不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜
第13話 テイマー式自動レベル上げ
俺たちがフォルトリアの森でモンスターを狩っているときの事だ。
仲間になったワイルドボアを吸収してもステータスが何一つ上がらないのを見て、ある事を思いついた。
これはもう閃きと言っても過言ではなく、成功すれば一気に狩りの効率が上がる。
吸収したモンスターは、自由自在に取り出す事が出来る。スキルの説明では、この事を放出と言っていたな。
頬がニヤけるのを抑えながら、俺は吸収しているモンスターを出す。
『『お呼びでございますか?主人あるじ』』
『おお!久々の登場ッス!』
出したモンスターはワイルドボアを2体とゴブリンのゴブ。
ゴブとワイルドボアの2体は、それらの種族においてテイムした中でもステータスが高い個体だ。
「アレン、何をしているの?」
モンスターを出している俺をシャルは不思議そうに見つめる。
「コイツらに此処に出るモンスターを狩らせてみようかなと思ってさ」
そう、これが俺の考え付いた狩りの方法だ。
コイツらを自由に行動させ、此処にいるモンスターを狩らせる。
そうすることにより、ステータスの上がらない不要な分を吸収したモンスターも有効に活用出来るはずだ。
『ほう、これが噂の兄貴の奴隷ッスか。よろしくッス!』
意識共有で聞こえてくるゴブの声。
ゴブはシャルに向かってペコリとお辞儀していた。
ますます意味の分からない事になっているであろうシャルのために通訳をする。
「コイツがこれからよろしくだってさ」
「賢いね。よろしく」
『ぜひ姉御って呼ばせてもらうッス!』
姉御って……お前な。
『てか、ゴブは何でシャルの事を知っているんだ?』
『吸収されたモンスター達は互いにコミュニケーションが取れるッス。そういう事なんでアッシらは兄貴の周りで起こったを把握してるッス』
『吸収した先ってそんな事出来るのか』
吸収した先でモンスター同士でコミュニケーションが取れているとはな。
どんな場所なんだろうか。
その気持ちを抑え、思いついた方法を伝える。
『これからお前たちに此処にいるモンスターを狩ってもらう』
『ええ!アッシのステータスだとここのモンスターはきついッス!』
『そう思ってワイルドボアを2体出したんだ。2体をお前が指揮して上手く扱ってくれ』
『具体的にどうすりゃいいか教えて欲しいッス。アッシ、頭悪いもんでして』
具体的に、か。
あまり考えていなかったが、これぐらいなら簡単に思いつく。
『ここのモンスターのウルフは群れで行動しているが、それ以外は単体で行動してる。となれば、ウルフ以外のモンスターを狙って数の有利を作れば討伐しやすくなるだろう。戦い方なんて考えなくてもゴリ押せば数で圧倒できるさ』
『――やっぱり兄貴は凄いッス!何か出来そうな気がしてきたッス』
目を輝かせるゴブ。
簡単に思いつくとか言っておいて、結局思いついたのは数でゴリ押せっていうことなんだよな。
しかし、それで褒められるなら悪い気もしない。
『今回は試しにやってみる程度だから安全第一で危険だと思ったらすぐに逃げてきてくれ。打つ手がないときは俺を呼んでくれ』
『分かったッス!』
『ワイルドボア達もしっかり頼んだぞ。ゴブは頼りないところがあるからな』
『承知いたしました』
『兄貴……アッシの扱いがひどいッス……』
◇
その後、ゴブ達を狩りに向かわせ、俺たちも俺たちで狩りに勤しんでいた。
途中、何も倒していないのに仲間になりたがってる奴がいた。ゴブ達が倒したモンスターもテイム出来るようだ。
そろそろ夕暮れなので辞めようとゴブ達に連絡を送る。
『そろそろ夕暮れだから狩りは終わりだ。戻って来てくれ』
『了解ッス!』
しばらくして、ワイルドボアとゴブを乗せたワイルドボアが走って来た。
『成果はどうだ?』
『ばっちりッスよ!ウルフとの戦闘は避けてワイルドボアと大ネズミだけを狙ったッス』
『三匹とも良くやったな。気付いた事は何かあるか?』
『一度、他の冒険者に見つかりそうになってヒヤヒヤしたッスね』
『……確かに、それは危険だな』
ゴブ達は俺のテイムモンスターであるが、他の冒険者から見ればただのモンスターにしか見えない。
万が一遭遇した場合、ゴブ達には果たして逃げる事が出来るのか。
……危ないな。このモンスター討伐方法は何か改善策を出さなければいけない。
『主人、一つ提案がございます』
一匹のワイルドボアが告げる。
外見に似合わず礼儀正しい。
『冒険者に見つかった場合、私達が主人に報告しますので、その瞬間に吸収して頂ければ良いのでは?』
『おお、素晴らしいアイデアじゃないか!』
ゴブ達が倒したモンスターを吸収出来たので、距離によって吸収出来ないという事はないだろう。
『ワイルドボアのくせに、何で人型のアッシより賢いんすか!』
『仕方ないゴブ。お前はそういうキャラだ』
『そ、そんなぁ……あんまりッス……』
その日の報酬金は前日より銀貨2枚多かった。俺とシャルが強くなった、というのもあるだろうが、ゴブ達の活躍が大きい。
討伐数を確認した受付嬢は少々ビックリしていたようだ。
レベルも3上がり、24になった。やはりレベルが上がるにつれて、必要となる経験値も多くなるようだ。
俺のステータスに変化はないが、シャルは物凄い勢いで強くなっている。
種族:ハーフエルフ
名前:シャルレ=ハーティスメル
性別:女
年齢:15歳
職業:魔剣士
レベル:21
HP:210
MP:10000
攻撃:210(11000)
防御:210
魔力:9600
敏捷:10500
《職業スキル》
【魔剣作成:レベル2】
【効果付与:レベル1LvUP→2】
《攻撃スキル》
【剣舞:レベル2】
《通常スキル》
【魔剣術:レベル1LvUP→2】
……魔剣士、強すぎませんか?
仲間になったワイルドボアを吸収してもステータスが何一つ上がらないのを見て、ある事を思いついた。
これはもう閃きと言っても過言ではなく、成功すれば一気に狩りの効率が上がる。
吸収したモンスターは、自由自在に取り出す事が出来る。スキルの説明では、この事を放出と言っていたな。
頬がニヤけるのを抑えながら、俺は吸収しているモンスターを出す。
『『お呼びでございますか?主人あるじ』』
『おお!久々の登場ッス!』
出したモンスターはワイルドボアを2体とゴブリンのゴブ。
ゴブとワイルドボアの2体は、それらの種族においてテイムした中でもステータスが高い個体だ。
「アレン、何をしているの?」
モンスターを出している俺をシャルは不思議そうに見つめる。
「コイツらに此処に出るモンスターを狩らせてみようかなと思ってさ」
そう、これが俺の考え付いた狩りの方法だ。
コイツらを自由に行動させ、此処にいるモンスターを狩らせる。
そうすることにより、ステータスの上がらない不要な分を吸収したモンスターも有効に活用出来るはずだ。
『ほう、これが噂の兄貴の奴隷ッスか。よろしくッス!』
意識共有で聞こえてくるゴブの声。
ゴブはシャルに向かってペコリとお辞儀していた。
ますます意味の分からない事になっているであろうシャルのために通訳をする。
「コイツがこれからよろしくだってさ」
「賢いね。よろしく」
『ぜひ姉御って呼ばせてもらうッス!』
姉御って……お前な。
『てか、ゴブは何でシャルの事を知っているんだ?』
『吸収されたモンスター達は互いにコミュニケーションが取れるッス。そういう事なんでアッシらは兄貴の周りで起こったを把握してるッス』
『吸収した先ってそんな事出来るのか』
吸収した先でモンスター同士でコミュニケーションが取れているとはな。
どんな場所なんだろうか。
その気持ちを抑え、思いついた方法を伝える。
『これからお前たちに此処にいるモンスターを狩ってもらう』
『ええ!アッシのステータスだとここのモンスターはきついッス!』
『そう思ってワイルドボアを2体出したんだ。2体をお前が指揮して上手く扱ってくれ』
『具体的にどうすりゃいいか教えて欲しいッス。アッシ、頭悪いもんでして』
具体的に、か。
あまり考えていなかったが、これぐらいなら簡単に思いつく。
『ここのモンスターのウルフは群れで行動しているが、それ以外は単体で行動してる。となれば、ウルフ以外のモンスターを狙って数の有利を作れば討伐しやすくなるだろう。戦い方なんて考えなくてもゴリ押せば数で圧倒できるさ』
『――やっぱり兄貴は凄いッス!何か出来そうな気がしてきたッス』
目を輝かせるゴブ。
簡単に思いつくとか言っておいて、結局思いついたのは数でゴリ押せっていうことなんだよな。
しかし、それで褒められるなら悪い気もしない。
『今回は試しにやってみる程度だから安全第一で危険だと思ったらすぐに逃げてきてくれ。打つ手がないときは俺を呼んでくれ』
『分かったッス!』
『ワイルドボア達もしっかり頼んだぞ。ゴブは頼りないところがあるからな』
『承知いたしました』
『兄貴……アッシの扱いがひどいッス……』
◇
その後、ゴブ達を狩りに向かわせ、俺たちも俺たちで狩りに勤しんでいた。
途中、何も倒していないのに仲間になりたがってる奴がいた。ゴブ達が倒したモンスターもテイム出来るようだ。
そろそろ夕暮れなので辞めようとゴブ達に連絡を送る。
『そろそろ夕暮れだから狩りは終わりだ。戻って来てくれ』
『了解ッス!』
しばらくして、ワイルドボアとゴブを乗せたワイルドボアが走って来た。
『成果はどうだ?』
『ばっちりッスよ!ウルフとの戦闘は避けてワイルドボアと大ネズミだけを狙ったッス』
『三匹とも良くやったな。気付いた事は何かあるか?』
『一度、他の冒険者に見つかりそうになってヒヤヒヤしたッスね』
『……確かに、それは危険だな』
ゴブ達は俺のテイムモンスターであるが、他の冒険者から見ればただのモンスターにしか見えない。
万が一遭遇した場合、ゴブ達には果たして逃げる事が出来るのか。
……危ないな。このモンスター討伐方法は何か改善策を出さなければいけない。
『主人、一つ提案がございます』
一匹のワイルドボアが告げる。
外見に似合わず礼儀正しい。
『冒険者に見つかった場合、私達が主人に報告しますので、その瞬間に吸収して頂ければ良いのでは?』
『おお、素晴らしいアイデアじゃないか!』
ゴブ達が倒したモンスターを吸収出来たので、距離によって吸収出来ないという事はないだろう。
『ワイルドボアのくせに、何で人型のアッシより賢いんすか!』
『仕方ないゴブ。お前はそういうキャラだ』
『そ、そんなぁ……あんまりッス……』
その日の報酬金は前日より銀貨2枚多かった。俺とシャルが強くなった、というのもあるだろうが、ゴブ達の活躍が大きい。
討伐数を確認した受付嬢は少々ビックリしていたようだ。
レベルも3上がり、24になった。やはりレベルが上がるにつれて、必要となる経験値も多くなるようだ。
俺のステータスに変化はないが、シャルは物凄い勢いで強くなっている。
種族:ハーフエルフ
名前:シャルレ=ハーティスメル
性別:女
年齢:15歳
職業:魔剣士
レベル:21
HP:210
MP:10000
攻撃:210(11000)
防御:210
魔力:9600
敏捷:10500
《職業スキル》
【魔剣作成:レベル2】
【効果付与:レベル1LvUP→2】
《攻撃スキル》
【剣舞:レベル2】
《通常スキル》
【魔剣術:レベル1LvUP→2】
……魔剣士、強すぎませんか?
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