これが我が一族の能力【鎌倉時代編】

葉月櫂斗

プロローグ-4

旅行の前日。
婚約指輪がなんとか間に合った。
俺は明日。
キミに結婚を申し入れるつもりです。




そして、次の日。




「慶士!」
「明里。待ちましたか?」
「全然!」
「じゃあ、いきましょうか?」
「うん!」



キミの手を繋ぐとかなり冷えていた。





「全く。こんなに冷たいのに」
「私が楽しみで早く来ちゃっただけなの!」



明里、キミはっ。



「えっちょっと!?慶士!ここ、外」
「誰も見てないですから」
「で、でもっ」
「じゃあいきましょうか?」



明里の手を握り、平泉へ。
車で東北街道を経由して向かう。




「うわぁー、綺麗」
「喜んでもらえて嬉しいですよ」
「先に旅館に行きましょうか?」



旅館に荷物を置き、平泉の町を歩いてまわることに。



「明里。寒いですから、きちんと着込まないと」
「大丈夫だよ。それに寒かったら……慶士がぎゅってしてくれるでしょ?」
「明里……」







昔からそうだ。
キミは無意識にこういうことを言ってくる。
それより明里は頷いてくれるだろうか?



明里のために買った指輪。
キミのこれからの時間が俺は全て欲しい。


あの時果たせなかった約束を。
言えなかったセリフを。

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