なんか伝説の剣の付喪神になっていたので勇者と供に魔王倒します

コモレビ

3 教えてアマちゃん 弐

《ここは、剣と魔法と出会いの世界。ようこそ!インカウントロへ!!》 


 脳に言葉が響いた。 
頭はいうまでもなく、体、大剣全体が浄化されるような鶴声。最高神のお告げ。 

   

  で、今の誰の声? 
凄い美声だったんだけど。 
美少女萌え声(仮)様とは少し違ったな。 
どちらかと言うと早見〇織とかそっち系の声。透明感やばい。 


《いや、ホント失礼やなアンタ。今のアタシの声や。神様の中で、転生者にこういう事言わなきゃアカンっつー決まり、というか掟があんねん。》 


はあ。そう。 
まあいい。とりあえず根掘り葉掘り俺の現状を聞かせてもらおうか。さっきの美声で! 


《アンタ、声への執着心やばいよね。声ヲタか何かなのん?あ、そうそう。声といえばね、アンタが美少女萌え声とかいってやたら崇めているコ、フレイヤっていう神様や。上位神止まりやけどな。因みに、アタシのダチやでぇ。》 


え!?あの美少女萌え声(仮)さんとお友達でいらっしゃるんですか!?最高神ってそんなに凄い人なんですか!?間違えた、そんなに凄い神なんですか!? 

《凄いも何も唯一無二の最高神だからフレイヤの上司に当たるんやけど。》とかブツブツ脳に語りかけてくるけど気にしない。 


 すげぇなー。ちょっと見直したかも。 
とりあえず彼女の連絡先教えて! 


《教えるも何も、神ネで繋がっとるやんかぁ。あ、そっか。そこんとこから教えなきゃアカンのかい。えーっとな、「神様ネットワーク」、通称神ネというのはやね、、、》 








疲れた。 
そして、長かった。話の途中で、スキル「思考 Lv.1」と、「耐久 Lv.1」が手に入ってどちらもレベルが5くらいになるくらいには長かったわ。やたらどうでもいい内容を喋ってくるのと、エセ関西弁とのダブルパンチでウザさのカーニバルファンタズムだった。そして、いきなり向こうから念通話を切られた。大丈夫かねぇ。 
  
とりあえずは一通り現状を教えて貰ったから、簡潔に整理しておこう。 
  まず、この世界の事。 
ここ、インカウントロではスキルやステータス、称号がある。よくWeb小説にあるやつですね、はい。 

念の為説明しておくと、ステータスは攻撃力、防御力、素早さ、HPが主にある。魔法を獲得すると、マジックポイント通称MPがステータスに追加されるらしい。因みに、HPが0になると人は死ぬ。武器などの物体は壊れるらしい。 
じゃあ、壊れたら俺の自我というか、意識というか、魂はどうなるの?とアマちゃんに聞いたら、そんなん知らんわ。と、軽くあしらわれた。流石アマちゃん。適当だぜ。 
  
スキルはある条件で一定の熟練度を稼ぐと獲得できる。例えば、スキル「思考」だと、多くを思考すればこのスキルが手に入るし、レベルもアップする。効果は色々。この「思考」は思考するスピードが少し上がるらしい。Lv. 5ならまだあまり実感はできないだろうってアマちゃんいってた。まあ、後々上がるだろう。他には、ステータスをアップするものや、日常生活の手助けになるもの、魔術や呪術なんてものもスキルに分類されるらしい。 

称号はスキルと違ってレベルはない。さらに、ある一定の条件を満たすだけで獲得が可能だ。こちらも効果は色々。因みに、称号「神の宿りし剣」は、ステータス全体が少量アップする、という効果。称号「付喪神」は神の権利を得る、という効果とアマちゃんに説明された。この効果はスキル「思考 Lv.5」を持ってしても理解し難いのだけれど、神ネに繋げられたりと色々便利な称号なのだろう。 

これらは「鑑定」というスキルで確認することが出来るらしい。そのスキル 
、欲しかったので、アマちゃんに頼んだらすんなりくれた。太っ腹ー。 
後で、自分の事を鑑定してみようと思う。 


 続いて、神の事。 

神ネ、神様ネットワークは、神様全員参加のLINEのグループチャットの念話版みたいなものらしい。そのグループから特定の神に念話発信して個別に会話することも出来るというスグレモノだ。 
神にも序列があり、上から最高神、上位神、中位神、下位神、そして、付喪神が分類される、最下位神という階級的なものがある。でも、頑張り次第ではランクアップが出来るらしい。ランクアップすると色々出来ることが増えるとのこと。なんだそのバイトの昇進制度みたいなやつ。頑張りってどうやって頑張るんだよ。謎。 
   
アマちゃん曰く、最高神はなんでもありらしい。Youも最高神、目指しちゃいなよー。と、誘われたりもした。 
目指そうと思った。 
だって、フレイヤ様の上司とか最高じゃん。目指さない手は無い。頑張り方分かんないけど。 


最後に俺の事。 
これまた最高神様でも分からない事が多いらしく、謎が多い。 
とりあえず分かってることだけ。 

 俺、つまりこの剣は、大昔にこの世界初の鍛治職人によってうたれたものらしい。国宝級のこの剣は、壁とガラスに囲まれ、誰も知らずに、何千万年と封印されていた。そして、長い間丁重に扱われてきたものには神が宿る、というこの世界の掟に則り、新たな人格神格が剣に宿るはずだった。 
だが、何が起きたか、別世界にて墓参り中であった俺の魂だけが急激に吸い上げられ、この世界に転送されて、神格が宿り剣に俺の魂があるという今の状態になったらしい。 

分かってることはこれだけらしい。 
なんでもありの最高神様でも。 

でも、俺が、この剣が壊れないようにって最後にあるスキルをくれた。 
「最高神の加護 Lv.1」 
効果は、スキルの熟練度や称号を大幅に獲得しやすくする、という効果だ。 
アマちゃんはこのスキルをくれる時こう言っていた。 

《アタシが、アンタが元の体に戻る方法を探してやんよ。だから、このスキルを上手く使って。絶対に壊れるんじゃないで。》 

中々乙なことをしてくれる。 
だけど、ここまで協力的だと逆になんか企んでるのではないのかって疑っちゃうけどね。 




こんなところだ。 
アマちゃんは概ねこのような事を説明してくれた。 

それにしても大変なことになったなー、俺。 
色々ありすぎてこんな感想しか出てこないレベルにはパニック。 


ああ、ダメダメ! 
前向きに生きていかなければ! 
とりあえず、「最高神の加護」を貰った事だしジャンジャンスキルを手に入れよう! 

とりあえずは、動けるようになりたいなー。 
んーと、熟練度を上げるには剣全体に力を入れて、、、。 

こうかな? 
おお、いい感じに力を入れられてる気がする。 


って、うわぁぁぁぁああ! 
えっ!びっくりしたー! 
驚きついでに、吊っちゃったし! 
痛い痛い!じたばたじたばた。 
あれ?動けてね? 
いやいや、今はそんな事どうでもいい。 
だって、、 


いきなり目の前に、ダボダボのTシャツのような衣服を着た、金髪美少女ロリっ子が現れるんだもん! 


〈スキル「体動 Lv.1」を獲得しました〉 







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