カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
協力者と暗殺者
「ほら、ここに逃げ道を作ってあるの、」
通気口が壊されている。この人が壊したのか、ここを通るのだろうか?
「ほら、入って?」
入って大丈夫なのか……? この人が私を閉じ込めたんだぞ? 信用していいのか……?
「大丈夫ですよ、」
「ひゃあっ!? 何っ!?」
「し~……大きな声を出しちゃダメ、」
「す、すみません……」
耳元で急に誰かの声がした。近くにはこの仮面の人物以外は見当たらない……
「どうかしたの……?」
「い、いえ、なんでもないです……」
急に聞こえ出した謎の声は、次のように続けた
「ぼくはポンちゃんです、今透明になった状態でKUMIさんの肩に乗っています。もしあの仮面の女が危害を加えるような行動をしたら、ぼくが化かしてあげますから、その隙に逃げてください」
ちょっと怖いけど、ポンちゃんが助けてくれると言うのなら、やつのことを信じてみてもいいかもしれない。
「それと、KUMIさんのペットのぼたんさんも一緒に着いてきてくれたので、ポケットに忍ばせておきました。」
じゃあ、戦闘の時はぼたんを頼ればいいか、これだけ準備をしておけば大丈夫だろう、
「名前も知らない私を怪しむのはわかるけど、これしか方法が無いの、分かってくれる?」
「……はい、」
私は意を決して、その仮面の案内人に案内されるまま、先へと進んだ……
通気口を通り、ダクトの奥へと進んでいく、
「ク……KUMIさん、」
「……なんですか?」
一瞬、案内人の声がどもったような気がしたが、特に気には留めなかった。
「ここから先、見張りが多いから気をつけて、音を立てるとバレる、」
「わかりました、」
静かに足音を消しながら進むと、下の部屋から話し声が聞こえてきた。
「冥行会ってそんなにいいとこなのか?」
「いい所ですよ? 是非、あなたにも入信して頂きたい、」
なんか、勧誘されているみたいだ……
「HIGAN様の部隊に入れること、私はとても羨ましく思います。あの方は死を操れるお方、我々の目指す場所に既にご到達なされた、」
「やめてくれよ、うちの隊長アンタらのことあんまりよく思ってないみたいだし、ワンチャン消されるかもよ? 部隊の中に冥行会がいたら、」
「でも、我らがAsBem様の部隊に入れば、たとえHIGAN様に殺されてしまったとしても、冥行会として冥府に尽くすことが出来るのですよ?」
「俺から言わせりゃ、どっちに転んでも貧乏くじだよ」
全くだな、私が黒ギルドだったとしてもどっちの部隊にも入りたくないや、
さて、先に進むとまた別の部屋の床下に来たようだ、ここでも兵士たちがだべっている。
「そういえば、今第3部隊ってどうなってるんだ?」
「内部分裂を起こしているようです。しばらくはメリア様個人での任務となるでしょう。」
「命令無視に拍車がかかりそうだな、」
だろうな、より一層私たちに関わってきそうだ。
「本当に困ったお方です。私たちはボスのことを世界で2番目に信頼しているというのに……」
「どうせ、1番はリンカーなんだろう?」
「……様をつけてください」
「ハイハイ、リンカー様ね、」
めんどくさいやつだな……どうやらここら辺のエリアは兵士たちの休憩室らしい。
次の部屋でも兵士たちの談笑が聞こえた。今度は女性同士の会話だろうか、
「はぁあ、あたしもう死ぬわ、」
「どうしたのよ、そんなに落ち込んじゃって、」
「だってさ、冥行会の聖典にね、『死銘の義以外で殺しを行った場合、その魂は原則として、殺人者が冥府まで送る』って書いてあんのよ、」
そんなルールがあったのか……
「それがどうかしたの?」
「それってさ、自分も死ねって言ってるのと同じわけよ、」
「まさか、あんた……殺したの?」
「猫を1匹、馬で引いちゃって……」
「いや、猫かよ……『殺人者』って書いてあんだから、猫殺しても殺人者にならないし、大丈夫でしょ、」
「そうかなぁ、AsBem様に聞いてみる?」
「迷惑そうな顔されるだけだよ、」
うん、分かるよ、他の動物だったら、車に轢かれた死体を見ても『うわっ!?』て思う程度で済むけど、猫だとめちゃくちゃ可哀想に思えるもん、
「ていうか、あんたらの部隊が殺しの任務をしないのはその聖典のせいなのね、」
「でもそのおかげでうちらは無駄な仲間割れとかしないからめちゃくちゃ平和だよ?」
「そっちの部隊、裏切りとかなさそうでいいなぁ……」
多分誰かに裏切られたんだな、この人、
「そういえば裏切りで思い出したんだけどさぁ、あんた第1部隊の噂って知ってる?」
「……? なにそれ、」
この会話、聞いとくべきじゃないか? 敵の情報収集はとても重要な事だ、
私は仮面の案内人に『ちょっと止まって、』と合図を送り、上の会話に聞き耳を立ててみた、
「うちのギルドの第1部隊って、結成以来、誰も裏切ったり、死人が出たりしてないんだって、」
「えっ!? それマジ?」
「マジだよ、本当にそんな記録があるの、だから、第1部隊のメンバーって不死身の怪物に改造されてるんじゃないかって噂があるの、」
「うっそだ~!! 不死身なんてある訳ないよ~!!」
「そうだよね!! うちの教団ですら、そこまで行ってないんだし、ただの噂に決まってるよね!!」
気になるな、どういうからくりなんだろう……?おそらく、第1部隊の部隊長の能力が関わってるんだろうけど……ヒール系か、ステータス上昇か、それとも本当に改造されてたりして……
通気口が壊されている。この人が壊したのか、ここを通るのだろうか?
「ほら、入って?」
入って大丈夫なのか……? この人が私を閉じ込めたんだぞ? 信用していいのか……?
「大丈夫ですよ、」
「ひゃあっ!? 何っ!?」
「し~……大きな声を出しちゃダメ、」
「す、すみません……」
耳元で急に誰かの声がした。近くにはこの仮面の人物以外は見当たらない……
「どうかしたの……?」
「い、いえ、なんでもないです……」
急に聞こえ出した謎の声は、次のように続けた
「ぼくはポンちゃんです、今透明になった状態でKUMIさんの肩に乗っています。もしあの仮面の女が危害を加えるような行動をしたら、ぼくが化かしてあげますから、その隙に逃げてください」
ちょっと怖いけど、ポンちゃんが助けてくれると言うのなら、やつのことを信じてみてもいいかもしれない。
「それと、KUMIさんのペットのぼたんさんも一緒に着いてきてくれたので、ポケットに忍ばせておきました。」
じゃあ、戦闘の時はぼたんを頼ればいいか、これだけ準備をしておけば大丈夫だろう、
「名前も知らない私を怪しむのはわかるけど、これしか方法が無いの、分かってくれる?」
「……はい、」
私は意を決して、その仮面の案内人に案内されるまま、先へと進んだ……
通気口を通り、ダクトの奥へと進んでいく、
「ク……KUMIさん、」
「……なんですか?」
一瞬、案内人の声がどもったような気がしたが、特に気には留めなかった。
「ここから先、見張りが多いから気をつけて、音を立てるとバレる、」
「わかりました、」
静かに足音を消しながら進むと、下の部屋から話し声が聞こえてきた。
「冥行会ってそんなにいいとこなのか?」
「いい所ですよ? 是非、あなたにも入信して頂きたい、」
なんか、勧誘されているみたいだ……
「HIGAN様の部隊に入れること、私はとても羨ましく思います。あの方は死を操れるお方、我々の目指す場所に既にご到達なされた、」
「やめてくれよ、うちの隊長アンタらのことあんまりよく思ってないみたいだし、ワンチャン消されるかもよ? 部隊の中に冥行会がいたら、」
「でも、我らがAsBem様の部隊に入れば、たとえHIGAN様に殺されてしまったとしても、冥行会として冥府に尽くすことが出来るのですよ?」
「俺から言わせりゃ、どっちに転んでも貧乏くじだよ」
全くだな、私が黒ギルドだったとしてもどっちの部隊にも入りたくないや、
さて、先に進むとまた別の部屋の床下に来たようだ、ここでも兵士たちがだべっている。
「そういえば、今第3部隊ってどうなってるんだ?」
「内部分裂を起こしているようです。しばらくはメリア様個人での任務となるでしょう。」
「命令無視に拍車がかかりそうだな、」
だろうな、より一層私たちに関わってきそうだ。
「本当に困ったお方です。私たちはボスのことを世界で2番目に信頼しているというのに……」
「どうせ、1番はリンカーなんだろう?」
「……様をつけてください」
「ハイハイ、リンカー様ね、」
めんどくさいやつだな……どうやらここら辺のエリアは兵士たちの休憩室らしい。
次の部屋でも兵士たちの談笑が聞こえた。今度は女性同士の会話だろうか、
「はぁあ、あたしもう死ぬわ、」
「どうしたのよ、そんなに落ち込んじゃって、」
「だってさ、冥行会の聖典にね、『死銘の義以外で殺しを行った場合、その魂は原則として、殺人者が冥府まで送る』って書いてあんのよ、」
そんなルールがあったのか……
「それがどうかしたの?」
「それってさ、自分も死ねって言ってるのと同じわけよ、」
「まさか、あんた……殺したの?」
「猫を1匹、馬で引いちゃって……」
「いや、猫かよ……『殺人者』って書いてあんだから、猫殺しても殺人者にならないし、大丈夫でしょ、」
「そうかなぁ、AsBem様に聞いてみる?」
「迷惑そうな顔されるだけだよ、」
うん、分かるよ、他の動物だったら、車に轢かれた死体を見ても『うわっ!?』て思う程度で済むけど、猫だとめちゃくちゃ可哀想に思えるもん、
「ていうか、あんたらの部隊が殺しの任務をしないのはその聖典のせいなのね、」
「でもそのおかげでうちらは無駄な仲間割れとかしないからめちゃくちゃ平和だよ?」
「そっちの部隊、裏切りとかなさそうでいいなぁ……」
多分誰かに裏切られたんだな、この人、
「そういえば裏切りで思い出したんだけどさぁ、あんた第1部隊の噂って知ってる?」
「……? なにそれ、」
この会話、聞いとくべきじゃないか? 敵の情報収集はとても重要な事だ、
私は仮面の案内人に『ちょっと止まって、』と合図を送り、上の会話に聞き耳を立ててみた、
「うちのギルドの第1部隊って、結成以来、誰も裏切ったり、死人が出たりしてないんだって、」
「えっ!? それマジ?」
「マジだよ、本当にそんな記録があるの、だから、第1部隊のメンバーって不死身の怪物に改造されてるんじゃないかって噂があるの、」
「うっそだ~!! 不死身なんてある訳ないよ~!!」
「そうだよね!! うちの教団ですら、そこまで行ってないんだし、ただの噂に決まってるよね!!」
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