異世界でも自由気ままに
初戦闘
準備を終えた俺達は、早速魔物を探して大樹が並び立つ森を歩いているのだが、不思議なことに空を木々の枝が覆いつくしているにもかかわらずどこからか日光が差しており、視界は明るく、地面の起伏もあまりないので非常に歩きやすくなっている。
(魔物も出てこないし装備でも見てるか)
なかなか魔物が見つからなく、暇になってしまったシグルズは神眼を発動させて自身の装備を見た。
鉄の剣……鉄でできた剣。量産品。状態:良
グレーウルフの革鎧……グレーウルフの皮で作られた革鎧。非常に軽く防御力はそれなり。状態:良
グレーウルフのブーツ……グレーウルフの皮で作られたブーツ。非常に軽く防汚加工されている。状態:良
ボールスには低ランク冒険者の装備だと言われたので、あまり性能は期待していなかったのだが、これでも十分だとシグルズは思った。確かに高ランクのモンスターと戦うには心もとないかもしれないが、今探しているのは低ランクのモンスターであり、初戦闘にふさわしいモンスターなので全く問題ないはずだ。
では一体どんなモンスターを探しているのかと言うと、ファンタジーの定番であり、初戦闘と言えばあいつしか居ないだろうモンスター。そう、ゴブリンだ。1m位の身長に緑色の肌。痩せ細った体付きに子鬼のような醜い顔で棍棒を振り回して戦うあのモンスターこそ異世界での初戦闘に相応しい。
初めはスライムでもいいかと思っていたのだが、森の奥地に行かなければ居ないとボールスに言われたため、ゴブリンに決めたのだった。
そんな訳でゴブリンを探しているシグルズだが、彼の今の外見は低ランク冒険者の装備であるのにもかかわらず、神話に語られる装備に身を包んだ天使かと思う美しいことに彼は気付いていない。まだまだ先の話だが彼自身が作り出した装備の数々に身を包んだとき、それは正しく神の姿そのものになるだろう。
一方ボールスの装備はというと、白いローブに1m以上の長さを持った杖という魔法使いそのもののような装備だった。シグルズに魔法は苦手だったんじゃないのかとに聞かれたボールスは、「杖とは魔法を使うためだけにあるのではないぞい。」と笑顔で答えたそうだ。ではどうやって使うのかと聞こうとしたシグルズだったが、ボールスの何とも言えない威圧感にこれ以上は聞けないと諦めたのは仕方のない事だろう。
シグルズが自身の装備を見ながら森の中を歩いていると、並んで歩いていたボールスが突然立ち止まったので、それに気づいたシグルズは顔を上げボールスの見ている方向を見た。
「あれは……ゴブリンなのか?」
視線の先、30m先にいたのは緑色の肌に逞しい顔をした、身長130cm位で筋肉ムキムキの棍棒を持った3体のゴブリンだった。一体のステータスを神眼で見るとこんな感じだった。
ゴブリン 男 レベル79
ランク E
体力 600/600
魔力 0/0
筋力 418
敏捷 307
耐性 200
知力 49
器用 50
【スキル】棒術4・体術2・生殖5
ちなみにランクと言う項目は、魔物の種類ごとに決まっており、個体によって変わることはない。そのランクと冒険者ランクの関わりについては割愛させてもらう。
(いやいや、なんか強くないか?あれでEランクとかありえないだろ。それに無駄にごついんだが……)
「じいちゃん、あれなに?」
一応確認しておこうと思いボールスに問いかけたシグルズだったが、ボールスから返ってきた言葉は「あれが探しておった、ゴブリンじゃよ」と言うものだった。
(やっぱりあれがゴブリンなのか……)
なぜか期待を裏切られたような気持になったシグルズだったが、ゴブリン達がこちらに気づき駆け寄って来たことで、冷静になった。
「どうすればいいの?」
「まずは、お主が好きにやってみるとよいじゃろ。心配はないじゃろうが危なくなった助けてやるからの、安心して行ってきなさい」
「分かった」
シグルズは腰の剣を抜き放ち、15m先まで迫っていたゴブリンに向かって一歩踏み込んだ。
「グギャ!?」
踏み込んだシグルズは地面を軽く抉りながらも次の瞬間にはゴブリンの目の前に現れ、鉄の剣を横に一閃すると驚いていた1体の胸を深く切り裂き、切り捨てた。
「ギャギャギャ!」
「よっと、せいやっ」
切り捨てたゴブリンの後ろから駆けて来ていた2体のゴブリンが振るった棍棒を一歩下がって避け、棍棒が目の前を通り過ぎた瞬間に2体の首めがけて剣を一振りすると、簡単に二つの首が飛んだ。
シグルズは剣についた血を振り払った後、何事もなかったかのようにボールスの元に戻ると、笑顔で待っているボールスを見つけた。
「いやはや、これ程までとは思わなんだ。良い戦闘じゃったぞ」
ボールスはシグルズの頭をこれでもかという程に強く撫でた。首が痛くなるほど撫でられたシグルズはと言うと、先ほどの戦闘と呼べるかも怪しい蹂躙を思い出していた。
(一歩で地面が抉れたり、騎士並みかそれ以上のゴブリンを一撃で倒せるってヤバいよな……これは本格的に制御できるように修行しないとな)
シグルズは決意を新たにし、次の獲物を見つけるためにボールスの撫でる手から逃げ出した。
(魔物も出てこないし装備でも見てるか)
なかなか魔物が見つからなく、暇になってしまったシグルズは神眼を発動させて自身の装備を見た。
鉄の剣……鉄でできた剣。量産品。状態:良
グレーウルフの革鎧……グレーウルフの皮で作られた革鎧。非常に軽く防御力はそれなり。状態:良
グレーウルフのブーツ……グレーウルフの皮で作られたブーツ。非常に軽く防汚加工されている。状態:良
ボールスには低ランク冒険者の装備だと言われたので、あまり性能は期待していなかったのだが、これでも十分だとシグルズは思った。確かに高ランクのモンスターと戦うには心もとないかもしれないが、今探しているのは低ランクのモンスターであり、初戦闘にふさわしいモンスターなので全く問題ないはずだ。
では一体どんなモンスターを探しているのかと言うと、ファンタジーの定番であり、初戦闘と言えばあいつしか居ないだろうモンスター。そう、ゴブリンだ。1m位の身長に緑色の肌。痩せ細った体付きに子鬼のような醜い顔で棍棒を振り回して戦うあのモンスターこそ異世界での初戦闘に相応しい。
初めはスライムでもいいかと思っていたのだが、森の奥地に行かなければ居ないとボールスに言われたため、ゴブリンに決めたのだった。
そんな訳でゴブリンを探しているシグルズだが、彼の今の外見は低ランク冒険者の装備であるのにもかかわらず、神話に語られる装備に身を包んだ天使かと思う美しいことに彼は気付いていない。まだまだ先の話だが彼自身が作り出した装備の数々に身を包んだとき、それは正しく神の姿そのものになるだろう。
一方ボールスの装備はというと、白いローブに1m以上の長さを持った杖という魔法使いそのもののような装備だった。シグルズに魔法は苦手だったんじゃないのかとに聞かれたボールスは、「杖とは魔法を使うためだけにあるのではないぞい。」と笑顔で答えたそうだ。ではどうやって使うのかと聞こうとしたシグルズだったが、ボールスの何とも言えない威圧感にこれ以上は聞けないと諦めたのは仕方のない事だろう。
シグルズが自身の装備を見ながら森の中を歩いていると、並んで歩いていたボールスが突然立ち止まったので、それに気づいたシグルズは顔を上げボールスの見ている方向を見た。
「あれは……ゴブリンなのか?」
視線の先、30m先にいたのは緑色の肌に逞しい顔をした、身長130cm位で筋肉ムキムキの棍棒を持った3体のゴブリンだった。一体のステータスを神眼で見るとこんな感じだった。
ゴブリン 男 レベル79
ランク E
体力 600/600
魔力 0/0
筋力 418
敏捷 307
耐性 200
知力 49
器用 50
【スキル】棒術4・体術2・生殖5
ちなみにランクと言う項目は、魔物の種類ごとに決まっており、個体によって変わることはない。そのランクと冒険者ランクの関わりについては割愛させてもらう。
(いやいや、なんか強くないか?あれでEランクとかありえないだろ。それに無駄にごついんだが……)
「じいちゃん、あれなに?」
一応確認しておこうと思いボールスに問いかけたシグルズだったが、ボールスから返ってきた言葉は「あれが探しておった、ゴブリンじゃよ」と言うものだった。
(やっぱりあれがゴブリンなのか……)
なぜか期待を裏切られたような気持になったシグルズだったが、ゴブリン達がこちらに気づき駆け寄って来たことで、冷静になった。
「どうすればいいの?」
「まずは、お主が好きにやってみるとよいじゃろ。心配はないじゃろうが危なくなった助けてやるからの、安心して行ってきなさい」
「分かった」
シグルズは腰の剣を抜き放ち、15m先まで迫っていたゴブリンに向かって一歩踏み込んだ。
「グギャ!?」
踏み込んだシグルズは地面を軽く抉りながらも次の瞬間にはゴブリンの目の前に現れ、鉄の剣を横に一閃すると驚いていた1体の胸を深く切り裂き、切り捨てた。
「ギャギャギャ!」
「よっと、せいやっ」
切り捨てたゴブリンの後ろから駆けて来ていた2体のゴブリンが振るった棍棒を一歩下がって避け、棍棒が目の前を通り過ぎた瞬間に2体の首めがけて剣を一振りすると、簡単に二つの首が飛んだ。
シグルズは剣についた血を振り払った後、何事もなかったかのようにボールスの元に戻ると、笑顔で待っているボールスを見つけた。
「いやはや、これ程までとは思わなんだ。良い戦闘じゃったぞ」
ボールスはシグルズの頭をこれでもかという程に強く撫でた。首が痛くなるほど撫でられたシグルズはと言うと、先ほどの戦闘と呼べるかも怪しい蹂躙を思い出していた。
(一歩で地面が抉れたり、騎士並みかそれ以上のゴブリンを一撃で倒せるってヤバいよな……これは本格的に制御できるように修行しないとな)
シグルズは決意を新たにし、次の獲物を見つけるためにボールスの撫でる手から逃げ出した。
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