これが我が一族の能力【鎌倉時代編】

葉月櫂斗

日常生活-1

「母さん!」



庭に1人の女性が産まれて半年くらいたったであろう赤ちゃんを抱いて現れた。



明音あかね!?」
「母さん!この子をお願い!この子をこちらで育てて!」




赤ちゃんを抱いている女性は水城明音みずきあかね
そして、もう1人の女性は水城みずきスミレ。



明音あかね!今までどこに……」
「ごめん……」
明音あかね。この赤ちゃんは?」
「私の子供……」



地響きがする。



「この能力は……」
「そう言うことだよ」



そして、明音あかねはスミレに赤ちゃんを渡す。



「母さん。私、母さんの子供で幸せだったよ」
明音あかねっ!」



すると、赤ちゃんが泣き出す。



「あー、よしよし」
「この子は明里あかり。あとはお願いね!贅沢な暮らしとは言わない。この子が幸せになれるように幸せと思えるようにしてあげて……」



そう言うと再び地響きがすると、1通の手紙を残して明音あかねは消えた。



『母さんへ。
この子は明里あかりといって私の娘です。
私が消えたあの時。
わたしは幕末の時代の薩摩さつまの屋敷へ飛ばされました。
色々あって私は大久保利通おおくぼとしみちさんと結婚しました。
大久保利通さんとはあの大久保利通さんです。
明里あかりは私の陰陽師の能力ちからを受け継いでいます。
本当はそばで育てたいけど権力争いに巻き込みたくないから。
明里あかりをお願い。
それと母さんは厳しかったけど、私は母さんが嫌いじゃなかったよ。
たくましくて大好きなお母さんだったよ』



明音あかねからの手紙を読み終えるとスミレからは涙が溢れていた。


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