神王のスローライフまで

グランアース

第3章第27話  返答



「返答...... だよな。」

「はい、そろそろ私も帰らなくては。」

カレン皇女は、顔を伏せる。
その顔は、何処か悲しい思いを抱いている少女のように見える。

「まだ、帰還するには早いと思うけど?」

「魔王が復活した今、早急に帰還せねばなりません。」

今ここから離れても良いが、リルはまだゆっくりさせた方が良いと思う。
それに、俺だけが行くと言っても華楓もついてくるだろう。
それに、今度は魔王が帝国の方向に向かった可能性は高い。

危ない場所だとしても、皇族と帝国の危機を防ぐ...... 危機だからな。
危ないよな。

「もしだが、それは何人でいかなければならない?」

「それは、なるべくパーティーメンバーでお願いしたいのですが。」

だよな。
でもその返答は、俺一人で行っても大丈夫だと言うことだ。

「りゅうくん、私はついていくよ。もちろん」
「私もついていきます。」

華楓とリルが言う

「だとしてもな...... 」

「りゅうくんを一人で行かせるのは、奥さん失格です。」

「そうです。私たちは、龍一のお嫁さんなんですから。」

いや、そこは夫の帰りを待つと言うのが奥さんの役割じゃないのか?

「りゅうくん。一人で絶対にいかせないよ。」

「このまちは大丈夫です。姉様もおりますし。衛兵達もいます。それに近衛騎士もいますよ。」

そこまで言うのならな。

「取り敢えず、返答は了承しよう。帝国と皇族を助ける。」

「よい返事をありがとうございます。出来れば、私を婚約者にしていただけたら尚、光栄ですが...... 」

「それは、難しいな。」

「失礼しました。」

謝りながらも、カレン皇女は笑っていた。
だけど、ほんの少しだけ眉が動いた。
動きが、数ミリ位だったのでカレン皇女が何を思っているのかは分からない。

「それでは、出発の準備をしてください。準備ができしだい、出発させてもらいます。」

「わかった。」

その返事をして、俺たちは部屋を出た。

さて、これから準備をしてリルのお姉さんにこの町を預けることも話して。
クラスメイトにも話してから、出発するぞ。

リルのお姉さんに事情を説明したら、物凄く止められた。
何度も何度も説得してようやく許可をもらった。
ただし、条件として誰一人死なないで欲しいとお願いされた。

リルのお姉さんも、表面では普通を保っているけどきっと一人の時で枕を濡らして悲しんでいるだろう。

クラスメイトにも説明して、出発の準備を終わらせた。











































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