カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
仕掛けられた罠
そこは……赤黒い世界だった。目に映るもの全てが赤く見えた。先程通ってきた血溜まりは、黒いインクのようなものに入れ替わっている。
『紅の今日』
絵が掛けられている。誰もいない部屋に、机と椅子がひとつずつ、自分の部屋を描いた絵なのだろう。しかし、そのどれもが真っ赤に染まっている、とても不気味だ。
「うわぁ……」
気持ち悪すぎる。裏世界にでも来たと言うのだろうか、
「 みなさーん!!」
「うわぁぁぁっ!!?」
いきなり冷たくむにゅっとした物が後ろから抱きついてきた。ライムさんだった。一面の赤色の景色には似つかわしくない綺麗な水色の体が目に優しかった。
「なんだ……ライムさんか……脅かさないで下さいよ、」
「ああっ! 驚かせてすみません! でも怖かったんです~!!」
ライムさんは子供のように泣きじゃくっている。相当怖かったろうに
「さあ、早くここを出ましょう、」
「いや、でも、閉まってるぞ、この牢屋」
「えっ!?」
確認してみると、先程ルシルさんが壊した南京錠と、同じ物が外側についていた。ここからじゃ、壊すどころか、触ることさえできない。
「大丈夫だよ、きっと過去の君たちが鍵を開けてくれるさ、」
ひさしぶりのカルキノスの声、それってどういう意味だ? 過去の自分たちって……
「……バキッ!!……コロンコロンカラン……」
ひとりでに壊れた…………
「……何が起こったかは分からないが、とりあえず、先を急ごうか、」
「そ、そうですね……」
牢屋の外に出ると、他の檻には、人間たちが閉じ込められているのが見えた。
「助けて!! お願いここから出してよ!!もうこんな場所イヤだ!!」
「あはは。もうだめなんだ。あはは。あはははははは。」
ヒステリックを起こしている人、完全に気が狂ってしまった人、あの時の悪魔の声は、みな、人間たちの悲痛な叫びだったのだろう、
「ずっとこんな声を聞いていたのか?」
「はい、片時もこの声が止むことはありませんでした。」
それは気が狂いそうになるな、私だったらものの数分で正気を保っていられなくなるかもしれない。
「先を急ごう、こんな所にいたら私までおかしくなりそうだ、」
「そうだな、」
先へ進むと、ループする仕掛けは無くなっており、真っ赤な両開きのドアが奥に見えた。
「この扉もかなり気味が悪いな。」
全体が真っ赤であること、目玉の装飾が施されていることなど、おかしな点は沢山みうけられたが、1番おかしな所は、この扉の周りに額縁のようなものがあるということだ。
『暗黒の扉』
作品名の表示、やはりこの扉が、元々は絵だったものを実態化させたものであることがわかった。
「鍵のようなものは無さそうだな、」
「じゃあ、開けて見るか、」
「ギィィ……」
扉を開けると、その先は真っ暗闇であり、街灯のようなものが光っていた。中には明かりが点滅し、ホラー感を増大させているものもある。
「……まじでやめて欲しいなこういうの…………」
「確かにこういうのって電気消えた瞬間にお化けが出てきたりとか…………」
「ばァ!!!」
「ひゃああぁっ!?」
急に目の前に青い肌の小人のような生き物が暗闇から現れ、私たちを驚かしてきた。
「イヒヒヒ!! 君たちお客様? お客様だよねェ!!!」
小人はかなり興奮したようすでぴょんぴょん飛び跳ねている。
「この当たりはあたし達みたいなアタマのイカレちゃった奴らがいるから!! 一旦セーフティルームで装備を整えちゃったりなんかしちゃったら?」
どういう事だ? セーフティルームまで案内するためのモンスター?
「セーフティルームがあるのか?」
「あるよあるよー!! こっちこっち!!」
ちょっとラリった喋り方の小人の女の子に連れられて、セーフティルームへと案内される。
「ガチャ……」
「えへへー!! 上がって上がって!!」
「おお、なんか綺麗な部屋だな、」
連れてこられた場所は、民家の寝室のようにも感じられる部屋だった。壁には絵が掛けられている。
『ボガートの住む家』
「ボガート……?」
「あたしの名前だよ!! その絵はあたしのお母さん!! あたしはお母さんの体を食い破って出てきたんだ!!!」
確かに、この絵で描かれているのはただの室内の風景であり、『ボガート』らしきものはどこにも居ない、つまり、彼女がボガートで、彼女も絵の中の住人だったわけだ。
「外にはあたしの兄妹がウロウロしてるよ!!しかもね、私達の中で、喋れるのあたしだけなんだ!!イカレてるよね!!!」
うん……すごくイカレてると思う…………
「じゃあ、君の兄妹たちは、俺たちに攻撃したりするのかな?」
「多分すぐに食いついて来ると思うよ!! なんたって、イカレてるから!!」
「じゃあ、お前はなんで襲ってこないんだ?」
「兄妹を裏切って、獲物を敢えてかばうのも、逆にイカレてると思わない?」
こいつはイカレてるか否かで物事を判断しているのか……?
「まぁ、お客様が食べて欲しい!!って言うなら、食べてあげるよ!!」
「嫌です、 怖いからやめてください。」
「しょうがないなぁ~……」
そんなに残念そうにしてるってことは食べたかったって事じゃないか……こいつ信用ならないな……
「もう行きましょうよ、皆さん、」
「とりあえず、ここで一旦待機させてもらおう、もう少しで指が治りそうなんだ」
「俺もちょっと用事があってメール送んなきゃなんないから、」
「私も、ずっとあんな怖い場所にいたので、しばらくここで、心を落ち着かせたいです。」
はぁ、よくこんなやつをそこまで信じられるわね………
『紅の今日』
絵が掛けられている。誰もいない部屋に、机と椅子がひとつずつ、自分の部屋を描いた絵なのだろう。しかし、そのどれもが真っ赤に染まっている、とても不気味だ。
「うわぁ……」
気持ち悪すぎる。裏世界にでも来たと言うのだろうか、
「 みなさーん!!」
「うわぁぁぁっ!!?」
いきなり冷たくむにゅっとした物が後ろから抱きついてきた。ライムさんだった。一面の赤色の景色には似つかわしくない綺麗な水色の体が目に優しかった。
「なんだ……ライムさんか……脅かさないで下さいよ、」
「ああっ! 驚かせてすみません! でも怖かったんです~!!」
ライムさんは子供のように泣きじゃくっている。相当怖かったろうに
「さあ、早くここを出ましょう、」
「いや、でも、閉まってるぞ、この牢屋」
「えっ!?」
確認してみると、先程ルシルさんが壊した南京錠と、同じ物が外側についていた。ここからじゃ、壊すどころか、触ることさえできない。
「大丈夫だよ、きっと過去の君たちが鍵を開けてくれるさ、」
ひさしぶりのカルキノスの声、それってどういう意味だ? 過去の自分たちって……
「……バキッ!!……コロンコロンカラン……」
ひとりでに壊れた…………
「……何が起こったかは分からないが、とりあえず、先を急ごうか、」
「そ、そうですね……」
牢屋の外に出ると、他の檻には、人間たちが閉じ込められているのが見えた。
「助けて!! お願いここから出してよ!!もうこんな場所イヤだ!!」
「あはは。もうだめなんだ。あはは。あはははははは。」
ヒステリックを起こしている人、完全に気が狂ってしまった人、あの時の悪魔の声は、みな、人間たちの悲痛な叫びだったのだろう、
「ずっとこんな声を聞いていたのか?」
「はい、片時もこの声が止むことはありませんでした。」
それは気が狂いそうになるな、私だったらものの数分で正気を保っていられなくなるかもしれない。
「先を急ごう、こんな所にいたら私までおかしくなりそうだ、」
「そうだな、」
先へ進むと、ループする仕掛けは無くなっており、真っ赤な両開きのドアが奥に見えた。
「この扉もかなり気味が悪いな。」
全体が真っ赤であること、目玉の装飾が施されていることなど、おかしな点は沢山みうけられたが、1番おかしな所は、この扉の周りに額縁のようなものがあるということだ。
『暗黒の扉』
作品名の表示、やはりこの扉が、元々は絵だったものを実態化させたものであることがわかった。
「鍵のようなものは無さそうだな、」
「じゃあ、開けて見るか、」
「ギィィ……」
扉を開けると、その先は真っ暗闇であり、街灯のようなものが光っていた。中には明かりが点滅し、ホラー感を増大させているものもある。
「……まじでやめて欲しいなこういうの…………」
「確かにこういうのって電気消えた瞬間にお化けが出てきたりとか…………」
「ばァ!!!」
「ひゃああぁっ!?」
急に目の前に青い肌の小人のような生き物が暗闇から現れ、私たちを驚かしてきた。
「イヒヒヒ!! 君たちお客様? お客様だよねェ!!!」
小人はかなり興奮したようすでぴょんぴょん飛び跳ねている。
「この当たりはあたし達みたいなアタマのイカレちゃった奴らがいるから!! 一旦セーフティルームで装備を整えちゃったりなんかしちゃったら?」
どういう事だ? セーフティルームまで案内するためのモンスター?
「セーフティルームがあるのか?」
「あるよあるよー!! こっちこっち!!」
ちょっとラリった喋り方の小人の女の子に連れられて、セーフティルームへと案内される。
「ガチャ……」
「えへへー!! 上がって上がって!!」
「おお、なんか綺麗な部屋だな、」
連れてこられた場所は、民家の寝室のようにも感じられる部屋だった。壁には絵が掛けられている。
『ボガートの住む家』
「ボガート……?」
「あたしの名前だよ!! その絵はあたしのお母さん!! あたしはお母さんの体を食い破って出てきたんだ!!!」
確かに、この絵で描かれているのはただの室内の風景であり、『ボガート』らしきものはどこにも居ない、つまり、彼女がボガートで、彼女も絵の中の住人だったわけだ。
「外にはあたしの兄妹がウロウロしてるよ!!しかもね、私達の中で、喋れるのあたしだけなんだ!!イカレてるよね!!!」
うん……すごくイカレてると思う…………
「じゃあ、君の兄妹たちは、俺たちに攻撃したりするのかな?」
「多分すぐに食いついて来ると思うよ!! なんたって、イカレてるから!!」
「じゃあ、お前はなんで襲ってこないんだ?」
「兄妹を裏切って、獲物を敢えてかばうのも、逆にイカレてると思わない?」
こいつはイカレてるか否かで物事を判断しているのか……?
「まぁ、お客様が食べて欲しい!!って言うなら、食べてあげるよ!!」
「嫌です、 怖いからやめてください。」
「しょうがないなぁ~……」
そんなに残念そうにしてるってことは食べたかったって事じゃないか……こいつ信用ならないな……
「もう行きましょうよ、皆さん、」
「とりあえず、ここで一旦待機させてもらおう、もう少しで指が治りそうなんだ」
「俺もちょっと用事があってメール送んなきゃなんないから、」
「私も、ずっとあんな怖い場所にいたので、しばらくここで、心を落ち着かせたいです。」
はぁ、よくこんなやつをそこまで信じられるわね………
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コメント
アポロン
適当に頑張ってください。