天使の力を授かった僕は、勇者よりも強いんですが…

かふ

14話 崩れ逝く崖

森林エリアを突破し、今も尚、侵攻を続ける鋼蜘蛛

〜崖エリア〜

「皆、ここで全力で止めるぞ!
西エリアが最終防衛ラインだがと言って、我らが気を抜いて言いわけではない!」
リーダーが崖エリア全員に指揮をとっていた、その言葉には若干、焦りがあった

「おー!」
威勢のある返事が崖の上で響き渡った

「ガシャン、ガシャン、ガシャン…ギギギ」
鉄の軋む音を轟かせながら
崖エリアに進んでいた

「見えたぞ、総員準備につけ」
見張り台に着いていた男が音伝石
で奴の姿が確認出来た事を伝えた

銃兵は弾をこめ、弓兵は矢を拵えた


魔力機関 朱天砲 :「水帝級」
着弾時 追加ダメージ「水」付

魔力機関 斬天砲 :「水帝級」
着弾時 特殊斬撃ダメージ付

2種の砲台が複数設けられた


「ガシャン、ガシャン…ギギギ…ガシャン」
重い足音が近づいてくる

「あの、崖にいる兵達は面倒そうだ…ウェーブゲート迄に時間が掛かり過ぎる」

「イヴェル様どう致しましょうか」

森の中に怪しい影が2つ

「じゃあ消すか…あの崖諸共…」
鈍い様で鋭いような声が滞る

「イヴェル様ならばアレくらい余裕
でしょう」
少し高めの声が返事をする

「よし始めるか…ギエル、移動だ」
イヴェルともう1人はギエルと言う
者だった

「はい、畏まりました」
そう言って目を瞑った、すると空間が歪み、周りの景色が変わった
大体崖エリア付近だ

蝕(エクリプス):「空間転移」

2人が兵達の目の前の空中に現れた

「何者だ!、」
困惑を隠せない兵達

「名乗るものでもない、まぁ簡単に
言うとお前達は計画の邪魔だから
消させてもらう」

「計画?…消す?、どういう事だ」
リーダーの男が返答する

「そんな駄弁っている暇は無いんだ、そうだな簡単に言うと敵だ」

「イヴェル様そんな簡単にカミングアウトして良いんですか?」
ギエルはちょっと困っている様子

「敵…敵?!総員、撃て!?」
困惑しながらも的確に指示を出した

「遅い!…全てを呑み飲め、ディザスターレイ」

蝕(エクリプス):「自然災害」

淡々と詠唱した

崖の下の地面が陥没し崖が粉々に
なり呑まれるように消えた

もう跡形もなくなっていた


「少し派手にやりすぎたか…」

「まだバレていないので大丈夫でしょう」
そう言うと落ちていた壊れかけの
音伝石を拾い…
「こちら崖エリア…ほぼ壊滅状態
崖が崩壊…しまし…た」
ギルドへ報告した

「名演技だな…」

「有り難きお言葉です」

「隠滅なら任せろ…」
そう言ってこう詠唱した

「イリュージョンミスト
(幻想の霧)」

辺りに触れると幻を見せる霧を
発生させた

「これで誰かがここに来ても、崖が
崩落した事に気付かないだろう」

「そうですね〜ではこのまま拝見しましょうか」

「嗚呼、そうだな」







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イヴェル:蝕 (エクリプス)
「自然災害」

ギエル:蝕(エクリプス)
「空間転移」





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