天使の力を授かった僕は、勇者よりも強いんですが…

かふ

11話 闇を纏いし者

あの後、直ぐに救助隊が駆けつけ
あらゆる道具を駆使し
近辺の火を消し止めた、
魔法機動隊 B班の事は
気の毒だったが、
捨て身で闘った隊長が
生きてたことが不幸中の幸いであり
奇跡であった

その裏側では怪しげな影が2つ、
何やら話していた…



「イヴェル様、邪魔が入りましたが、例の奴は順調に
港町へ侵攻しております」

「あぁ、その様だな、ギエル
我々の計画は順調に進んでいる
この調子で進めて行く……」

「今に見ていろ人間ども…」

そう言うと、手から闇を出現させ
その中に吸い込まれるように消えた

スキャンテラを利用し
操っていたのは
イヴェルと言う、蝕(エクリプス)の
使い手であった







その頃


〜港町ウェーブゲート〜

朝になり、昨夜の出来事が
掲示板一面に張り出されてあった

僕とメルは驚いた


「もしかして…あの人達が
話してた事って…」
昨日、町を彷徨いてた時に偶然聞いた会話を思い出した


「話してた事…ってなんなの?」
不思議そうな顔で聞いてきた


「あぁ、昨日メルが宿を探してきて
くれてる時に偶然、町で聞いたんだ
…例の奴が来たら終わりだ、全て
焼かれる…って、もしかしたら
昨日の奴のこと何じゃないかって」
僕は昨日の事を説明した

「そうね、確かに似てるわ、
掲示板の奴も森を焼きながら
進んで行ったって」

「もしかして、
こっちに向かって来てるのかな?」
その事が心配でたまらなかった

「その可能性も有り得るわ、
だってまだ、
どっちに進んで行ったか
記載されてないし、もしかしたら
市民を安心させるために隠蔽
してるのかもね」
彼女の言葉には何故か説得力があった

「向かって来てたら…闘うしかないのか…」
まだ天使の力は制御出来ていない

「この町にいる以上そうね、
多分私は能力的に救護班だと
思うけど」
メルは安心しているようだ

「良いなぁ…はぁ、」
この時だけは彼女が少し羨ましく
思えた

「まぁ、仕方無いじゃない、
向かって来ない事を祈りましょ!」
笑顔でそう答えてくれたが、少し
不安があるようにも見えた

「そうだね、」
僕もあまり乗り気じゃない返事を
返した

このまま何事もなく
終われば良いけど…


天候は酷く曇っていた…じきに、
嵐になりそうだ










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