なんか伝説の剣の付喪神になっていたので勇者と供に魔王倒します

コモレビ

4 神の本性

アマテラス視点 





私は天界で書類処理に追われていた。 
神様といえど忙しい。神様ならば忙しい。
最高神ならば尚更だ。数多ある世界の問題全てを天界では処理している。慈愛に満ちた表情で人や魔物を見守るだけが神様の仕事では無い。寧ろ、問題の処理が神様の本職と言っても差し支え無いだろう。 
まあ、この仕事があるからこそ、私は神として成果を上げこの最高神という地位に君臨することができたのだが。 


だが、最近は一層増して忙しい。 
インカウントロという世界では現在、魔族と人族が敵対し合い戦争の渦中にある。 
それに次いで転生者の登場。 
こちらの転生者については、事前に一切天界の方には情報が無く、しかも付喪神と来たもんだ。私は彼、ソードのサポートや転生してしまった原因の究明。 
そして戦争での被害の減少までに手を回さなければならない。 



とまあ、これらが私が激務に追われている理由ワケだ。 


「それにしても、彼との念通話、あんな形で一方的に切ってしまって良かったのですか?もっと事細かに説明した方がいいのでは?この世界の現状について等を。」 

右前で共にデスクワークに勤しんでいた上位神、アメノウズメが問うて来る。彼女は私の側近的な立場で、一緒に行動する事が多い。いや、側近というより、秘書と言うべきか。 


「仕方無いじゃないか、ウズメ。勇者があの剣に接触するとの情報が入ったんだ。邪魔をする訳にはいかない。あと、戦争の事は彼はまだ深く知るべきでは無いと思うんだ。」 

私の解にいつもの如く彼女は溜息をつく。 


「いつもホントに何を考えているか分かりませんね。アマテラス様は。それにしてもソードと念通話する時のエセ関西弁、何だったんですか。正直引きました。」 

辛辣だなぁ。 
まあ、その喋り方も理由があっての事だ。その事を彼女に告げると、 
「ホントに何を考えているんでしょうね。何回も言いますけど。」 
と、呆れ半分興味半分で返された。 

よく、何を考えているか分からないと言われる。 
そこまで大層なことを考えている訳では無いのに。もちろん、何も考えていない訳では無いのだが。 


別に今回の件に関しても、大した事は考えていない。 




ただ、勇者と最下位神ソードの宿った伝説の剣にインカウントロを救ってもらおうと、考えているだけだ。 




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