ジュエリークラフター 【魔物を宝石に変えて魔王も倒せるけど勇者じゃないおっさん】

なんじゃもんじゃ

007C_ジュエモン

 


 テンポウは俺の召喚したジュエルモンスターだ。
 その姿が身長180㎝ほどのボンキュッボンのイノシシ獣人のような女性である。宝石の品質を最高の神話にまであげたことで人型のジュエルモンスターになった。
 赤茶色の髪の毛をポニーテールにして、顔は豚鼻ではなく牙が少し見えるけど悪くない。なにより胸が凄い! ダメ神の胸よりも凄い! どんだけ凄いかと言うと、胸に顔をうずめたら絶対窒息死するくらい凄い!
「よし、テンポウはユキの護衛だ! 絶対にユキを護りぬくんだぞ!」
「ユキ姫の護衛任務、うけたまわったでござる」
 言葉使いが時代がかっているけど、それは腰に佩いた刀に合わせているのかもしれない。よく分からないが、テンポウは刀を使うらしい。猪武者じゃないことを祈っておこう。


「よし、この調子でロウガも神話にするぞ!」
 黒いトルマリンをアイテムボックス(極)から取り出して、MPを注ぎ込む。どんどんMPを注ぎ込むと、レベルがまた上がった。
 こうなると、超成長君がいいしごとをしていると考えるべきだろう。よっしゃ、レベル上げ上等だ!
 調子にのってMPを注ぎ込みまくったら、トルマリンが割れて光の奔流が俺を襲った。よっしゃーっ!
 現れたのはショートの黒髪が綺麗な小柄な13歳くらいの少女だった。その少女は何故か黒装束を着ており、どうみても忍者に見える。ただ、顔だけは何もつけていないので、普通に見ることができた。
「やっほ~、私はロウガだよ~」
 軽いノリの挨拶だ。テンポウとは全然違う性格なのが分かる。
 テンポウもそうだったけど、ロウガも頭の上にケモ耳がある。ケモ耳天国だ。


「我が君へ忠誠をちかっちゃうのだ~」
 その軽いノリで言われると少し不安になってしまう。
「これ、ロウガよ。我が君への不遜な物言いは控えるのでござる」
「はーい。本当にテンポウちゃんは硬いんだから~」
 2人の仲はいいようだ。まぁ、それぞれに個性があっていいよね。
「私はユキなのです。よろしくなのです」
 ユキが年の近いロウガに挨拶をすると、ロウガはユキに抱きついて、頬ずりしながら挨拶をしていた。どうやらスキンシップのようだ。
「あはは、ロウガちゃんくすぐったいのです~」
「これ、ユキ姫にくっつくでない!」
「む~、テンポウちゃんは硬すぎるんだよ~。ねぇ~ユキ姫ちゃん」
「喧嘩はだめなのです~」
 なんだか、3人が仲いいな。俺ははぶられているのか?
 ふと、ダメ神を見たら、ダメ神も所在無さげだった。あ、目が合った。なんだよ、その微妙な表情は!?


「おい、ダメ神。あの2人はどれだけ強いんだ?」
「あんた、私に何かを聞こうというのに、ダメ神って何よ!?」
 うるさいな、ダメ神は俺の質問に答えればいいんだよ。
「はぁ」
 ため息を吐いてしまった。
「何よそのため息は!? まったく、いいわ、教えてあげるから、その耳あかだらけの耳でよーーーっく聞きなさい。この地上であの2人に勝てるようなものはほぼいないわね。あんたが宝石にした銀竜並みの強さで魔王なんか赤子同然よ」
 魔王が赤子同然なら2人に頼めば魔王も……って、スキルがなかったな。




 ■ ステータス ■
 氏名:テンポウ
 職業:ジュエルモンスター1
 種族:テンポウダイゲンスイ
 HP:1,200,000/1,200,000
 MP:300,000/300,000
 SP:600,000/600,000




 ■ ステータス ■
 氏名:ロウガ
 職業:ジュエルモンスター1
 種族:マリシテンウルフ
 HP:1,100,000/1,100,000
 MP:700,000/700,000
 SP:700,000/700,000




 めっちゃ強い。これでスキルがあれば問題なく魔王を倒せるんだろうな。
「2人のステータスはあんたより上でしょ?」
 なんでかダメ神が自慢げだ。お前のステータスじゃないのに、おかしな奴だ。
 一応、他のジュエモンも強化しておいた。だけど、どれだけMPをつぎ込んでも品質は伝説止まりだった。
 品質は下から劣悪、普通、上質、極上、国宝、伝説、神話とあるので、伝説は神話の1つ下だ。それだけでもかなり強いジュエモンになると思っているけど、なぜ神話にならない?
「何言ってるのよ? 名づけもしていないのに、品質が神話になるわけないじゃない」
 なんだと? 名づけをすれば伝説を越えて神話になるのか!? まぁいい、この2人だけでも過剰戦力だと思うから、他のジュエモンは伝説のままにしておこう。必要だと感じた時に上げればいいんだ。


 

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