」

 ビシッとシャルに指をさす。

「触れて欲しくない事なのか?」
「いや、別にそんな事ないんだけどね。回復しか出来ないからパーティメンバーは私にイライラするんだろうさ」
「それで寄生回復術師?」
「まあ、私も1年以上冒険者やってますから」
「そうか……お前も大変そうだな」
「慣れたかな。不自由が私の日常だと思えば、何事も受け入れられるよ」

 レナの言葉は何となく分かる気がした。

「それなら仕事を変えればいいんじゃないか?それだけの回復技術があるなら教会とか色んなところで働けるだろ」
「会いたい人がいるんだ。だから、冒険者として世界を回りたいんさけど……中々私にあったパーティが見つからなくてさ」
「――レナ、俺たちの仲間になれよ」

 俺はレナの瞳を真っ直ぐに見ながら、そう言った。
 不意を突かれたようで、レナは戸惑った表情をしている。

「い、いいのかい?」

 少し声を震わせながらレナは声を発する。

「なんだよ、最初に会った時は自信満々な表情でパーティに入れてくれって言ってきたじゃないか」
「あれは、私から言ってるからね! 言われた立場になった事は一度もないんだよ!」
「くっくっく、よく分からない性格してるな。シャルはレナを仲間にするのに賛成か?」

 俺がそう聞くと、食べていたパスタをゴクン、と飲み込んでからシャルは喋り出した。

「……うん。レナは役に立つ」
「という事だ。俺もお前は役に立つと思っている。寄生回復術師なんて言わせておけばいいんだよ。で、どうだ? 仲間になるか」
「もちろんだよ。これからよろしく」

 レナは目に涙を浮かべながらニコッと笑った。

「ああ、これからよろしくな」



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