カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
ついに帰還
「良かった!! みんな無事か!?」
RUSHさんの工房に帰ると、RUSHさんは私たちを出迎えてくれた。
「Tell、その怪我は?」
「ああ、ちょっと無理をしてしまってな、」
「かなり、ダメージが激しいな、しばらくベッドで安静にしていた方がいい、」
RUSHさんは、Tellさんに肩を貸し、部屋まで運ぼうとした。
「あっ、手伝います!」
2人がかりでベッドまで運び込んだ。
「なぁ、ところで、なんであんな事頼んだんだ? 」
あんなこと? ああ、あの武器を送るメールの事か、
「ああ、ダンジョン内でちょっとしたスキルを手に入れたんだよ、『クイックイクイップ』って言って、ストレージの中の武器と装備を入れ替えることが出来るんだ。」
今回のこの事件、Tellさんがこのスキルを引き当ててなきゃ、解決出来なかったし、RUSHさんがいなくても、解決できなかったな。
「ともかくまぁ、無事でよかったよ、あれ? ライム、なんか、また地味に小さくなってないか?」
後ろから着いてきていたライムさんを見てRUSHさんが言う、
「実は、体を自切しまして……」
「しょうがねぇな、待ってろ、水汲んでくっから、」
そのせいで、私とルシルさんがとんでもない被害にあったことは内緒にしておこう、
Tellさんはよほど疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。ライムさんもバケツに汲まれた水で、元の大きさに復活したみたいだ。
「お前たちは寝ないのか?」
「えっと、そうですね……」
そう聞かれてすぐに、私にも睡魔が襲ってきた。でも、Tellさんがあんな状態だ。眠る訳にも行かないだろう。
「Tellは、私が看ておく、KUMIも部屋に戻れ、」
「でも、そうしたらルシルさんが……」
「任せておけ、徹夜は慣れてる、RUSH、お前も朝が早いのだろう? 睡眠不足はいい仕事の敵だと昔から言うじゃあないか、」
「そうだな、すまないが、甘えさせてもらうよ、おやすみ、」
「おやすみ」
RUSHさんが自室に戻った。
ルシルさんはバッグの中から、パソコンを取り出した。ルシルさんの仕事場で見たものとは違う、持ち運び易いタイプの端末だ。
「それは?」
「移動用端末だ。調査が長引く時はこれで仕事依頼をチェックする。」
本当に仕事漬けだな、ルシルさん、
「とりあえず今日はもう休め、」
「では、お願いします……」
仕方ない、私も甘えさせてもらおう。
ゆっくりと休めた。ふと、私の毛布の上に、紙が置かれていることに気がついた。
「ん?……なんだろうこれ……」
霞む目を擦りながら読んでみる。
『大切な話がある。起きたらTellの部屋に集まってくれ、』
Tellさんの部屋に……? まさか、Tellさんに何かあったんじゃ!?
心配になりながら、急いでTellさんの部屋に入った。
「全員揃ったな、」
私が部屋に入ると、そこにはもうみんな揃っていた。時刻は9時30分、少し寝すぎたようだ。
「すいません、遅れてしまって、」
「別にいい、急いだところでどうにかなる問題では無いからな」
急いだところで……?
「何か、Tellさんの怪我に問題が?」
「いや、俺の怪我は大丈夫だ。」
Tellさんが割って入る。Tellさんはベッドの上からゆっくりと立ち上がった。最初よりだいぶ回復しているように見受けられた。
「このとおり、順調に回復している。それより問題なのは、俺の使用したクイックイクイップというスキルについてだ。」
「武器が入れ替わったあとも、入れ替える前の武器を装備している判定になる。」
ああ、あのバグ技か、
「今朝の3時半ごろだ。一通のメールが届いた。」
「メールですか? 」
「確認してみな?」
メールボックスを確認してみると、メールアド
レスの部分が空欄になったメールが届いていた。
『アップデートのお知らせです。』
とある。
「このタイミングでのアップデート、必然的に、Tellの使用したあのバグ技は、修正されてしまうだろう。」
パーセク、1回しか使えなかったな
「しかし、ここまでの大型アップデートは、過去の記録を見ても類を見ないものだった。運営側がいかに焦っていたかがわかるな、」
「つまり、この裂星剣パーセクの使用は、運営にとって全く予想外であったわけだ。」
Tellさんは少し誇らしげに見える。運営の鼻を明かしてやったとでも思っているのだろうか……
「そんな訳だ、これから先、Tellが運営に狙われる可能性もあるかもしれない。」
「ね、狙われるって……!?」
「運営に、或いは黒ギルドにかもしれないな」
大変なことになったな……
「メールには、バグ修正について、特に言及はなかった。ということは、バグ技をTellが生み出したことについては、情報は他のプレイヤーに漏れていないと考える。」
「なるほど……」
「よって、今回の件、他のプレイヤーには完全に黙秘することを約束してもらいたい、これは、Tellの怪我が完治するまでの期間だけでいい。」
確かに、Tellさんにはクイックイクイップという最強スキルがあるんだし、怪我さえ治ればなんとでも出来そうだな。
「以上だ、みんな、同意してくれるな?」
誰も反対するものはいなかった。
RUSHさんの工房に帰ると、RUSHさんは私たちを出迎えてくれた。
「Tell、その怪我は?」
「ああ、ちょっと無理をしてしまってな、」
「かなり、ダメージが激しいな、しばらくベッドで安静にしていた方がいい、」
RUSHさんは、Tellさんに肩を貸し、部屋まで運ぼうとした。
「あっ、手伝います!」
2人がかりでベッドまで運び込んだ。
「なぁ、ところで、なんであんな事頼んだんだ? 」
あんなこと? ああ、あの武器を送るメールの事か、
「ああ、ダンジョン内でちょっとしたスキルを手に入れたんだよ、『クイックイクイップ』って言って、ストレージの中の武器と装備を入れ替えることが出来るんだ。」
今回のこの事件、Tellさんがこのスキルを引き当ててなきゃ、解決出来なかったし、RUSHさんがいなくても、解決できなかったな。
「ともかくまぁ、無事でよかったよ、あれ? ライム、なんか、また地味に小さくなってないか?」
後ろから着いてきていたライムさんを見てRUSHさんが言う、
「実は、体を自切しまして……」
「しょうがねぇな、待ってろ、水汲んでくっから、」
そのせいで、私とルシルさんがとんでもない被害にあったことは内緒にしておこう、
Tellさんはよほど疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。ライムさんもバケツに汲まれた水で、元の大きさに復活したみたいだ。
「お前たちは寝ないのか?」
「えっと、そうですね……」
そう聞かれてすぐに、私にも睡魔が襲ってきた。でも、Tellさんがあんな状態だ。眠る訳にも行かないだろう。
「Tellは、私が看ておく、KUMIも部屋に戻れ、」
「でも、そうしたらルシルさんが……」
「任せておけ、徹夜は慣れてる、RUSH、お前も朝が早いのだろう? 睡眠不足はいい仕事の敵だと昔から言うじゃあないか、」
「そうだな、すまないが、甘えさせてもらうよ、おやすみ、」
「おやすみ」
RUSHさんが自室に戻った。
ルシルさんはバッグの中から、パソコンを取り出した。ルシルさんの仕事場で見たものとは違う、持ち運び易いタイプの端末だ。
「それは?」
「移動用端末だ。調査が長引く時はこれで仕事依頼をチェックする。」
本当に仕事漬けだな、ルシルさん、
「とりあえず今日はもう休め、」
「では、お願いします……」
仕方ない、私も甘えさせてもらおう。
ゆっくりと休めた。ふと、私の毛布の上に、紙が置かれていることに気がついた。
「ん?……なんだろうこれ……」
霞む目を擦りながら読んでみる。
『大切な話がある。起きたらTellの部屋に集まってくれ、』
Tellさんの部屋に……? まさか、Tellさんに何かあったんじゃ!?
心配になりながら、急いでTellさんの部屋に入った。
「全員揃ったな、」
私が部屋に入ると、そこにはもうみんな揃っていた。時刻は9時30分、少し寝すぎたようだ。
「すいません、遅れてしまって、」
「別にいい、急いだところでどうにかなる問題では無いからな」
急いだところで……?
「何か、Tellさんの怪我に問題が?」
「いや、俺の怪我は大丈夫だ。」
Tellさんが割って入る。Tellさんはベッドの上からゆっくりと立ち上がった。最初よりだいぶ回復しているように見受けられた。
「このとおり、順調に回復している。それより問題なのは、俺の使用したクイックイクイップというスキルについてだ。」
「武器が入れ替わったあとも、入れ替える前の武器を装備している判定になる。」
ああ、あのバグ技か、
「今朝の3時半ごろだ。一通のメールが届いた。」
「メールですか? 」
「確認してみな?」
メールボックスを確認してみると、メールアド
レスの部分が空欄になったメールが届いていた。
『アップデートのお知らせです。』
とある。
「このタイミングでのアップデート、必然的に、Tellの使用したあのバグ技は、修正されてしまうだろう。」
パーセク、1回しか使えなかったな
「しかし、ここまでの大型アップデートは、過去の記録を見ても類を見ないものだった。運営側がいかに焦っていたかがわかるな、」
「つまり、この裂星剣パーセクの使用は、運営にとって全く予想外であったわけだ。」
Tellさんは少し誇らしげに見える。運営の鼻を明かしてやったとでも思っているのだろうか……
「そんな訳だ、これから先、Tellが運営に狙われる可能性もあるかもしれない。」
「ね、狙われるって……!?」
「運営に、或いは黒ギルドにかもしれないな」
大変なことになったな……
「メールには、バグ修正について、特に言及はなかった。ということは、バグ技をTellが生み出したことについては、情報は他のプレイヤーに漏れていないと考える。」
「なるほど……」
「よって、今回の件、他のプレイヤーには完全に黙秘することを約束してもらいたい、これは、Tellの怪我が完治するまでの期間だけでいい。」
確かに、Tellさんにはクイックイクイップという最強スキルがあるんだし、怪我さえ治ればなんとでも出来そうだな。
「以上だ、みんな、同意してくれるな?」
誰も反対するものはいなかった。
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