カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
突破の方法
ふわふわと浮く氷の足場、目の前にはマグマ、相当危険な仕掛けだ、氷はよく滑る、慎重に進まなければマグマに落ちてしまう。
「困ったね、フェニックスたちを呼ぼうにも、氷が邪魔で飛べないだろうし、」
どうする? NARIELさんが1番危険だ、目が見えないのに、不規則に浮び上がる足場をどうやって渡ればいいのだろうか……
「下からの風、氷を浮かしている風ですわよね?」
「そういうことになるな、」
「ならわたくし、多分独りで行けますわ、この風の音が少し遠くなった時にジャンプすればいいですもの、」
そう言ってNARIELさんは氷の前に立った、
「お、おい! 危ないぞ!」
「危ないのは百も承知ですわ!!」
NARIELさんはそのままジャンプし、氷の上で着地した、
「ほら、行けましたわよ!」
「す、すげぇな……」
危なくなったら、クローショットで引き寄せよう、いつでも出せるように準備しておかないと……
結局クローショットの出番は無かった、
音を聞くだけで動く足場を突破するなんて、本当に耳がいいんだな、NARIELさんは、
「で、お前はいつまでそれにへばりついている気だ?」
「だって冷たくて気持ちいいんだもん……」
ひんやりとした氷の足場に、しがみついていたアミカさんをひっぺがし、先へと進むと、やはりそこには氷があった。
「これは……階段?」
氷でできた透明の階段、どうやらずっと上まで続いているらしい、
「上ってみよう、」
かなり急な階段のようだ、どこまで続いているのだろう?
「NARIELさん、段差が結構きついから、気をつけてね、」
「残り何段とか、分かりますの?」
「いや、数え切れない、100段以上はありそうだ、」
手すりですら氷で出来ている。おかげでかなり手が冷たい、外気もだんだん冷えてきた。
「どうやらこの辺りが寒いゾーンと暑いゾーンの境目のようだな、」
「忙しいダンジョンだなぁ、本当に……」
階段の中間あたりまで来た時、ふと上を見上げると、ボス部屋の扉が見えた、
「みんな! あと少しだ、この階段を上ったらボス部屋に着く、」
「よっしゃ!それ聞いてやる気出てきた!」
「みんなでここを乗り越えましょう!!」
ボスはおそらく、炎属性と氷属性の攻撃を使い分けてくるタイプだろう、どうやって戦おうか? 今のうちに対策を考えておかないとな……
そろそろTellさんはボス部屋に着いた頃だろうか?あっち側の様子が分からないから、少し心配だな……NARIELさんもポンちゃん無しで大丈夫かな……?
「KUMIさん、痛み止め、薬が切れたら飲んでね、」
「ありがとうございます。RAYさん、」
「今あるやつはこれと、明日の分だけで最後だ、でも、明日の朝には、alphaたちが薬を持ってきてくれる手筈になってるから安心してくれ、」
「分かりました。」
「不安か? Tellが居なくて……」
「きっと大丈夫です。Tellさんは強い人だから……」
私はまるで自分にも言い聞かせるようにそう言った。
「なぁ、KUMIさんはさ、Tellと一緒に旅行してて、不安になったりしないの?」
「不安……ですか?」
「『本当は死にたくない』とか、思ってない?」
その質問に私は一瞬で思考が凍りついた。見ないふりをしていた今の自分の気持ちを、言い当てられてしまったからだ。
「KUMIさん、1つだけ覚えておいて欲しいことがある。『君にはいつでも選択肢がある』。」
「……選択肢?」
「ああ、確かにあの時の君にとっては、Tellと一緒に死ぬ事が君の目的だったかもしれない、でも、『あの時』したかったことと、『今』したいことが同じじゃないなら、無理に続ける必要は無いんじゃないかな?」
「で、でも! それじゃあ……」
「それじゃあ……なに?」
私は一瞬考えた。もし今ここで、Tellさんとの旅を辞めたら、自分はどこに行くのか……答えは思いつかない……それなら私はTellさんと一緒がいい、
「Tellさんと一緒に居られなくなる……それは嫌だ……」
「…………そうか、」
RAYさんは深いため息をついた、
「分かった、でももし気が変わったら、いつでも逃げていいからな、仲間が欲しかったら、ボクのところに来い、街で静かに暮らす手もある、」
「はい、覚えておきます。」
「……それにしても、羨ましいな、君は、『誰かのために死にたい』って思えたら、どれだけ幸せなことか……」
RAYさんはそう言って去っていってしまった。
「困ったね、フェニックスたちを呼ぼうにも、氷が邪魔で飛べないだろうし、」
どうする? NARIELさんが1番危険だ、目が見えないのに、不規則に浮び上がる足場をどうやって渡ればいいのだろうか……
「下からの風、氷を浮かしている風ですわよね?」
「そういうことになるな、」
「ならわたくし、多分独りで行けますわ、この風の音が少し遠くなった時にジャンプすればいいですもの、」
そう言ってNARIELさんは氷の前に立った、
「お、おい! 危ないぞ!」
「危ないのは百も承知ですわ!!」
NARIELさんはそのままジャンプし、氷の上で着地した、
「ほら、行けましたわよ!」
「す、すげぇな……」
危なくなったら、クローショットで引き寄せよう、いつでも出せるように準備しておかないと……
結局クローショットの出番は無かった、
音を聞くだけで動く足場を突破するなんて、本当に耳がいいんだな、NARIELさんは、
「で、お前はいつまでそれにへばりついている気だ?」
「だって冷たくて気持ちいいんだもん……」
ひんやりとした氷の足場に、しがみついていたアミカさんをひっぺがし、先へと進むと、やはりそこには氷があった。
「これは……階段?」
氷でできた透明の階段、どうやらずっと上まで続いているらしい、
「上ってみよう、」
かなり急な階段のようだ、どこまで続いているのだろう?
「NARIELさん、段差が結構きついから、気をつけてね、」
「残り何段とか、分かりますの?」
「いや、数え切れない、100段以上はありそうだ、」
手すりですら氷で出来ている。おかげでかなり手が冷たい、外気もだんだん冷えてきた。
「どうやらこの辺りが寒いゾーンと暑いゾーンの境目のようだな、」
「忙しいダンジョンだなぁ、本当に……」
階段の中間あたりまで来た時、ふと上を見上げると、ボス部屋の扉が見えた、
「みんな! あと少しだ、この階段を上ったらボス部屋に着く、」
「よっしゃ!それ聞いてやる気出てきた!」
「みんなでここを乗り越えましょう!!」
ボスはおそらく、炎属性と氷属性の攻撃を使い分けてくるタイプだろう、どうやって戦おうか? 今のうちに対策を考えておかないとな……
そろそろTellさんはボス部屋に着いた頃だろうか?あっち側の様子が分からないから、少し心配だな……NARIELさんもポンちゃん無しで大丈夫かな……?
「KUMIさん、痛み止め、薬が切れたら飲んでね、」
「ありがとうございます。RAYさん、」
「今あるやつはこれと、明日の分だけで最後だ、でも、明日の朝には、alphaたちが薬を持ってきてくれる手筈になってるから安心してくれ、」
「分かりました。」
「不安か? Tellが居なくて……」
「きっと大丈夫です。Tellさんは強い人だから……」
私はまるで自分にも言い聞かせるようにそう言った。
「なぁ、KUMIさんはさ、Tellと一緒に旅行してて、不安になったりしないの?」
「不安……ですか?」
「『本当は死にたくない』とか、思ってない?」
その質問に私は一瞬で思考が凍りついた。見ないふりをしていた今の自分の気持ちを、言い当てられてしまったからだ。
「KUMIさん、1つだけ覚えておいて欲しいことがある。『君にはいつでも選択肢がある』。」
「……選択肢?」
「ああ、確かにあの時の君にとっては、Tellと一緒に死ぬ事が君の目的だったかもしれない、でも、『あの時』したかったことと、『今』したいことが同じじゃないなら、無理に続ける必要は無いんじゃないかな?」
「で、でも! それじゃあ……」
「それじゃあ……なに?」
私は一瞬考えた。もし今ここで、Tellさんとの旅を辞めたら、自分はどこに行くのか……答えは思いつかない……それなら私はTellさんと一緒がいい、
「Tellさんと一緒に居られなくなる……それは嫌だ……」
「…………そうか、」
RAYさんは深いため息をついた、
「分かった、でももし気が変わったら、いつでも逃げていいからな、仲間が欲しかったら、ボクのところに来い、街で静かに暮らす手もある、」
「はい、覚えておきます。」
「……それにしても、羨ましいな、君は、『誰かのために死にたい』って思えたら、どれだけ幸せなことか……」
RAYさんはそう言って去っていってしまった。
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