元賢者の最強剣士 〜二度目の人生は自由に冒険者ライフを送る〜
第2話 魔法の威力がおかしい
翌日、村の近くの森にやってきた。
大人達は仕事をしているため、バレずにやってくるのは容易だった。
「さて、魔物はどこにいるかねぇ」
魔物を探すために索敵魔法を使用すると、
「はぁ?」
思わず声が出た。
予想していた規模より随分と大きな範囲を索敵することが出来たからだ。
範囲はこの森全体。
小さな森ではあるが、森を抜けるには約3kmあるので結構なものだ。
予定では、半径1kmほど索敵出来たらいいなと思っていたが、少ない魔力でこれだけの規模を索敵出来るなんてな。
便利だからいいけど。
「主に生息している魔物は、ウルフとゴブリンの様だな。しかし、一体だけこの場所に似合わない奴がいるな」
ウルフとゴブリンは魔物の中でもかなり弱い部類に入る。
戦いの心得がない村にいる大人達でも武器を持てば誰だって仕留める事が出来るだろう。
それ以外の魔物もウルフとゴブリン以下の危険性が低い魔物ばかりが生息している。
しかし、一体だけ場違いな奴がいるようだ。
そして運が悪い事にその主は、俺の気配に気付き近付いて来ているようだ。
「グオアアアアア」
梟頭で熊の姿をした魔物が雄叫びをあげて、大きな身体で威嚇する。
コイツはアウルベアだ。
口からは涎を垂らしており、俺を餌だと思っているようだ。
「そういえば、魔物は人を襲うんだったな」
前世では、身体から漏れる魔力に恐れ、魔物一匹近付いてくることはなかった。
そのため、魔物は人を襲うという当たり前のことを当たり前として認識していなかったのだ。
「今世最初の敵は、アウルベアか。5歳児にしては少しハードルが高すぎないか?」
前世は何だったっけな。
普通にスライムとか安全に倒して遊んでたような気がする。
スライムは、遠距離から魔法で攻撃すれば的でしかないからな。
思い出を振り返っていると、アウルベアは大きな鋭い爪を俺目掛けて伸ばしてくる。
「おっと」
バックステップし、アウルベアの攻撃を交わす。
アウルベアとの距離は、およそ2mといったところか。
俺は魔法の試し撃ちを目的に来たので、武器を所持していない。
なので、攻撃手段は魔法だけということになる。
色々ある魔法の中でも攻撃魔法は、威力や効果によって階級が分けられている。
下から初級、中級、上級、最上級、精霊級、伝説級、神話級、この7階級が存在し、火、水、風、光、闇といった5つの主要属性がある。
この距離で火属性魔法を使うと、自分にも危険が及ぶ可能性がある。
そこで牽制も込めて、風属性の初級魔法ウィンドカッターを使うことにした。
「ウィンドカッター」
そう唱えると、凄い風が吹き、アウルベアの身体は真っ二つになった。
「えっ」
人は驚くと声が出なくなるようだ。
俺は呆然と立ち尽くしたまま、しばらく真っ二つになったアウルベアを眺めていた。
我に返り、アウルベアの切断面を見ると、綺麗に真っ二つにされている。
普通、初級魔法のウィンドカッターはアウルベアの身体を真っ二つに出来るほどの威力はない。
身体の表面に少しでも傷をつけて、怯ませれないかぐらいの気持ちで使ったのだ。
アウルベアという魔物はここらでは強い部類に入る。
アウルベアの硬い毛皮や筋肉を真っ二つにするには上級魔法以上の魔法でないと厳しいだろう。
「……まさかな」
俺は一連の出来事から一つの仮説を思いついた。
索敵魔法を使うと、予想以上の索敵範囲。
初級魔法のウィンドカッターを唱えると上級魔法並の威力。
これらから考えられる仮説は、魔法を詠唱した際に身体が魔術回路を増幅させ、高い効果を発揮させているのではないだろうか。
中級魔法を唱えると最上級魔法並の威力で上級魔法を唱えると精霊級魔法並の威力だろうな。
もしそうならば、俺は威力の弱い魔法を使えないということになってしまう。
一応、他の属性も試してみるか。
他の属性である、火、水、光、闇属性を試してみたが、結果はどう頑張ってもウルフの死体が無惨な姿になるだけだった。
「これは攻撃魔法を使うのは禁止だな」
初級魔法、中級魔法が使えないのは魔法使いとして欠陥であると言わざるを得ない。
魔法の力は絶大だが、力加減が出来ないと身を滅ぼす事に繋がる。
「剣の特訓でもしないとな……」
明日から一人で剣の特訓でもしよう。
前世では、剣の達人である勇者や剣聖とかと知り合いだったし、見様見真似の我流で何とかなるだろう。
「あっ、やべ。アウルベアの死体そのままにしてた」
アウルベアの存在を思い出し、俺は死体の場所に戻る。
「それにしてもやっぱでかいな。身長が小さいから余計にでかく感じる」
これの処理どうしようかな。
村に持って行ったら、大騒ぎになるのは目に見えているし、かと言って埋めるのは勿体ない。
アウルベアの毛皮や爪は結構な値段になるはずだ。
アウルベアの死体を埋めるという選択は金を捨てるのと同じである。
そこで、空間魔法のアイテムボックスを使うことにした。
アイテムボックス。
心の中で詠唱すると、空間の裂け目が現れた。
どうやら生まれ変わっても知識さえあれば、無詠唱で魔法を使う事も出来るみたいだな。
アウルベアの素材を剥ぎ取るための道具も無ければ、高精度な魔法を使う事も叶わないので死体をそのままアイテムボックスの中に放り込む。
小さい身体で筋肉も無いため、一苦労だった。
「よし、帰るか」
やりたい事も済んだし、そろそろ昼食の時間なので、我が家に帰ることにした。
大人達は仕事をしているため、バレずにやってくるのは容易だった。
「さて、魔物はどこにいるかねぇ」
魔物を探すために索敵魔法を使用すると、
「はぁ?」
思わず声が出た。
予想していた規模より随分と大きな範囲を索敵することが出来たからだ。
範囲はこの森全体。
小さな森ではあるが、森を抜けるには約3kmあるので結構なものだ。
予定では、半径1kmほど索敵出来たらいいなと思っていたが、少ない魔力でこれだけの規模を索敵出来るなんてな。
便利だからいいけど。
「主に生息している魔物は、ウルフとゴブリンの様だな。しかし、一体だけこの場所に似合わない奴がいるな」
ウルフとゴブリンは魔物の中でもかなり弱い部類に入る。
戦いの心得がない村にいる大人達でも武器を持てば誰だって仕留める事が出来るだろう。
それ以外の魔物もウルフとゴブリン以下の危険性が低い魔物ばかりが生息している。
しかし、一体だけ場違いな奴がいるようだ。
そして運が悪い事にその主は、俺の気配に気付き近付いて来ているようだ。
「グオアアアアア」
梟頭で熊の姿をした魔物が雄叫びをあげて、大きな身体で威嚇する。
コイツはアウルベアだ。
口からは涎を垂らしており、俺を餌だと思っているようだ。
「そういえば、魔物は人を襲うんだったな」
前世では、身体から漏れる魔力に恐れ、魔物一匹近付いてくることはなかった。
そのため、魔物は人を襲うという当たり前のことを当たり前として認識していなかったのだ。
「今世最初の敵は、アウルベアか。5歳児にしては少しハードルが高すぎないか?」
前世は何だったっけな。
普通にスライムとか安全に倒して遊んでたような気がする。
スライムは、遠距離から魔法で攻撃すれば的でしかないからな。
思い出を振り返っていると、アウルベアは大きな鋭い爪を俺目掛けて伸ばしてくる。
「おっと」
バックステップし、アウルベアの攻撃を交わす。
アウルベアとの距離は、およそ2mといったところか。
俺は魔法の試し撃ちを目的に来たので、武器を所持していない。
なので、攻撃手段は魔法だけということになる。
色々ある魔法の中でも攻撃魔法は、威力や効果によって階級が分けられている。
下から初級、中級、上級、最上級、精霊級、伝説級、神話級、この7階級が存在し、火、水、風、光、闇といった5つの主要属性がある。
この距離で火属性魔法を使うと、自分にも危険が及ぶ可能性がある。
そこで牽制も込めて、風属性の初級魔法ウィンドカッターを使うことにした。
「ウィンドカッター」
そう唱えると、凄い風が吹き、アウルベアの身体は真っ二つになった。
「えっ」
人は驚くと声が出なくなるようだ。
俺は呆然と立ち尽くしたまま、しばらく真っ二つになったアウルベアを眺めていた。
我に返り、アウルベアの切断面を見ると、綺麗に真っ二つにされている。
普通、初級魔法のウィンドカッターはアウルベアの身体を真っ二つに出来るほどの威力はない。
身体の表面に少しでも傷をつけて、怯ませれないかぐらいの気持ちで使ったのだ。
アウルベアという魔物はここらでは強い部類に入る。
アウルベアの硬い毛皮や筋肉を真っ二つにするには上級魔法以上の魔法でないと厳しいだろう。
「……まさかな」
俺は一連の出来事から一つの仮説を思いついた。
索敵魔法を使うと、予想以上の索敵範囲。
初級魔法のウィンドカッターを唱えると上級魔法並の威力。
これらから考えられる仮説は、魔法を詠唱した際に身体が魔術回路を増幅させ、高い効果を発揮させているのではないだろうか。
中級魔法を唱えると最上級魔法並の威力で上級魔法を唱えると精霊級魔法並の威力だろうな。
もしそうならば、俺は威力の弱い魔法を使えないということになってしまう。
一応、他の属性も試してみるか。
他の属性である、火、水、光、闇属性を試してみたが、結果はどう頑張ってもウルフの死体が無惨な姿になるだけだった。
「これは攻撃魔法を使うのは禁止だな」
初級魔法、中級魔法が使えないのは魔法使いとして欠陥であると言わざるを得ない。
魔法の力は絶大だが、力加減が出来ないと身を滅ぼす事に繋がる。
「剣の特訓でもしないとな……」
明日から一人で剣の特訓でもしよう。
前世では、剣の達人である勇者や剣聖とかと知り合いだったし、見様見真似の我流で何とかなるだろう。
「あっ、やべ。アウルベアの死体そのままにしてた」
アウルベアの存在を思い出し、俺は死体の場所に戻る。
「それにしてもやっぱでかいな。身長が小さいから余計にでかく感じる」
これの処理どうしようかな。
村に持って行ったら、大騒ぎになるのは目に見えているし、かと言って埋めるのは勿体ない。
アウルベアの毛皮や爪は結構な値段になるはずだ。
アウルベアの死体を埋めるという選択は金を捨てるのと同じである。
そこで、空間魔法のアイテムボックスを使うことにした。
アイテムボックス。
心の中で詠唱すると、空間の裂け目が現れた。
どうやら生まれ変わっても知識さえあれば、無詠唱で魔法を使う事も出来るみたいだな。
アウルベアの素材を剥ぎ取るための道具も無ければ、高精度な魔法を使う事も叶わないので死体をそのままアイテムボックスの中に放り込む。
小さい身体で筋肉も無いため、一苦労だった。
「よし、帰るか」
やりたい事も済んだし、そろそろ昼食の時間なので、我が家に帰ることにした。
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