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元賢者の最強剣士 〜二度目の人生は自由に冒険者ライフを送る〜

愛犬ロック

第21話 デート

 翌日、俺はシンディからの熱烈なアプローチを受けていた。
 それも朝食の時間に。


「何でそんなにしつこいんだ!」


 と少し怒りながら言ってみたら、返事は本当に訳の分からん理由だった。


「うるさーい!私は手に入れたい物は手に入れるのだー!」


 おかげで執事やメイド、おまけにリリアから冷ややかな目で見られる事になってしまった。
 シンディではなく、俺が。
 一体俺が何をしたっていうんだ。
 この不当な扱いは許容出来んぞ!
 そんな考えが一瞬頭を過るのだが、俺は居候させてもらっている立場。
 それを言葉にしてしまえば、屋敷から放り出され、俺は明日から泊まるあてをなくしてしまう。
 で、俺が考えた解決策は……。


「逃げるんだよおおおおお!!!!」


 俺にしがみつくシンディを振りほどき、俺は屋敷の外に走って行った。
 途中、執事に走らないでくださいと注意されたが、気にせず走った。








「はぁ……はぁ……全く、シンディの奴気でも狂ってんのか!――ってアイツは結構狂ってるよな」


 走って逃げてきた俺は息を切らしながら、自問自答していた。
 体力的にはこれだけの距離で息が切れる事などあり得ないのだが……いわゆる演出という奴だな。


「あら、ノアさんじゃないですか?」


 俺を呼ぶ声が聞こえた。
 振り返ってみると、水色の入った麦わら帽子を被ったメガネ姿の少女がそこにいた。
 白いワンピースを着ていて、銀髪の長い髪を後ろで結んでいて……ポニーテールという奴か?
 メガネ越しの赤い瞳が俺を見つめている。


「誰だお前」


 本当に誰だか分からなかった。
 俺って知り合い少ないし、俺の事を呼ぶ奴は大体分かるはずだが……。


「あれ、気付きませんか?以前、早朝に会ったじゃないですか」
「早朝……あ、思い出した」


 あの時の女の子か。
 以前とは随分と印象が変わっていた為、気付かなかった。


「そうですよ!私です!」
「って、言われても名前知らねーよ」
「あーそうでしたね。ところでノアさん、これから予定はありますか?」
「予定か?そうだな。これから街をぶらぶらと周り、面白そうな物がないか探すという大事な予定がある」
「……つまり予定がなくて暇を持て余してるって事ですか?」
「いやいや、そういう予定があるって言ってるだろ」
「じゃあ、言い方を変えます。暇ですか?」


 コイツ……出来る。
 そう聞かれたら、暇だと答える他ない。
 実際、俺は暇なのだから。


「ああ、暇だな」
「ノアさんって少し面倒くさいですね」
「何を言う。俺なりのユーモアだ。面白くて今にも笑い転げそうだろ?」
「いえ、全く」


 完全に否定されてしまった。
 俺ぐらいの鋼のメンタルを持っていない一般人だったら、今すぐロープを買って首を吊ることだろう。


「では、暇なノアさんに提案があります!」


 人差し指をピンと立て、ニッコリとした笑顔で彼女は言う。


「私とデートしましょう!」
「いいぞ」


 断る理由もないため、俺は承諾した。
 すると、彼女は少し驚いた顔をしていた


「……まさか二つ返事でOKが出るとは……」
「意外だったか?」
「ええ、遠回しに返事をするのかと」
「そう思ってる奴をお前はよくデートに誘えたな」
「あはは、冗談ですよ」


 彼女は笑ってごまかした。
 それにしてもよく笑う子だな。


「ノアさんは、この街についてあまり詳しくないですよね」
「そうだな」
「なら、私オススメの場所を案内してあげます!」
「ほう、なら楽しみにしていようじゃないか」
「ふふふ、後悔はさせませんよ」


 ここで俺は思った。
 1日行動を共にするなら名前を教えてもらわないと不便だなー、と。


「なあ、お前のこと何て呼べばいいんだ?」


 名前を聞くのは嫌がられそうなので、呼び名がないか聞いてみる。




「んー。そうですね。じゃあ、お姫様って呼んでください」
「なんだ、お姫様って。憧れてるのか?」
「お姫様は女の子の憧れですからね。ノアさんは今日1日私の騎士ナイトのつもりでいてくださいよ」
「あーはいはい分かったよお姫様」
「ふふふ、その調子です!」




 そして、騎士ナイトの俺とお姫様は色々な店をまわった。
 珍しい魔導具だけを取り扱った専門店。
 珍味として有名な料理店。
 冒険者の俺に合わせてか、鍛冶屋にも行った。
 何でも知る人と知る名鍛治職人の店なんだとか。


 お姫様と鍛治職人は顔見知りのようで、俺はその店一番の業物をお姫様からプレゼントしてもらった。
 こういうプレゼントの類は受け取らない方が失礼だと俺は考えているので、普通に受け取った。
 現在使用している剣は、村から持ってきた安物の剣なので正直助かった。


 そして、日は沈み夜になった。



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