これが我が一族の能力【鎌倉時代編】

葉月櫂斗

日常生活-6

「おばあちゃん……これは?」
「それは、当主かもしくは当主になれる人物にしか見れないうちの文献だよ」
「おばあちゃん。資格ってどういう意味?」
「水城家の当主の元には、昔から、平清盛が現れるんだよ。恐らく恨まれているからだろう」
「じゃあ、私の元に現れたのは……」
「そう。明里には、その資格があるんだよ……」
「でも……」
「明里!今すぐに決めることはないよ」
「違うよ。私が当主になれば……」



私の両親は、水城家を一度は捨てた。
しかし私が、陰陽師になるならばという条件付きで許してもらえた。
私が何を言いたいのかを察したおばあちゃんは言う。




「他の人間の言うこと気にするんじゃないよ」
「おばあちゃん……」
「お前の両親が水城家を捨てたのが私にはわからなくもないんだよ。だから、自分の親を恨むのはお止め。いいね?」
「私はそれには父さんたちの考えがあるんだし気にしてないよ。ただ、仕事が忙しいわりには不倫相手と会う時間はあるんだねーくらいにあきれてるだけ」


ホント、父さんたちはよくやるよね。

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