カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
睨み合いの時
エンプラットから北上し、進んでいくと、だんだんと気候が涼しくなっていった。どれぐらい歩いただろうか、かなり気温が下がっている。
「……寒い」
「寒くなってきたね、」
そろそろ用意した防寒着を羽織る頃合だろう。
「この辺りから、少しずつ寒くなってきます。気をつけてくださいね?」
ナヴィエも妖精サイズの防寒着を着ているようだ。妖精も寒いんだな……
そのまましばらく歩いていると、雪が積もっているエリアへと入った。
「ぽよん……ぽよん……」
あれ? スライムだ、スライムは体がほとんど水分で出来ているから、こんな場所にいたら凍ってしまうはずでは? 
「フロストスライムですね、体を小刻みに揺らし、摩擦熱で体温を上昇させることで、極限状態でも凍らずに生活出来ます。」
確かに、少し震えているような……なんか、少しかわいそうだな……
「雪山のモンスターは、気性が荒いです。すぐ、こちらをエサだと思って突進して来ます。気をつけてください。」
確かに、雪山じゃあんまり食べ物が無いからな。まぁだからといって私はエサにはなりたくないけど、
そろそろ山に入る。すっかり葉が落ちてしまった木が何本が見つかるが、大多数はまだ緑を残していた。これが常緑樹と言うやつだろう、松とか杉とかの仲間だ。
「気をつけてくださいね? この辺りからモンスターが徐々に増え始めます。」
確かに、森の中には獣たちが沢山いる。みんな寒そうだ。
「キュ~……」
ぼたんもポケットの中で震えているようだ。
「大丈夫? あっため合いっこしようか、」
私は、少し冷たくなった手をポケットの中に入れた。お互いの体温で、少し暖まった気がする……
「シッ! 2人とも静かに!!」
急にTellさんが小さな声で言い、私たちを木の影に隠れるよう誘導した。
「……クマがいる」
「……えっ!?」
よく目を凝らしてみると、雪に紛れて、大きな白い固まりがのそのそと動いているのがわかった。
「ホワイトグリズリーですね、とんでもなく獰猛です。」
よく見ると小さな小グマもいる、親グマの後をしっかり着いて歩いている。
「グルル……」
「わっ!?」
「シッ! こいつはまずいな……」
後ろを振り返ると、子グマの1匹が思いっきり至近距離に居た。遠くにもう一頭の親グマがおり、こちらもやはり子グマを連れている。
「どっちの群れの子か分かりませんね、」
「そもそも、親グマに見つかった時点でアウトだ、群れに戻すとかそんな悠長なことは言ってる場合じゃない。」
クマの対処法は、前に、聞いた事がある。背を向けると追いかけて来るので、ゆっくり目を合わせながら後ろに下がる。
ゆっくりと後ろに下がっていくが、それに合わせて子グマもこちらに近付いてくる。
「敵として見られてます?」
「いや、まだ探りを入れている段階だろう、この距離で親を呼ばれたら厄介だ、後ろに下がるんだ。」
少しずつ後ろに下がっていくと、子グマも興味が薄れたのか、踵を返して向こうに行った。
「何とかなったな、よし、逃げよう、」
そう言って、走ろうとした時、
「ガーン!!」
「痛っ!!」
「ドサドサドサー!!」
とんでもなく大きな音、ナヴィエが枝にぶつかった衝撃で木に積もっていた雪が一気に降り積もる。
「グアァァァァァ!!」
その音に気づいたクマたちがダッシュでこっちに向かってくる
「うわあぁっ!?」
「ひとまず退散!!」
私たちは猛ダッシュで逃げ出した。
「私を置いて逃げるってどういうことですか!!!」
「えっと、その……それに関してはごめん、でもさ! ナヴィエがあそこで枝にぶつからなかったら、こんなことにはならなかったというか…… 」
「だまらっしゃい!! 私はあんたらのナビゲート役なんですからね!! 生きて町にたどり着きたかったら1番に助けなさいよ!!クマに襲われてたら助ける!! 雪に埋もれてても助ける!! わかりましたね!!!」
「……はい、」
多分2人とも、本当はあんまり腑に落ちてなかったと思う。
「はぁ、はぁ……そろそろ暗くなります。安全な場所を探してテントを張りましょう。」
私たちはいつものようにテントを張り、野宿の出来そうな場所を探した。
「よし、今日はここで寝ましょうか、」
「そうだな。」
寝袋をバッグから取り出し、寝る支度をする。
「ナヴィエは自分の分持ってるの?」
「いえ、私たちは寝なくても大丈夫なんです。外に出て見張りをやっておきますね!」
「ああ、それはありがとう。」
「敵が来たらおふたりに伝えます。」
さて、夜はものすごく冷え込んでいる。幸い寝袋の中は暖かいが、どうしても嫌な想像が働いてしまう。もし、このまま凍えて死んでしまったらどうしようか……
「どうした?」
「いえ、本当に寝て大丈夫なのかなって……」
「大丈夫だよ、明日もあるんだし、ゆっくり休みな?」
「そうですね、大丈夫ですよね……」
大丈夫、私はまだここでは死なない、でもなんだろう? この違和感は……
「……寒い」
「寒くなってきたね、」
そろそろ用意した防寒着を羽織る頃合だろう。
「この辺りから、少しずつ寒くなってきます。気をつけてくださいね?」
ナヴィエも妖精サイズの防寒着を着ているようだ。妖精も寒いんだな……
そのまましばらく歩いていると、雪が積もっているエリアへと入った。
「ぽよん……ぽよん……」
あれ? スライムだ、スライムは体がほとんど水分で出来ているから、こんな場所にいたら凍ってしまうはずでは? 
「フロストスライムですね、体を小刻みに揺らし、摩擦熱で体温を上昇させることで、極限状態でも凍らずに生活出来ます。」
確かに、少し震えているような……なんか、少しかわいそうだな……
「雪山のモンスターは、気性が荒いです。すぐ、こちらをエサだと思って突進して来ます。気をつけてください。」
確かに、雪山じゃあんまり食べ物が無いからな。まぁだからといって私はエサにはなりたくないけど、
そろそろ山に入る。すっかり葉が落ちてしまった木が何本が見つかるが、大多数はまだ緑を残していた。これが常緑樹と言うやつだろう、松とか杉とかの仲間だ。
「気をつけてくださいね? この辺りからモンスターが徐々に増え始めます。」
確かに、森の中には獣たちが沢山いる。みんな寒そうだ。
「キュ~……」
ぼたんもポケットの中で震えているようだ。
「大丈夫? あっため合いっこしようか、」
私は、少し冷たくなった手をポケットの中に入れた。お互いの体温で、少し暖まった気がする……
「シッ! 2人とも静かに!!」
急にTellさんが小さな声で言い、私たちを木の影に隠れるよう誘導した。
「……クマがいる」
「……えっ!?」
よく目を凝らしてみると、雪に紛れて、大きな白い固まりがのそのそと動いているのがわかった。
「ホワイトグリズリーですね、とんでもなく獰猛です。」
よく見ると小さな小グマもいる、親グマの後をしっかり着いて歩いている。
「グルル……」
「わっ!?」
「シッ! こいつはまずいな……」
後ろを振り返ると、子グマの1匹が思いっきり至近距離に居た。遠くにもう一頭の親グマがおり、こちらもやはり子グマを連れている。
「どっちの群れの子か分かりませんね、」
「そもそも、親グマに見つかった時点でアウトだ、群れに戻すとかそんな悠長なことは言ってる場合じゃない。」
クマの対処法は、前に、聞いた事がある。背を向けると追いかけて来るので、ゆっくり目を合わせながら後ろに下がる。
ゆっくりと後ろに下がっていくが、それに合わせて子グマもこちらに近付いてくる。
「敵として見られてます?」
「いや、まだ探りを入れている段階だろう、この距離で親を呼ばれたら厄介だ、後ろに下がるんだ。」
少しずつ後ろに下がっていくと、子グマも興味が薄れたのか、踵を返して向こうに行った。
「何とかなったな、よし、逃げよう、」
そう言って、走ろうとした時、
「ガーン!!」
「痛っ!!」
「ドサドサドサー!!」
とんでもなく大きな音、ナヴィエが枝にぶつかった衝撃で木に積もっていた雪が一気に降り積もる。
「グアァァァァァ!!」
その音に気づいたクマたちがダッシュでこっちに向かってくる
「うわあぁっ!?」
「ひとまず退散!!」
私たちは猛ダッシュで逃げ出した。
「私を置いて逃げるってどういうことですか!!!」
「えっと、その……それに関してはごめん、でもさ! ナヴィエがあそこで枝にぶつからなかったら、こんなことにはならなかったというか…… 」
「だまらっしゃい!! 私はあんたらのナビゲート役なんですからね!! 生きて町にたどり着きたかったら1番に助けなさいよ!!クマに襲われてたら助ける!! 雪に埋もれてても助ける!! わかりましたね!!!」
「……はい、」
多分2人とも、本当はあんまり腑に落ちてなかったと思う。
「はぁ、はぁ……そろそろ暗くなります。安全な場所を探してテントを張りましょう。」
私たちはいつものようにテントを張り、野宿の出来そうな場所を探した。
「よし、今日はここで寝ましょうか、」
「そうだな。」
寝袋をバッグから取り出し、寝る支度をする。
「ナヴィエは自分の分持ってるの?」
「いえ、私たちは寝なくても大丈夫なんです。外に出て見張りをやっておきますね!」
「ああ、それはありがとう。」
「敵が来たらおふたりに伝えます。」
さて、夜はものすごく冷え込んでいる。幸い寝袋の中は暖かいが、どうしても嫌な想像が働いてしまう。もし、このまま凍えて死んでしまったらどうしようか……
「どうした?」
「いえ、本当に寝て大丈夫なのかなって……」
「大丈夫だよ、明日もあるんだし、ゆっくり休みな?」
「そうですね、大丈夫ですよね……」
大丈夫、私はまだここでは死なない、でもなんだろう? この違和感は……
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