魔導技巧士の生産活動

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ホームにご招待は失敗だった件

成り行き?でヤクミさんとガルドさんをホームに招待することになり、帰り道となった路地を進み行き止まりに見えるホームへの入り口に到着した。

やっぱり、ただの壁に見えているようで自分達を騙したのかと物語る視線が送られてきていた。

「隠し通路があるんですよ。・・・ほら」
「「!?」」

俺が空間となっている所に腕を伸ばして腕の半分程を消えたかのように見せると驚愕な顔になった。
以外と面白いかも、ヤクミさん達の反応を楽しみつつ二人の思考が回復するのを待たずに進むと慌てて二人がついてきた。

「あれは、わからんな」
「・・・・ですね。どうやって見つけたのか、気になりますね。私の鑑定では、わかりませんでしたから」
「ははは、運が良かったんですよ」

まぁ、俺の持ってる鑑定系のスキルは【神眼】だしだもんなぁ。
きっと、庭とか見たら驚くよな。
鉱種を植えた岩とか採取した植物や菌類の苗床とかあるから、はぁ、どうしてホームを見せるの承諾したんだろう。

「こっちです」
「すまん、今いく」

予想したとおりに庭等を見て固まった。
声をかけるとようやく再起動したガルドがヤクミさんの腕を掴んできたので家に入り、リビングで待ってもらいレシピを取りに向かう。
ちゃんと飲み物とお菓子を置いて行ったよ。

確か、工房区画の作業台に置いてたはず。
合った合ったレシピを見つけたので急いで二人のもとへと戻ると真剣な顔でこちらを見てきた。

「どうしましたか?」
「思っていた以上にすごくてな
ここは一から作ったのか?」
「いえ、今育てている物を以外はもとからでしたね。
ヤクミさん、どうぞ」
「ありがとうございます」

「「「・・・」」」

「今回は見せてくれてありがとうな。
ここいらで帰るわ」

会話が途切れて沈黙が数分続いたがガルドがその空気を壊してヤクミさんを連れて帰って言った。
たぶん言いたいことや聞きたいことが山程合ったのにいい人だな。

今日はなんだか疲れたしログアウトしよう。

翌日、食材や日用品が無くなってきていることに気付いて買い物などを行っていたためログインするのが、昼過ぎになってしまった。

「おい、早く持っていけっ!」

─────何が起きているのか理解ができなかった。
ログインして最初に外が騒がしかったので見てみると植えたものなどが盗まれていた。

「何をしてるだ」
「あっ、ヤクミからここ聞いたから取りにっ──」
「てめぇ、何しやがる」
「やっちまえ」

一応、聞いてみたがやはり泥棒だってようだ。
しかもあのヤクミさんが話したようだ。
やっぱりプレイヤーはダメだな。

辺りに散らばるアイテムを回収しつつホームエリアの権限で設定を変え出入口を変更した俺は、ガルドの素材屋に向かう。

「いらっしゃい・・・・・何かあったのか」
「ヤクミさんはどこに居ますか?」
「まだ、ログインしていないぞ」
「そうですか・・・では、お世話になったと後、今までありがとうございました」

何も知らないだろうが、そもそもガルドが紹介してきた相手だ。
ガルドに頭を下げて店から出ていく。もう来ることはないだろう。
後、雑貨屋のおばちゃんには謝らないとな。

「──そう、寂しくなるけど、元気でね」
「すみません」

事情を説明して最後の納品を行いホームへと帰る。
はぁ、直ぐに裏切られるとは思わなかったな。
今後はプレイヤーに関わらないようにしようか・・・・。
何もやる気でないし、ログアウトしよ。



あの日から三週間が過ぎた。
何があったのか理解したガルドから会えないかのメールが来たが、会うつもりはもうなかったので、その事を返信してフレンドから削除した。
初めの一週間はやる気が出ずログインはするが本を読んで過ごし色々なレシピなどを覚えたりして、二週間目で壊されたものや植物などの植え直し現在は、狩りに行ったり、ギルドの依頼を消化してランクを上げたりしている。

ホームの外で活動するときは見た目をカスタマイズしたアニャマルマントのフードを深く被り
顔が見えないようにして行動している。

名前を見ればわかるとは思うが、声をかけて来る奴がいなくなった。
もしかしたらポーションとかを売らなくなったからかな。

今日も掲示板を見て手頃なクエストを受けようと探していると、声をかけられた。

「すみません。ルナ様、ギルドマスターがお呼びです」

クエストを受けるときに良く対応してくれる受付のお姉さんは用件を伝えて直ぐに俺をギルドマスターの部屋へと案内してくれた。

「マスター、ルナ様をお連れしました」
「入って来てくれ」

部屋へ入りソファーに座るよう案内されて座り改めて部屋の中を見回していると、書類に目を通していたギルドマスターであろう男が持っていたものを机に置いて喋り出した。

「急に呼び出してすまないな。
私がこの街の冒険者ギルドマスターのロイドだ。
さっそく、用件を話したいが大丈夫か」
「大丈夫ですよ」

待ってる間に出されたクッキーが思っていた以上に美味しく、口一杯になっていたが、間をつくらずに返答できた。
詰まりそうにはなったので気を付けよう。


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